再読です。初版刊行当時に購入し、一回読みました。読んだとき、話は波瀾万丈でおもしろいけどライラのキャラクターがあまりにも小生意気でこう……やっちゃ駄目といわれていることを片端からやってのける系なので、合わなくて。続刊は読まなくてもいいかなぁ、ハードカバー高いし(そう! ハードカバーで買ったんですよ、珍しく!)と放置していました。その後、文庫で出たときも「買わなきゃ〜、読まなきゃ〜」と思いつつ、しかし「でも『黄金の羅針盤』の内容をきれいに忘れてるし、読み返さないと続刊だけじゃ意味不明だよね?」と思うと面倒で、スルーしておりました。スミマセン。
読み直してみました。やっぱり内容はほとんど忘れてました。スミマセン。
忘れてたんですが、なんということでしょう。七年少々の月日がわたしを変えたようで、ライラが鬱陶しくありません。おどろいた。むしろかわいい。びっくりです。
読んだときの自分の状態によって(わかりやすく普遍的ないいかたをすると「時期によって」あるいは「年齢によって」になるでしょうけど)、得るものが違う、つまり感想も変わるのは今までさんざん経験してきましたが、そのたびにびっくりします。
確固たる「自己(あるいは自我、つまりワタシ)」という認識、時間軸の上をひとつにつながって延びているはずのこのワタシという存在は、ほんとうに数年前もワタシだったのか? と疑いたくなるような変わりっぷりです。
うわぁどうしよう。信じられないほどおもしろかったですよ!
もちろん続刊は注文しました(文庫版ですが、どうやらハードカバー版となにも違わないようですし。ついでにいえば、これは版元に電話して確認したのですが、映画公開に先立って出版された新装版も、中身はまったく初版と同じそうです)。
黄金の羅針盤
著者名:フィリップ・プルマン(著)
大久保寛(訳)
出版社:新潮社
出版年:1999.11
ISBN :9784105389017
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なんとそんなに印象が違いましたか!
私は2年ほど前に文庫で読んだんですが
その時はライラが単なる困ったちゃんにしか見えなくて…
しかもうそつきだし。
なんで周囲のみんなはそんなにライラのことを大切に思うんだろう…
と、ものすごく不思議だったんです。
読む時期や状態によって感じることが変わるというのは
私も何度か体験してますが、
7年経って、ライラがそんなにかわいく思えるようになるとは…!
ためしに再読してみたくなりますね。
…2年程度じゃ無理かしら。(笑)
そうなんですよね、ライラって嘘つきだし自分の思いつきだけで猪突猛進だし、目先のことしか覚えてられないし……。
ただ、今回読み返して思ったんですが、ライラはとても子どもらしいなぁ、と。彼女と彼女の属する世界はとてもリアルに「子ども」の世界だと感じられたんです。
逆に、まわりの大人たちの世界の方が、うすっぺらで胡散臭い。
大人がライラを大切にする理由づけの描写は、ちょっとたりないかなぁ、と思います。それを「ライラはちっともかわいくない」と感じるか、「ライラはいい、しかし大人がそれをどう気がついていくのかの描写がたりない」と感じるかの差なのかも?
うまく説明できているかわかりませんけど……。