ものの見かたがこう、斜めからって感じで。それでいてストレート。変な説明ですが、そんな印象の作品です。
舞台は戦国時代の日本、主人公は織田家に仕える古田佐介。彼がこう……おのれの物欲に正直なキャラクターで。
物欲といっても、「なんでも欲しい」というタイプではなく、「自分がこれぞと思ったものだけ欲しい」タイプであって、その「これぞ」の前には武功を立てて立身出世しなければという武士として当然の欲求も吹き飛んでしまいがち……いやこれではイカン! と思い直すものの……という、「個人の嗜好の遍歴」が描かれています。
時代の趨勢は信長、光秀、秀吉……に流れたあたりまで、四巻で到達。本能寺など、よく知られた歴史上の展開もまた、かなり捻った解釈のもとに演出されていて、う〜ん、こう来たか! と唸らされました。
去年、清原なつの氏の『千利休』を読んだせいもあって、ああ、あそこのあの一件が、こっちの漫画ではこうなってるのか……と多角的な視点から眺めたような気分になれるのも、個人的には興味深いです。信長の設定なんか、真逆ですよね……清原版信長は、あくまで「部下に下賜しやすいもの」として名物茶道具をとらえていたというクールな設定ですが、こちらの信長はむしろ名物が象徴するものに入れこみながら価値観を作り上げていく、クールはクールでも「Coooooool!!!」とか、そんなタイプ(どういう説明だよ……)。
いやぁ、面白いです。続刊が届くまでに、一巻を三回読んだくらいですが、ラヴ成分とか乙女成分とかは、ほとんどありませんので、どういう同志に勧めればよいのか不明です。
ん〜、「洒落のわかる人」向け、かなぁ……。
へうげもの 2
著者名:山田芳裕(著)
出版社:講談社
出版年:2007.01
ISBN :9784063725124へうげもの 3
著者名:山田芳裕(著)
出版社:講談社
出版年:2006.08
ISBN :9784063725452へうげもの 4
著者名:山田芳裕(著)
出版社:講談社
出版年:2007.01
ISBN :9784063725759
