去年(遅い!)、宇月原ブームが個人的に発生したとき、折よく『黎明に叛くもの』が文庫に落ちたのを知った……のはよかったのだが、同時に「文庫版だと、新書版に収録されていた外伝が入ってないよ」という情報も仕入れてしまい、あら困ったわと。
困ったまま悩んでいたところ(わたしは優柔不断なのですよ)、今度は外伝も文庫版で出たことを【日々雑景】の読了本メモで知り、安心して文庫で二冊とも取り寄せたわけですが、新書四分冊を文庫一冊にするのがあんなに凶悪な仕様を生むとは(以下略)
てっきり、よほど外伝が長いんだと思ってました! 不覚ッ!
その長いと思った外伝は、ぜんぶあわせても200ページに満たない量でした。もちろん17行/頁。だよなぁ……19行って!
いや、内容については「堪能しました!」なのですが……あまりに本編文庫版の仕様が強烈だったので、つい話がそこに戻ります。すみません。
うまいと思ったのは、小早川をからめた「神器導く」、強烈な印象を残すのはマルコ・ポーロが語り手となる「波山の街」でした。球体関節人形という文字列をみただけで、単純素朴にドキドキしてしまう人形者ですみません。真っ青なグラスアイと長くて豪勢な金髪のウィッグを、うちの人形に買い与えようかと思うほどです。
天王船
著者名:宇月原晴明(著)
出版社:中央公論新社
出版年:2006.11
ISBN :9784122047730
