ああ、すごい……盛り上がりまくりです。
時限爆弾がついにドッカンした前々巻からこちら、安定しているかに見える日常がいかにたやすく失われるか、ということを見せつけるような展開がつづきましたが、動乱はつづいております。
そして、ここまでに打たれていた布石が、ああこういうことか! と。最後の最後まで、ぬかりなくつづくんですよ。すごい、と思わされました。そういうことだったのかー! なるほど納得、と膝を打たされます。
いやもう。ほんとすごかったー。
基本的に、人は皆その思考のめぐらせかたと、感情を喚起される方向が違うだけで、それぞれ必死に生きているのだということを描いているので、どのキャラクターに対しても必要以上に厳しい評価はくだされず、それは翠蘭という主人公が周囲に向ける眼差しで、よくあらわされているのだと思います。
人の落ち度を厳しくあげつらわずにいることは、罪や穢れを他者に押しつけない強さが自分自身にあるということを意味する――それを体現しているのが、翠蘭という主人公なのではないか、と。
ディ・セルとその奥方は、以前から名脇役という感じでしたが、さらに株を上げましたね。
風の王国嵐の夜 下
著者名:毛利志生子(著)
出版社:集英社
出版年:2008.06
ISBN :9784086011679
本家サイト感想文一覧

特に最後の最後!「あの伏線はここにくるのかっ!」と。なんちゅーか泣きそうになりました。
このお話しを読んでてよかったと思いました。
シリーズはもう少し続いてくれるような感じですが、この先も楽しみです。
あの人の未来に幸あれかし、と心から思えるようになりました〜。
いやぁ、それにしてもすごい一冊でした。