2008年06月05日

読了メモ:薪の結婚

 久々にジョナサン・キャロルを読みました。
 読み終わってから帯(あるいは「腰巻き」)を見て、えー、こんな話だったっけ? と思ってしまったのですが……いやたしかに「天才腹話術師」は出てきたし、「死者」とか「結婚」とかのキーワードもべつに無関係ではないというか中心的なものなのてすが。
 なんか違う。といって、ではどうなんだと問われても困る。
 ……まあ、ジョナサン・キャロルだからね!

 そんな納得風味の一冊です。相変わらずブラックでダークで非日常が日常を侵蝕してくるときの勢いがたまりません。キャロル読者としては、「きっとこの後、途方もなく嫌展開になるんだ」とか「この素敵な人は実は悪い人か、あるいは情け容赦ない運命にたたき落とされるか、あるいは※※かそのへんだ」なんて身構えながら読んでしまい、だいたいの場合、その予想ははずれないのですが、それでも足下をすくわれるのがキャロル。
 どうせひっくり返されるんだから、無駄に用心しないで、思いきりこかされようぜ! と自分に檄をとばしたくなる有様で、へっぴり腰で読みました。そして裏切られずに裏切られましたよ……。
 最後の方は「どうなるの?」とずいずい凄い勢いで読んでしまい、「えっ、読み飛ばしちゃったかな……このへんどうなったの?」となるのも、いつも通りです。もったいないからちゃんと読め!>自分

 もう浅羽訳のキャロルは読めないんだなぁと思いつつ。でも、新しい訳者のかたも、さして違和感のない読みやすい文章でよかったと思います。浅羽さんの模倣というわけでもなく、でもそんなに遠くない雰囲気をキープしているというか。すごく良いお仕事をなさったのではないかと。
 浅羽さんの後任って、大変だろうなぁ。お疲れさまです。

 読めないんだなぁといいつつ、実は浅羽訳でまだ読んでいないキャロルが残ってはいるのです。こんなにいろいろ積んでしまって、読書量、落ち過ぎだよ……。
薪の結婚

著者名:ジョナサン・キャロル(著)
市田泉(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2008.04
ISBN :9784488547127
posted by うさぎ屋 at 10:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※半角英数字のみのコメントは書き込みができないようになっています。

この記事へのTrackBack URL

※半角英数字のみのトラックバックは受信されないようになっています。