2007年01月12日

読了メモ:イッツ・オンリー・トーク

 先日『海の仙人』を読んだあと、ほかにどんな作品を書いているのかなと気になったので、買ってみた一冊。短編集で、表題作の「イッツ・オンリー・トーク」と、「第七障害」の二作を収録。

 表題作の方は、誰とでもなんとなく寝てしまうという女性が主人公……なのだけど、冒頭からいきなりそういう展開かと思えば、そうはならず。彼女は躁鬱病で(躁も鬱も両方訪れているようだから、単相性の『うつ』ではないはず)、絵を描き、発症する前の貯金を切り崩しながら生きているという設定。

 いろいろと考えさせられる、「いい小説」だけど、これはワタシのための特別な本だという感じはなく、やっぱり「ファンタジーという名前の俺様」のように珍妙な、あるいは超常的な存在が出てこないと駄目なのかな、それもそれで自分ってなんだか偏ってないか? 今さらか。と、ひとりで疑念を抱いたり納得したり。

 同時収録の「第七障害」の方は、心地よい恋愛小説として読めた。女性キャラクターの感性がしっくりくるのは、著者が同年代のせいもあるのかな。ほっとする一作、とでもいえばいいのか……あまりこの言葉を使いたくないのだけど(なんとなく)、癒されるなぁ、と感じました。
イッツ・オンリー・トーク

著者名:絲山秋子(著)
出版社:文藝春秋
出版年:2006.05
ISBN :4167714019

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posted by うさぎ屋 at 12:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説
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