キャタピラで疾走する重層都市の描写が、それだけでもう買い!(もらっちゃったけど)というくらい、胸躍る感じです。主役は少年ですが、準主役を張るのはふたりの――育ちも立場も違う少女たち。
少年は典型的な「巻きこまれ型」主人公です。自分がしてきたことを問い、これからすべきことを問い、真摯に考えつつも、考えるだけで立ち止まってしまわない姿勢に好感が持てます。
少女のひとりは上層のお嬢さまで英雄の娘、もうひとりは醜い傷痕をもつアウトロー、対称的なふたりですが、どちらも魅力的です。
著者がイラストレーター出身のせいか、絵が浮かんでくるような文章で、場面場面が印象的なのも良かった。
ものすごく面白かったんですけど、ただ……ものすごい勢いで人が死にました。ちょっとビビるほどです。
でもほんとに面白かった。ワクワクしてハラハラして、ドキドキしましたよ。続編があるそうなので、ぜひ読みたいです!
移動都市
著者名:フィリップ・リーヴ(著)
安野玲(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2006.09
ISBN :4488723012
