全体に、どこか引き気味な視点から――たとえばこの物語全体が舞台劇にたとえられているように、どこか影のなかから演出家が見ているかのように――語られているので、ぐぐっと感情移入して読むという感じにはなりませんでした。
やっぱり、舞台っぽいのかなあ。
大道具小道具、さまざまに豪奢な装いを凝らしているけれども、でも舞台というその特殊な空間でしか力を持ち得ないというか……うまく説明できないな。
下巻は一気読みしてしまったほどには、おもしろかったのですけど。
とても映像が浮かびやすい話なので、映画で見てみたいなと少し思いましたが、その場合、フェリクス・フェニックスを誰が演じるのかという問題が……。プラチナブロンドの美青年で、誰でも彼に親切にしたくなっちゃうような物腰やわらかなトラブル・メーカー(本人の意図にかかわらず)って、難しそうです。キャスティングが。
パイレーティカ女海賊アートの冒険 下巻
著者名:タニス・リー(著)
築地誠子(訳)
出版社:小学館
出版年:2007.06
ISBN :9784094520187
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