さて、趣味っぽい? と思った『狡猾なる死神よ』、予想に違わずわたしの嗜好にバッチリでした。舞台はアメリカ。美術史家のヒロインが遭遇した奇妙な墓、おどろくほど美しく、当時の様式とはあきらかに異なる「舟の中に寝ている娘の死体」の彫刻は、いかなる芸術家の作品なのか? というところからグイグイ興味をひっぱっていくんですが。
その彫刻が、ラファエル前派風だというんですよ。
どんな美しい「舟のなかの死んだ乙女」像なのかと想像するだけでわくわくします。
シャロットの乙女とかキーツとかミレーとかロセッティとかばんばん名前が出てきますので、その筋の人は、とりあえず押さえておいてもいいように思います。
あと、260ページ過ぎたあたりで、それまでの期待値を200%ほど上回る胸キュン(当社比)シーンがあり、びびりました。うっは、サスペンスとロマンスは相性がよいとは知っていましたが、かなり油断していたので、やられました。
以下ネタバレにつき感想が書けません!
これは著者のデビュー作で、そのままシリーズ化されているようです。デビュー作でこれだけ書けてたら、いうことないですね。
狡猾なる死神よ
著者名:サラ・スチュアート・テイラー(著)
野口百合子(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2008.02
ISBN :9784488270049
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