2007年11月10日

読了メモ:エノーラ・ホームズの事件簿 消えた公爵家の子息

 ナンシー・スプリンガーだし、と思って買ってあったのですが、例によって今頃読みました。

 おお?
 おおおお。なんかすごくおもしろいじゃないですか。

 ハヤカワ文庫FTの流れは、ほとんど感じません(当時の作品を知っている人にしか説明になりませんが……)。舞台はもちろんヴィクトリア朝英国ですが、あの格式張った暮らしを甘受するには活発過ぎる女性はどうしていたの? というあたりから立ち上がってきた物語なのではないかと思います。
 風俗・衣装などの描写は克明ですが、それがまったく「礼賛」ではないのですよ。キツい、苦しい、めんどくさい、とヒロインは当時の「当たり前」のほとんどを否定しつつ、母の失踪の謎を追い、たまたま遭遇した別の失踪事件にも深く関わることになります。

 タイトルから、てっきりシャーロック・ホームズと仲良く推理でもするのか、あるいは「隠れた知恵袋」としてでも登場するのかと勝手にぼんやり考えていましたが、ぜんぜん違いました。
 エノーラは時代や家族にとらわれることなく、自分の人生をみつけるために旅立つ少女でした。
エノーラ・ホームズの事件簿

著者名:ナンシー・スプリンガー(著)
杉田七重(訳)
出版社:小学館
出版年:2007.10
ISBN :9784094520309
posted by うさぎ屋 at 22:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説
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