タニス・リーは、かなり好きな作家なのですが、実は刊行当時、わたしはこの本を読んでおりませんでした。理由はたぶん簡単、おそろしく夢のない性格のせいです。人がロボットに恋をする……これは、「アリ」。ロボットも、恋をする……これは、「ナシ」。無理です。ゴメンナサイ。
しかしリーなので、とにかく読ませます。
舞台は未来、最高の女性である母親のひとり娘として生まれたジェーンが、ギターを演奏して歌をうたう高機能な自立型ロボットに恋をしてしまいます。ロボットは人を傷つけないように作られていますから、求めれば完璧な恋の相手……にはなってくれますが、ジェーンは絶対的な母の支配下にあり、彼女の許可なしにはなにもできないような女の子。それでも、恋の力は彼女を動かして……というお話です。
最上級にロマンティックで完全無欠の恋物語。リーは凄いと思います。
タニス・リー未体験読者さんは、ぜひお読みになるといいですよ。
変なたとえですが、コレわたしが書いたら絶対こうはならないですよ。あーなってこーなって、たぶん陳腐にこぢんまりと終わるだろうなと、想像がつきます。
ああ、なんかイヤな気分になってきた!
とにかく、クローヴィスは素敵だと思います。シルヴァーにもよろめきますが。
銀色の恋人
著者名:タニス・リー(著)
井辻朱美(訳)
出版社:早川書房
出版年:2007.04
ISBN :9784150116064
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井辻さんがあとがきで「これに感動しないひととはお友達でいたくない」というようなことを書かれていて、それにも感動しましたね。
だけど続編が出るということを聞き、それは止めて欲しいと思いました。あそこで終わったからこそ良かったのに・・・・。
主人公はジェーンではなく、このジェーンの本を読んだ女の子、という設定で書かれているようです。
井辻さんのあとがきは「このラストを感傷というひととは話をしたくない!」ですね〜。
わたしは、べつに感傷と断じるわけではありませんが、全肯定しない奴はあっち行け! という雰囲気に、はじき出されて、もの寂しくすごすごと引き返す自分……というイメージが明瞭に浮かんで困りました。
そこまで防御壁高くしなくてもいいのにな、とは思います。