主人公はショコラティエの女性です。いろいろしがらみを抱えている社会人、28歳。
「いつかすてきなショコラティエになるんだ♪」みたいな状況ではなく、すでにパティシエとして何年も勤めているのですよ。
もちろん、目標は高いのです。かつて彼女を感動させたようなショコラを、自分がつくって、誰かに食べてもらうこと……なんだけど、現実の世界は厳しいのですよ……。頑固な店主。厳しい経営状況。
結局、与えられた条件で最良の結果を出す、くらいしか現場の人間にはできないんですけど、そうしてできた「商品」を評価する側は「与えられた条件」なんて前提は斟酌してくれません。ほんとうにつくりたいのは、これじゃない。望んでやってるわけじゃない……というのも自分へのいいわけに感じられてしまう日々。これはつらい。
感情移入し過ぎて、主人公といっしょに胃が痛くなりそうでした。
ああ、でも胃が痛くても最後のムースは食べてみたい……。
主役のこだわりはショコラにありますが、切り替わっていく視点人物もまた、それぞれ「食」にこだわりのある人々なので、ステーキ、精進料理、地鶏唐揚げ、石焼き芋、ハンブルク・ステーキ……などなど、いろいろな食べ物がでてきます。空腹時の読書は危険かと思われます!
スイ〜トスイ〜ツショコラ
著者名:ゆうきりん(著)
出版社:徳間書店
出版年:2007.10
ISBN :9784198624200
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