確認したかったことは、確認できました。載っていなかったことがわかっただけなんですけど……まあそれはともかく、矮躯の名宰相、晏子の生涯をたどる後半二冊は、焦点が父晏弱から息子晏嬰に移ります。
当時、容貌がすなわち人格に結びつくと考えられていた時代であったにもかかわらず、童子のような体格で一国の宰相までのぼりつめた晏子というのは、よほど特異な人だったのであろうと思われます。
政権を巡る高位貴族の権力闘争から一歩退いて、つねに正道を歩んだ人生は、苛烈ともいえるでしょう。
むかし読んだときは、たぶん前半二冊の方が圧倒的におもしろいと感じたはずですが、今は後半の二冊も優るとも劣らないおもしろさで迫ってくる感があります。
三巻のあたりなど、晏子はほとんど喪に服しているだけで、事件は彼を除いて進展していくのですが、その「除いて」という事態の特殊さ自体が実はおもしろいというか……うまく説明できないのですが。
何度読んでも、四巻の最後は泣けます。叱られると子どものようにしょんぼりし、反省し、でもすぐに忘れて同じことをやってしまう君主に辛抱強くつきあった晏子――この君臣像の描きかたに、著者のやわらかな愛情を感じました。
晏子 第3巻
著者名:宮城谷昌光(著)
出版社:新潮社
出版年:1997.09
ISBN :9784101444239晏子 第4巻
著者名:宮城谷昌光(著)
出版社:新潮社
出版年:1997.09
ISBN :9784101444246
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