これは入門者向けの良書だと思います。イスラームに関する知識はサッパリ、高校時代に世界史で習った「ユダヤ教と神様は同じ」という基礎知識と、昨今テレビなどで見聞きするターム――といっても「シーア派」程度ですが――だけが手持ちのカード、という状態で読みはじめたのですが、非常にわかりやすかった!
イスラームとは宗教であると同時に共同体としてのありかたを説く、ひとつの世界観……とまとめてしまうと、あまりに大雑把に過ぎるかもしれませんが。
でも、日本人が考える「宗教」とは、かなり違うんだろうなと。それは、この本を読んで感じたことのひとつです。
本書のまとめの部分は現代のイスラーム世界の混迷についてふれ、西洋世界における「宗教」「民族」認識と、イスラーム世界におけるそれとの差異が、それらの問題を複雑にし、苛烈なぶつかり合いを生んでしまっているという解説には、なるほどと思わされました。
これは短く説明することができないので、直接本書をお読みください。
クルアーン(コーラン)を当時の人々が受け入れざるを得なかったのが、その頃は詩人の時代であり、アラビア語を自在にあやつる詩人の力が尊崇され重視されていたため、クルアーンのもつ圧倒的な「言葉の力」に抗し得なかったから、という説明もおもしろいです。
入信しなかった人々も、クルアーンの素晴らしさだけは率直に認めているというのですから。
そういえば、高校時代の知人が昔、アラビア土産にコーランを唱える目覚まし時計を貰ったことがあるといっていました。きっと礼拝の時間にセットして使うものなのでしょうけれど(時計自体がモスクの形をしているという話でした)、当時の人々を圧倒したアラビア語の響きで目覚めるのは、どんな気分なのかなぁ。
イスラームとは何か
著者名:小杉泰(著)
出版社:講談社
出版年:1994.07
ISBN :9784061492103
日記。放置しまくりに見える本家サイトですが、ようやく〈ライラの冒険〉の感想を書き終えました。でもまだ今年の一月ぶんが終わってないのです。とほほ。頑張ります。
原稿は未だに下巻(一応、上下巻構想なのです。今度は「短い」という読者様のクレームは見なくて済むぞ! というくらい長いですよ……書いても書いても終わらないので)の半ば過ぎをうろうろしています。頑張ってますが、進みません。いやはや。
