内容はタイトル通り。漢帝国の西域経営の最前線の発掘成果(おもに木簡)を材料に、当時の辺境防衛のありかたと、地域社会の姿を考察し、描きだしていくというスタイルです。
防衛戦として築かれていた小さな砦の配置と、そこに配属されていた兵の人数、出身地、制度、もろもろのことが木簡にしるされた文書からわかっていくのが、おもしろいです。数、距離、量などといった具体的な数字もおもしろいし、兵士同士の喧嘩とか、金銭をめぐる訴訟の記録とか、なにもかも目新しくかつ「ああ、人間って昔から……」とも思わされたり。
この本、好きだなぁ。おもしろいです、ほんとうに。発掘できて、よかった!
漢帝国と辺境社会
著者名:籾山明(著)
出版社:中央公論新社
出版年:1999.04
ISBN :9784121014733

びたみんにとって 随分、大昔、もう30年ほど前に、結構な西域フィーバーだったのですよ。
懐かしいっす・・・
張騫ね。なんかしらんけれども、不思議人物なんだよねえ。玄奘三蔵って偉い坊さんだから民間の自由人ってイメージがあるんだけど。
張騫ってさ、なんだか政府に雇われたシガナイ役人で運命に翻弄される子持ちサラリーマンってな感じがするので、グッドなんですよ。ええ。なんか、ヒーローって感じじゃないけど、明らかに物語の主人公だよね!
たぶん二十数年前に、敦煌展とかいうものに親戚に連れられて行きました。日本橋の三越だったかな……当時はよくわからなかったです。今の方が、図録を見て「うわ、すごいもん来てたんだな」と思います。……って、どんどん話が逸れていきますが。
この本では、あまり英雄というか、史実に名を残した人は大きくフィーチャーされていないのです。そのへんがまた、よいのですけど。サラリーマンというよりむしろ派遣社員みたいな感じで哀愁です。もっというと、強制出稼ぎ状態っていうか。それもお給料は出なくて食料と官給品の衣類と武具だけとか。だから、勝手に牛を処分した代金を寄越せとか、牛は最初から自分のものになる契約だったとかで争っちゃったりします。官給品を暴利で売るなとかいう命令がくだされたり。
渋い! そして世知辛い!
張騫も、名前は出てきたと思いますが、「ざっと歴史の流れをさらいますよ」という文脈で出てきた程度でした。さらに遡って、秦の武将の蒙恬とか。ほかに目立つ名前といえば、間をズバーッととばして、歴史学者(というより、当時はなかば探検家ですね)のみなさんとか。
張騫は活躍しませんか・・・ボクトツゼンウとか・・・でも、なんだかオモシロそうなので、久々の西域トリップものとして、読んでみたいと思います。
井上靖ラインっていうのも、読み物エクスパンションにはいいのではないでしょうか?時代が違うのかな?
それから『額田女王』にいって、その後しばらく読んでいなかった気がしますが、たしか『天平の甍』と『孔子』と『風林火山』を読みました。ほかにも読んだかもしれませんが、ちょっと記憶がさだかではありません。
西域を扱っているのは最初の二冊だけですねぇ……。『敦煌』は状況に流され過ぎなインテリの主人公がわりと好きで、二回くらい読み返しました。映画化もされましたよね。