2007年09月17日

読了メモ:ヒンドゥー・ナショナリズム

 インド/パキスタン間緊張の背景を読みとく、インド側からのひとつの見かた。

 いやー、これすごく面白かったです! 著者が自分の人生と重ねあわせながらインドでの調査をおこなう前半と、本全体の結びの部分は、とてもよくできた紀行文あるいは体験記として情緒的に「読ませる」内容になっているので、あまりこういう問題には興味ないし……という人にも入りやすく、読み終えたときに強い印象を残すと思います。

 著者が実際に宿舎に泊まりこむなどして調査したRSS(民族奉仕団)の身体訓練の話から、整列や行進などの基本的な「動き」は戦闘のときに兵士として必要になるもの……しかし、かれらより上手に「回れ右」ができて、みんなの見本になるようにちょっと前に出てやってくれと指導者にたのまれる「日本人」の自分とはなんなのか、まで考えてしまうわけです(著者の説明によれば、日本でも「官軍」として最初に徴兵された農民たちは動きがばらばらで使いものにならなかったから、それで学校を作ってすぐに整列の訓練がなされたということのようですが)。

 なんでも、問題を自分に引き寄せて、ちゃんと「自分の中で考えている」、というか。そういう姿勢に好感をもちました。

 もとはといえば、知人が『中村屋のボース』を読んだけどおもしろかった! といっていたところから、ネット書店でその本を検索し、ハードカバーだったので(……スミマセン。ヘタレで)、同じ著者の新書を選んで買ったのでした。
 うーん。でも『中村屋の〜』も買うべきかもしれない。と、思うくらいおもしろかったです。
ヒンドゥー・ナショナリズム

著者名:中島岳志(著)
出版社:中央公論新社
出版年:2002.07
ISBN :9784121500571
posted by うさぎ屋 at 11:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史
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