面白かったです。
中世英国、ロンドンを舞台にとったミステリ。国王の検死官のジョン・クラストン卿と、下町の冴えない教会に赴任させられた挙げ句検死官の助手に任命されたドミニコ会のアセルスタン托鉢修道士のコンビが、権威筋から押しつけられた一件を探るうちに……という話。
ミステリとしてどうなのかという評価はわたしにはできませんが(トリックの新奇性とか、そういう部分ですね)、単に小説として読むぶんには、とても面白かったです。
大酒飲みで、尋問中に酔いつぶれてしまうクランストン卿もかわいいし、ふだんは抑制が効いていても、たまに我慢しきれずキレちゃう修道士もいいです。ふたりとも人間臭いんですけど、いい意味で親しみが持てました。
時代設定は、エドワード黒太子とその父エドワード三世が相次いでみまかった、その直後。
このところ読みつづけていた中世関連書籍のおかげで「あ、なるほど」と入ってくるのがおそろしい。黒太子が登場していた『双頭の鷲』(→長文感想 上・下)を思いだし、アセルスタンが口をすっぱくして「修道士ではなく托鉢修道士です!」と主張するあたりでは、最近読んだ本でみかけた「教会は二つの托鉢修道会、フランシスコ会とドミニコ会の創設を許した」というくだりを思いだします。あれー、どの本で読んだのかな。あとで調べよう。
本書はシリーズものの第一巻ということですが、これ一冊だけでも問題なく読めますので、興味をもたれたかたは是非。
毒杯の囀り
著者名:ポール・ドハティー(著)
古賀弥生(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2006.09
ISBN :4488219020
どこでプッシュする記事を見かけたのか気になって、探しまわってみました。わかった!
【るるむく日記】さんの「中世イングランドミステリ」という記事でした!
ああ、前に拙ブログでも取り上げたことがある、【POPPIN BOOKS】をうまく使ってらっしゃいますねー。それで印象に残ったのかも。

私は東京創元社のHPを毎月チェックしてます。
出版社のHPの中では一番気に入っているのです。
うさぎ屋さんが当たり!なら、これから読むのが楽しみです。
托鉢修道士(アセルスタンが作中でこだわるので、ただ「修道士」と書けなくなります……)と検死官のコンビが、とてもいい雰囲気なのです。
ときわさんにとっても「当たり!」でありますように。