まさに、弁舌に命を賭けて生き抜いたんだろうなぁ。
そのせいもあってか、讒言への警告を示す成語も数多く、中でも「息壌はかしこに在り」が印象深いです。
異国Aと盟約をかわし、異国Bを攻めに行く任を与えられた家臣が、王に向かって「自分が外征におもむけば、きっと親異国B派の家臣が自分のことを貶す発言をするでしょう、でもそれを信じてしまわれては、王は異国Aとの盟いを破り、自分は異国Aの王をたばかったことになり、憎まれるでしょう。ですから、なにを言われても、かならず信じつづけてください」と、先のことを予見して言うわけです。王は納得し、息壌という地で「ちゃんと信じるよ」とその家臣と約束します。
案の定、身近に残った者たちの言葉に動かされ、王は先に派遣した家臣を五ヵ月で呼び戻し、「どうなっているのだ」と尋ねてしまいます。すると家臣は答えて曰く、
「息壌在彼」
こうなることを考えて、息壌でお約束したはずですよ、息壌は未だあそこにありますよ。というわけで、王様ハッと思い直して彼に戦をつづけさせる……というお話。
他にも、似たような「きっと讒言があるでしょうが、お信じにならずに」という約束をした話がおさめられていますが、こちらは讒言の方が通って先に約した者は王の信頼を失ってしまうという展開。
先を見通しても駄目なもんは駄目。ということがわかります。
厳しいなぁ。
現代語訳→読み下し文→漢文の順に載っています。全訳ではなく抄訳で、編者が独自にテーマを立てて、内容に沿って分類・順番を入れ替えて掲載しています。国別ではなく、状況別、と書けばよいでしょうか。
戦国策
著者名:近藤光男(著)
出版社:講談社
出版年:2005.05
ISBN :9784061597099
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