前に書いたように、大プリニウスのキャラも立っていますが、小プリニウスもかわいらしいおじさん(いや、今のわたしより若い時分に書いたものも含まれているのだけど……)で。
素直そうなんですよ、性格が。
タキトゥスと並び称されたと聞かされたときの喜びようなど、ほんと、「かわいいなぁ」って感じです。
読み終えるのが寂しいと感じたほど、おもしろかったです。
書簡が途切れたときは、つまり、彼が亡くなったときですからね。もちろん古代ローマの人ですから、とっくのとうに亡くなっていて当たり前ですけど、そんなことを言えば、フィクションのキャラクターなんか最初から生きてすらいないんですよ、この世に。それでも思い入れのある人物が物語の中で死ねば泣けてしまうのと同じように、二千年近くの時を超えてすら、彼の死の影を認めて寂しく感じます。
ことに、彼が死後の栄光を求めていたからこそ――自分の著述したものが残ることを生前から強く希望していたと知るほど、ほら、と教えてあげたくなりますね。
整理して出版してくれたのは、学友たちなのかなぁ……。ほんとうに手紙の切れ目が彼の死期を示しているのだとしたら、あれほど大切にしていた妻とも離ればなれになったまま、亡くなってしまったようだし。
帝政期のローマに関するトリビア本として読んでもおもしろいですし、永遠を希いつつ謙虚であり、善良であろうとしたひとりの男性の人生を偲びつつ読んでも。
プリニウス書簡集
著者名:プリニウス(著)
國原吉之助(訳)
出版社:講談社
出版年:1999.03
ISBN :4061593676
