2006年08月06日

読了メモ:聚楽 太閤の錬金窟

『信長』につづき、先に買ってあった『聚楽』も読みました。ああ、おもしろい、おもしろい、おもしろい! 奇想ここに窮まれり!

 冒頭から少しを読むと、後の「殺生関白」にして秀吉の甥、豊臣秀次の出自を作者がここでどう見立てたか、がわかります。

 それがわかると、ああなるほど、では後年のあのエピソードはこういう風に、あれはこう、これはそう、なるほどなるほど、うわー! と視界が開けていくような心地で、実におもしろい。ちょうど『功名が辻』を一気読みしたあとだったのも良かったと思います。なにしろ、あれは信長から秀吉、家康と主君を渡り歩いた武将(と、その妻)の一代記、しかも著者が史料にこまかく言及する司馬遼太郎氏なので、「ああ、あの史料をこう使うんだ!」とわかるわけですよ。
 秀次のどこかちぐはぐな行動や、秀吉の老耄をあらわすかのような愚行の一切が、この「見立て」で解釈され尽くした風なのは、まさに圧巻。

 ただ、その「見立て」のおもしろさが、戦国日本側には強烈に感じられるのに比して、錬金術および異端については知識が中途半端なので、「ああ、あれが!」感が薄かったのは残念なことでした。む〜ん。まだまだ修行がたりませぬ。

 本書の感想というのとはちょっと違う気もしますが、『功名が辻』つながりでいうと、一豊こと伊右衛門が秀次のもとへ行くというエピソードを記憶していたので、それをどう使うのかとワクワクしながら読んでいたところ、スッポリと抜け落ちていたのが残念でした。
『信長』よりいっそう伝奇寄り、といっていいのかな? とにかく、すごい作品でした。
聚楽
著者名:宇月原晴明(著)
出版社:新潮社
出版年:2005.10
ISBN :4101309329
posted by うさぎ屋 at 20:54| Comment(0) | TrackBack(1) | 小説
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08/06 聚楽
Excerpt: 滅ぼされたはずの異端が海を渡り、関白秀次のもとで完成される!?奇想極まる伝奇小説
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Tracked: 2006-08-20 05:16