児童文学の古典ですが、たしか最初に読んだのは福武文庫版だったと思います。だからハイティーンの頃かなぁ。へたすると二十歳になってから読んだかも。
そのとき全然ピンとこず、でもこの作品がすごく好きという人がたくさんいるので、いずれまた読んでみようかな、と思っていたわけです。それで『黄金の羅針盤』の感想があんまり昔と違ったのでびっくりしたつづきで、読み返してみようと。
読み返した結果、読者の心に残る作品であるのは無理からぬことよのぅ、ということはわかりました。ただ、最近こういう「キリスト教=善」という図式が露骨に見える部分は引いてしまうかな。書かれた時代などを考えると、これが当たり前なのだと思いますけど。
ああ、『黄金の羅針盤』はむしろ北米カトリック連盟からボイコット運動を受けるような作品だったところが、今の自分にはよかったのかも……。
話が逸れましたが、キリスト教問題を抜きに考えると、ディテール描写の美しさに強くひかれます。巻末の訳者あとがきによると、これは全訳ではなく一部省略されているとのこと。むかしの児童文学翻訳って、そういうの多いみたいですね。全訳ではないという言及があればまだしも、なにも書いていない場合もあるようなので、そのへんは是正していってほしいと思います。
とにかく、白馬をはじめとする魔術的な力をそなえた動物たちが、素晴らしい。ぜんぜん魔術的でもなんでもない、むしろ利己的な犬までかわいい! 利己的過ぎてかわいいです。馬鹿だなぁ、こいつ! みたいな感じに。
まぼろしの白馬 新版
著者名:エリザベス・グージ(著)
石井桃子(訳)
出版社:岩波書店
出版年:2007.01
ISBN :9784001141429
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