主人公は、自分自身をとくに取り柄のない人間と定義づけている、親切な青年。いわゆる善人ですが、自身を薄っぺらいと感じています。彼は中学時代の同級生で、自分とはまったく違う「孤高の人」であった鳥井に友情と信頼を差し出し、当時家族関係も崩壊、学校でも苛めにあっていた鳥井がそれを受け入れて――以後、十年以上もつづく奇妙な共依存(?)関係がつづいている、という設定。
主人公は善人なので次々と人のトラブルを拾って来てしまい、それに「大人の頭脳と子どもの感情」をもつ鳥井が巻きこまれて解決、というのが基本的なパターンです。殺人などは起きず、いわば日常の謎と、おいしい食事、地方銘菓に満ちた本。
すごく繊細な視点とテーマの選択、処理。んー、なんていうのかな、少女漫画っぽさを感じました。
登場人物がやたらと泣くのが気にならなければ、傑作。それが気になっても、いい本だと思います。むしろそういったセンシティヴさを好もしいと思う人にとっては、大傑作なんじゃないかと。
続編も家にある(はず。ただし、どこにあるかは謎……)ので、みつけたら読んでみたいと思います。
大掃除しろってことかな……。
青空の卵
著者名:坂木司(著)
出版社:東京創元社
出版年:2006.02
ISBN :4488457010
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