たしかに「呪いの本」ではあります。主人公は世継ぎの王子の姉にあたる姫君の家令に抜擢されてしまったため、王家にまつわる凄まじい呪いに関わることに。その呪いをとくために奔走しつつ、これは自分で選んだことなのか、それとも神々に踊らされているのかと悩んだりもするのですが……ああなんか女神伝っぽいですね。近いかも。
ただし、主人公は三十五歳、最初がボロボロのヨレヨレで登場する上に、本人が武勇伝を喧伝することに熱心ではないので目立ちませんが、実は歴戦の勇士。知略にすぐれ、見識に富み、武術の腕前も最上級とはいえずとも、剣は飾りではありません。
その三十五歳と、十六歳の姫君(活発過ぎて、教師を何人も追い払ったくらい)が、次第に信頼で結ばれていくわけですが、主人公の恋慕の相手は十九歳の姫君の侍女(といっても、ちゃんとしたお貴族のお嬢さまで、姫君の勇敢な親友です)で、ここで妙に押しが弱くてヘタレなのですよね……。
あつかましくないところが大変いいのですが、控えめにもほどがある!
ああ、つい変な方向に語ってしまいましたが、いやほんと、よくできてました。堪能いたしました。続刊! 早く続刊!
チャリオンの影 下
著者名:ロイス・マクマスター・ビジョルド(著)
鍛冶靖子(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2007.01
ISBN :9784488587031
本家サイト感想文リスト
