すごく面白いんですが、説明臭い! これぐらい説明しなきゃ駄目なんだという意気込みはわかるのですが、こう、歴史小説を読んでいて「当時の習俗は〜」「歴史的状況は〜」っていわれると一気に物語から距離を感じてしまうわたしにとっては、アイルランドの言葉だけわざわざ書体を変更してあるとか、そういうお心遣いが裏目に出ます。
べつに、教わる必要がないほど詳しいという意味ではないんですよ?(よく、ケルトに詳しいと勘違いされてるので……敢えて主張しておきます。いやもう全然ですよ! わたしの知識なんて、トコロテン方式ですから。次のを仕入れると、前のは押し出されます)
ただ、それだけに、勉強にはなります。
キリスト教受容後のアイルランドについて、これだけ詳しく説き起こしながら、同時にミステリとして読ませる小説なんて、ほかではお目にかかれません。しかも日本語で読めるんですから、そういう系統の知識に餓えていれば、まず見逃す手はないかと。
説明臭いと文句はつけましたが、それでも半日でほいほい読み終えてしまうほど面白いのも事実。
下巻も一気にいきたいところですが、残念! 再校が届いてしまったので、そちらを見ながらぼちぼち読み進めます……とかいって、明日あたりには、もう読み上げてしまいそうですね。
蜘蛛の巣 上
著者名:ピーター・トレメイン(著)
甲斐萬里江(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2006.10
ISBN :4488218075
