編集者が、おふたりともわたしより年下でビックリ……する必要はないんですけど、あー、自分も年食ったなー、というか。
このインタビューでもふれられているように、大会社の編集者って、急に部署が変わったりするんですよね。
十年ちょっと前、講談社のゲーム雑誌でレビューをやっていたときお世話になった編集さんと、最近再会したのですが。きいてびっくり、今は青年誌のグラビア担当だそうで。始終海外ロケで、ハワイ〜、グアム〜、国内も屋久島〜、沖縄〜、という感じらしいです。
羨ましいような、でも自分が成り代わりたくはないような。
同じ講談社でお世話になったかたでも、小説の方の担当さんは、今も同じ部署にいらっしゃるのですよ。毎年、律儀に年賀状をくださるので「あ、まだ同じお仕事を……」と思います。現在は知りませんが、少なくとも当時は契約社員だとおっしゃっていたので、だからなんだろうな、と。
いや、つまりですね、そのように関係のない部署へ異動されるわけで、大会社の編集者というものは、つねに「やりたいこと」がやれるわけじゃないのだと理解しています。採算の問題がもちろん商業出版にはあるのだけど、それ以前に、自分がやり甲斐を感じられる部署に配属されるかどうかという問題もあるわけです。
大変なお仕事だな、と思います。
このインタビューでいちばん面白かったのは、上司のかたの逸話かなぁ。
■ ああ、そうだ。コンペ落選にも関わらずこの企画を通してくれた上司の方は、この初刷りを見てなんて仰ったんですか。まだ見せていませんか?
松下 いや、見せたんです。そうしましたら、「訳が分からない」と言われました。
でも、彼には最初から「分からないものを作ってくれ」と言われていたんですよ。俺には分からないものを作れ、と。
「分からないものを作れ」って指示が、「分からないものであるべきだという理解」を示していて、おもしろいな、と思いました。
つまり、オタク「内」での世代断絶や闘争は無意味であると退けるにしても、オタク「内外」の断絶は、きっちり出していく感じを指示されているわけですよね。差別化、といえばいいのかな。
オタク「内」の担当編集者は「やりたいもの」を作っていて、同時にそれが、オタク「外」の上司には「分からないもの」として映るほど異質でなければならない、ということですから。
メカビ Vol.1 著者名:
出版社:講談社
出版年:2006.06
ISBN :4061795910
