2006年01月19日

読了メモ:不在の騎士

 カルヴィーノは文庫化で読むきっかけを得た作家ですが、『不在の騎士』は、今まで読んだ中ではいちばん読みやすかったです。
 軽妙洒脱、中世騎士物語のパロディであり、思索の書であり、不安と解放感を抱かせてくれます。白銀の鎧に包まれた非の打ち所もなければ実体もない騎士のアジルールフォは、偉大な皇帝シャルルマーニュの臣下で、宴席を囲む仲間にオルランドがいたり、スコットランドの森の中には聖杯騎士団がいたり。

 なんだかモンティ・パイソンのスケッチのようでもあります。パイソンズは、絶対カルヴィーノ読んでるだろうなぁ、と思いました。中盤をこえてからの修道女の筆運びなんて、テリー・ギリアムのアニメーションで再現したら、さぞおもしろいだろうと。
 むしろ、テリー・ギリアムに全篇映像化してほしいです。きっと、おっそろしく予算がかかるんでしょうけど。

 多少、中世騎士物語系の基礎知識がある方が楽しめるんじゃないかと思います。わたしもオルランドはちゃんと読んだことがないので(実は大枚はたいて買ったので、本を持ってるだけは持ってるんですけどね……)、知ってる人だけ笑えるところもあるんじゃないかな、と思いますが。

 カルヴィーノ著書感想文一覧 63870 http://usagiya.cside2.com/search/?ItaloCalvino
不在の騎士
著者名:イタロ・カルヴィーノ
     米川良夫
出版社:河出書房新社
出版年:2005.12
ISBN :4309462618
posted by うさぎ屋 at 02:26| Comment(4) | TrackBack(1) | 小説
この記事へのコメント
カルヴィーノファンの高橋としては、「我々の祖先」三部作のほかの2作、『まっぷたつの子爵』『木のぼり男爵』もかなり愉快です。
最初リアルな描写の小説を書いていたカルヴィーノがこの三部作から形容しがたい小説を書き出したわけで、なんともありがたい話ではあります(笑)。
Posted by 高橋ま at 2006年01月21日 09:36
 残りのふたつも気になってるので、いずれ読む予定です! 文庫で出るかしら。
Posted by うさぎ屋 at 2006年01月21日 15:57
『木のぼり男爵』(白水社)は白水Uブックスっていう新書版ででているので文庫化は望み薄かな。
『まっぷたつの子爵』(晶文社)もロングセラーなのでどうでしょう。
うーむ。出版社が多岐にわたるとめんどうですね。
Posted by 高橋ま at 2006年01月22日 12:16
 版元バラバラですよねぇ。Uブックスはたまに見かけるので、今度見かけたら買います。決意。
Posted by うさぎ屋 at 2006年01月22日 12:33
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01/19 不在の騎士
Excerpt: 騎士アジルールフォの鎧の下には、実体がない!?中世騎士物語をベースにした奇想天外な物語
Weblog: ■うさぎ屋本舗|Yufuko Senowo Web Site
Tracked: 2006-01-22 03:02