2008年03月31日

読了メモ:オラクルの光

 というわけで、『オーバーン城の夏』につづいて、ルルル文庫の『オラクルの光』を読んでみました。
Reading Diary-MEMO】で紹介されていた(上巻下巻)のも、興味をもったきっかけのひとつです。
 実際に本を読んでからリンク先の感想をあわせて読み直してみると、なるほど……と思います。すごく、そんな感じ。

 ヒロインは鄙びた村から大神官に見いだされた少女で、預言の才能があります。この世界では、預言(予言ではなく。神の言葉を伝えるということですね)の力をもつ者はオラクル神殿でその才能を磨き、儀式によって鳥に選ばれるという手順を踏んで、正式の預言者となります。なんとヒロインは鳥ではなく風に選ばれるという、凄まじい潜在能力を示すのですが、神殿にも特権階級の出身であることを鼻にかけた嫌な奴がいて……と、いうお話。
 ファンタジー色も薄くはないですが、やっぱり「素直でわかりやすい」ものなので、あまりドッチャリした(変な表現ですが……)ものを読みたくない人にも薦めやすいです。学園ものとして読んだ方がいいかも。

 わたしは、ものすごく素直なお話だなあ、と思いながら読みました。
 ストーリーもそうですが、キャラクターの造詣も一直線で歪みがなく、「安心させておいて、不意に足下をすくわれるのでは?」なんて不安を感じる場面はありません。
 もちろん、主人公たちは危機的状況に陥りますが、それもオーソドックスというか、物語の展開としてこうなるのよという流れの上でのことで「うわまさかそんな無理駄目嫌だってば!」ということではないのです。
 うーん、うまく説明できているかな……。

 わたしとしては、もう少し踏みこんだお話や世界の方が好きですが、対象年齢層を考えると、これはこれで良いものです。おもしろいことには間違いないし、カジュアルに楽しめるファンタジーだと思いました。
オラクルの光〜風に選ばれし娘

著者名:ヴィクトリア・ハンリー(著)
杉田七重(訳)
出版社:小学館
出版年:2008.02
ISBN :9784094520538
オラクルの光〜預言に隠されし陰謀

著者名:ヴィクトリア・ハンリー(著)
杉田七重(訳)
出版社:小学館
出版年:2008.03
ISBN :9784094520576
posted by うさぎ屋 at 16:15| Comment(3) | TrackBack(0) | 小説
この記事へのコメント
ヴィクトリア・ハンリーの3作品を読んで思ったのは、定石どおりというか王道の書き方だなあということです。
そして、それなのにどんどん先が読みたくなり、読後の満足感がありました。
これは結構すごいことではないかと、感激しました。
Posted by ときわ at 2008年04月01日 16:47
 そうですね、すごく王道のストーリー・テリングだと思います。冴えない女の子であるはずの主人公が、潜在的な力を認められてサクセスするという基本の筋があって、頭のてっぺんからつま先まで「イヤなヤツ」がライバルがからみ、そのライバルは同じ男の子に目をつけていて、男の子は……と説明し過ぎちゃうとネタバレなので自重しますけど。

 安心して読める、とでも表現すればいいのかな。
 個人的に残念だったのは、男性陣にわたしが萌え萌えできるようなタイプの人がいなかったことでしょうか……。
 比べるものでもないですが、『オーバーン城の夏』の方は、ケインといいロドウィックといい、実にわしづかみな感じだったので。
Posted by うさぎ屋 at 2008年04月01日 20:45
 あ、「ロデリック」ですね、ロドウィックじゃなくて。間違えました〜。トホホ。
Posted by うさぎ屋 at 2008年04月01日 20:46
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