舞台は吸血鬼、デーモン、獣人などの存在が当たり前で、何年か前にかれらとのあいだに戦争があった、という以外はまぁ「普通の」世界。戦うヒロインはパン職人です。彼女は町のコーヒーハウスでパンを焼くのが大好き、自分がつくったものをみんなが食べてくれるのが大好き、戦う相手はおもにパン種……という、地に足の着いた女の子。
それがヴァンパイアの抗争に巻きこまれてしまい、「君が理性のある生き物だと私に思いださせてくれ」とヴァンパイアにいわれたりします。で、「わたしは〈チャーリーのコーヒーハウス〉でパンを焼いてるの、〈頭くらい大きなシナモンロール〉が人気メニュー」などという話をしたりするわけです。
なんかこのすれ違い感というか、ズレた感というか……。
吸血鬼が徹底して「ちょっと血が吸える人、ではありません」という描写がなされているのがすごい。もう全然「違う生き物」なんですよ。ベッド・シーンもあればスプラッタ・シーンもあるのですが、すべて主人公のユーモア感覚を通した一人称で語られるので、なにかこう……うまく説明できませんが、独特の乾いた雰囲気があって、べたつきません。
おもしろいもの読んだなあ……。
サンシャイン&ヴァンパイア 上
著者名:ロビン・マッキンリイ(著)
藤井喜美枝(訳)
出版社:扶桑社
出版年:2007.11
ISBN :9784594055264サンシャイン&ヴァンパイア 下
著者名:ロビン・マッキンリイ(著)
藤井喜美枝(訳)
出版社:扶桑社
出版年:2007.11
ISBN :9784594055271
この二冊、昨日読んだんですけど(〆切一個クリアした&本を読むモードになってとまらなかったので!)、本家サイトを久々に更新したりして、こちらの更新が間に合いませんでした。
本家、開設十周年です。こんなに長続きしたことに、ちょっとびっくり。
あまり凝ったことをする時間がとれなかったので、昔のコンテンツを一気にアップロードしてあります。一時的な公開なので、ご興味がおありのかたは、お早めにお読みください。

http://d.hatena.ne.jp/atkonthenet/20080206/p3
>妹尾ゆふ子さんにマイナー認定された扶桑社文庫。
と書かれてしまいましたが、この記事にそういう意図はありません。あくまで「翻訳ファンタジーの新刊がないか恒常的にチェックしているレーベルかどうか」という話であって、それは扶桑社文庫自体がマイナーといっているわけではないのです。
そのように読むこともできる書きかたになってしまっていることを、お詫び申し上げます。
また、ご指摘くださったかたには、謹んで感謝します。