さて、この巻には前にSF大会でひかわさんが力説してらした「エリザベス女王のドリーム」をかなえるためのパートがありまして、美女ブリトマート(これがエリザベス女王の化身)が、アマゾンに虜にされている騎士アーティガンを助けに行くというものなのですが……たしかにこれはすごい。
アマゾンの女王ったら、自分が試合でやっつけた騎士から鎧兜を剥ぎ取り、女装させちゃうんですよ。
なぜ女装!? と思ったら、『申命記』に男性の女装、女性の男装を禁じる言葉があるから、まあ冒涜行為って意味なんでしょうけど……さらにエプロンも着せます。エプロンは堕落の象徴だそうですが……。
あれですよ、甲冑をがっつり身につけて遍歴の旅ができる豪傑たちが、ずらっと並んでエプロンかけて、粛々と麻糸を紡いでるなどという情景を想像するだに恐ろしく。
もちろん、颯爽とやってきたブリトマートは、アマゾンを負かし、その地に行われていた女性偏重のまつりごとを正すのですが、これも女王に配慮して記述がいろいろ微妙なのも面白いです。王様のための読み物だったら、「女が男の上に立つのはおかしい」と書くのは問題なくても、女王様のための読みものですから、ストレートに書き過ぎると身があやういのでしょう。
妖精の女王 3
著者名:エドマンド・スペンサー(著)
和田勇一(訳)
福田昇八(訳)
出版社:筑摩書房
出版年:2005.06
ISBN :4480420738
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