いやー、最後は泣きましたよ。暗い部屋で泣きながら鼻をかんでいたら、トイレに起きだした家族にでくわして「わっ」といわれました。……そんな幽霊に出会ったような反応しなくても。
太田さんには、『維納音匣の謎』という作品もあって、たしかわたしが太田さんとお会いして間もないころに、書いてらしたんですよ。資料を調べるだけでも大変だとか、調べているうちにオルゴールに入れこんでしまい、展示会で買ってしまったとかおっしゃっていた記憶がありますが、そのときからですから(リンク先のデータは文庫ですが、最初は新書で刊行されたはず)、付け焼き刃の知識でも思い入れでもなく、深いものがあるんですよね。それが物語をしっかり支えているように感じます。
作中に登場するオルゴールがとてつもなく魅力的に感じられるのは、だからなんじゃないかな、とも思います。読むと、オルゴールが欲しくなる本です。家族に遺したくなるようなものが。
レストア 著者名:太田忠司
出版社:光文社
出版年:2006.03
ISBN :4334076300
