2006年12月02日

読了メモ:蜘蛛の巣(下)

 思った通り、読み終えてしまいました……。おもしろかったです。
 利権や思惑が複雑にからみあいつつ、なるほど、こうなるのか……という着地点にうまくおさまり、説明不足もなく、よくできていたと思います。

 主人公のフィデルマより、きわめて「実際的」なエイフラム エイダルフ(※12-03訂正! すみません、固有名詞間違ってましたー。不覚ッ!)修道士の方に、キャラクターとしては魅力を感じました。というか、実は修道士キャラに弱いんですかね、わたしは? 『双頭の鷲』ではエマヌエル、『毒杯の囀り』でアセルスタン、遡ればカドフェルとか、ウィリアム・バスカヴィルとか……。あああ。

 難点をいえば、訳注が! 訳注は勉強になるので全部読んでいたのですが、シリーズ未訳作品の誰某というキャラクターは何巻で死ぬと書かれていて、おどろきました。

 おもしろかったので、シリーズの続刊が出たら買いますけど……キャラの生死を訳注でネタバレされたことに、衝撃を受けました。そこは、筆をおさえるべきだったのではないでしょうか。
 このシリーズを紹介したい、魅力を語りたい、特徴を述べたい……という意気込みは伝わるのですけど。
蜘蛛の巣 下

著者名:ピーター・トレメイン(著)
甲斐萬里江(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2006.10
ISBN :4488218083
posted by うさぎ屋 at 21:18| Comment(6) | TrackBack(0) | 小説
この記事へのコメント
ガドラにぐさぐさと言われているエイダルフは、私も好きです。(私はたぶん修道士というよりいじられキャラが好きです)
うさぎ屋さんはこの作品の説明的文章が苦手だったようで申し訳ありませんでした。私の場合まったく知識がなかったので、物語のさまたげになるようなものとは思わなかったんですよね。
訳注のネタばらしには私もちょっと残念な部分はあります。そもそもなんで途中から出すのか、説明されても納得できていない状態で、早く最初から読みたいです。
Posted by かなの at 2006年12月03日 10:12
 いじられキャラ……ああ、それはあるかもしれません。でも、どっちかというと、いじる側の方がいいかなぁ。うーん。
 ガドラも、もちろん好きです。というか、ガドラになりたいですね!

 説明的文章というか、うーん、冒頭のとっかかりが悪かった以外は、そんなに気にならずに読めたので、他人様の作品世界に入る準備ができていなかったのかもしれません。自分の仕事中に読むな! って感じでしょうか。
 どういう状況で読んだか、というのも本の感想や印象には、かなり反映されてしまうので、公正を欠いていたかも……。
 なんにせよ、かなのさんが謝罪される必要はありませんよ〜。結果的に、とても面白く読めましたし!
 すすめていただかなければ「近所にない→まあいいか」で終わっていたかもしれないので、お礼を申し上げたいくらいです。プッシュしてくださって、ありがとうございました〜。

 シリーズ続刊が楽しみですね。途中から出すと決めたからこそ、訳注も多岐にわたった(ケルトの歴史や文化についての内容のみならず、シリーズについても注をほどこすことになった)のでしょうが、そんなに説明不足が気になるなら一巻から順番に出せばいいのに……とは、思ってしまいました。
 一巻はそんなに地味なんでしょうか? でも、いずれ訳出されることを祈っております。
Posted by うさぎ屋 at 2006年12月03日 11:03
出版前から頼んでいたので、図書館から届いたところです。まだ読んでいないのですが、これはシリーズの途中なのですか?もしかしてこれが売れれば残りを出そうというつもりでしょうか。

先日紹介されていた「毒杯の囀り」読みました。(これは購入)
あの二人がとても好きになりましたが、ロンドンの汚さが大変きちんと描写されていて、本を持つ手が汚れたように感じました。いやあれは凄かったです。
Posted by ときわ at 2006年12月03日 11:08
『蜘蛛の巣』は、修道女フィデルマ・シリーズの、第五巻にあたるそうです。訳者あとがきによれば、「初期の作品の中でも、日本の読者にもっとも興味をもってもらえそうな」ものをと選出した結果、本書を最初に訳すことになったそうです。
 図書館からお借りになったのであれば、ちょっとお読みになってみては。
 上巻の訳注は、大丈夫です。不安に思われるなら、下巻の訳注はご覧にならない方がいいかもしれません。

 訳注は、少なくともシリーズ説明においては饒舌に過ぎると感じました。
 歴史的・文化的な蘊蓄については、ほんとうに勉強になるし、ありがたく、こまやかな心遣いがなされていて素晴らしいと思ったのですが……。
 もちろん、それだけに、訳者のかたがいかにシリーズを愛しているか、うちこんでいるかは伝わって来ます。

 出版側の立場からすると「売れれば続きを出す」というより「売れなければ続きを出せない」のだと思います。一冊ずつ独立性の高い物語なのであれば、中途の巻から刊行するのは悪くない戦略じゃないかな、とわたしは思いますよ。

『毒杯〜』お読みになりましたか。アセルスタンも、クランストン卿も、実に愛すべきキャラクターですよね。かれらのみならず、周囲の人々、みんな。
 でも、たしかにロンドンはあまりにも汚く、そして臭かったです。夏に読んでいたら、気もち悪くなったかも……。
Posted by うさぎ屋 at 2006年12月03日 14:43
私も『蜘蛛の巣』下巻の訳注には驚きました。本筋ではないにしてもそこまでは言及して欲しくなかったと云いますか、自分のツボな設定だったので余計に知りたくなかったと申しますか(苦笑)。
あと、本文の説明的な記述にもちょっとひっかかりを感じました。物語の流れが滑らかでなくなるような印象を持ってしまいまして。後半までくると慣れてはきましたが。
などと文句を云いながらもとても面白かったので続き(もしくは最初の話)を読みたいシリーズです。続刊が楽しみ。

Posted by 羽鳥 at 2006年12月04日 01:23
 そうですね、上巻を読みはじめたときは、たしかに説明くさいなと感じたはずなんですが、下巻ではもう気にならなくなっていました。面白かったです。

 つづき読みたいですよねぇ。とても楽しみです。
 とりあえず、問題の巻の設定はわたしにもツボっぽいので、早く〜! と思います。次はどの巻が訳されるんでしょう。とにかく、これっきりにはならないで欲しいです。
 売れろ〜〜〜(念じる)
Posted by うさぎ屋 at 2006年12月04日 02:12
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