新年初読み小説は、再話ものの定番となりました。ケストナーはやっぱりケストナーだ! という筆致。軽いのです。軽妙、という言葉を連想させられます。作品に、余計なことを背負わせない強さ。
うーん、うまく表現できませんが、とにかく「不要なものを含まない」純粋さがあるのです。ケストナーの作品は、どれもそんな感じで、それが彼の文筆家としての個性なのだと思います。
訳者解説を読むと、これを書いていた当時のケストナーの状況はかなり切迫したものだったはずなのですが、そんなことを微塵も感じさせません。
収録作品は表題作の「ほらふき男爵」の他、「ドン・キホーテ」「シルダの町の人びと」「オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」「ガリバー旅行記」「長靴をはいた猫」……で、それぞれが短編の集成でもあるといった体裁(違うのは「長靴をはいた猫」くらいかな?)。
ケストナーのほらふき男爵
著者名:E.ケストナー(著)
池内紀(訳)
泉千穂子(訳)
出版社:筑摩書房
出版年:2000.01
ISBN :9784480035325
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