2005年10月02日

ゲーム・アニメ系

 縞田理理さんのところで説明しかけたものの、長文過ぎて挫折しました。あらためて書いてみますが、やはり書いた当人が「うーん」という感じです。

前提:ファンタジーは大雑把に大別にして二系統から進化して来た
  1. SF・ホラー系小説群からの「剣と魔法」をメインストリームとする読み物

  2. 昔話・おとぎ話を母体とする「児童文学」系読み物

 双方ともに日本人にとっては「外国から渡来した」ものです。
 そして現在の日本においては、こうしたふたつの潮流から直接派生したファンタジーのほかに、「和製の」作品から派生してきたものがあると思います。それが、
  1. ゲーム・アニメ系

 の作品だと思います。「外国から渡来した」ものではなく、「最初からここにある」ものです、現代の読者にとっては。
 これがいわゆる「ライトノベル」と、ほぼイコールなのではないかと思います。
 この第三のストリームの特徴を、「ヴィジュアル先行」と表現してみます。
 書き手がすでに「漫画・ゲーム・アニメ」などの映像表現にどっぷり漬かって生きてきていることと、作品全般にみえる傾向は、無縁ではないだろうと思います。
 わたしも世代的には一応、入ってると思うんですが。漫画家の妹でアシスタントでゲーム誌でライターやってアニメのムック本作ってますので、どっぷりです。

 漫画・ゲーム・アニメに共通するのは、「映像が物語における表現の少なからぬ部分を担っている」ことです。
 たとえば、主人公が苦労して手に入れた究極の武器が、どこにでもありそうなモノサシとかだったら……まあ、それはそれでギャグとして使えるでしょうけど、ごくストレートに盛り上げるなら、見た感じ「おおっ」というデザインを用意するでしょう。

 つまり、「すごいもの」は「すごいデザインだ」という暗黙の了解が、どんどん積み上げられているわけです。
 現実に使いやすいかどうか、ありそうだとうなずけるかは問題ではなく、ヴィジュアルがかっこいいかどうか、がポイントです。本屋の店頭で、あるいはチャンネルを変えられる前に、「ぱっ」と目立つためにも、派手なデザインは必須となります。

 また、漫画はともかく、アニメとゲームの情報誌などを見ると、「キャラクター」の設定が事前に公開されるのは、当たり前のことのように感じられます。
 年齢、性別、身長、体重、スリーサイズ、そしてもちろんヴィジュアル・デザイン。

 ライトノベルが「まずキャラクターありき」であること、そしてキャラクターはまず「ヴィジュアルありき」であることの理由の遠因は、このあたりにもあるような気がします。
 アニメのストーリーやゲームの操作性がどうかという問題以前に。雑誌で画面写真を見て、または店頭でデモとして流れている動画を見ただけで、
「このキャラクターに惚れた!」
 と、入れこめる文化で育ってきた世代にとっては、逆に「まずキャラクター」が、そしてそのキャラクターの「ヴィジュアル」がないと、作品に入りこむのが困難なのではないでしょうか。

 そういう意味で、現代の若い読者に受け入れられるライトノベルは、おそらく「アニメ・ゲーム」などと親和性が高く、ユーザー(読者・視聴者)層が重なっているのではないか。と、考えました。

 ですから、縞田さんの最初の疑問の方に戻りますと、SFであるとかファンタジーであるとかも、おそらく「キャラクターの背景」であるととらえられているのかな、と。「キャラが魅力的に、爆発的に、派手派手しく活躍する」ための舞台としてととのっていれば、それでいい、くらいの感じで、あまりこだわりがない読者が多いのではないかと考えているわけです。

 設定の説明についても、たとえばバトルのルールとして燃えるゼ! とか、ハッタリきかせてカッコイイ! とかいう目的のもので、うまく機能すれば、多少の分量があっても問題ないでしょう。
 ですが、キャラを引き立てる以外の目的であれば、多くの読者はあまり積極的には興味がないだろう、というのがわたしの感覚です。分量はコンパクトに、最小限にとどめた方が、よろこばれる気がします。

 一般論なので、みんながそうだといっているわけではありません。わたし自身、世界設定スキーで情景描写スキーな読者ですから。キャラクターにも惚れますけど、もちろん。

 えっらい長文になりました。お読みくださったみなさま、お疲れさまでした。
posted by うさぎ屋 at 01:39| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
SFについては……言い出すと切りがないですね。かつては未来への希望や疑問であり得たわけですが、ユートピアもディストピアも過去のものになってしまったので。
「キャラクターの背景」としては、かつての「テーマを際立たせる」SF手法が「キャラクターを際立たせる」に転化したと考えることが出来ないでしょうか。

キャラクターのヴィジュアルは重要だと思いますね〜。「キャラクター」という言葉自体、もともとの「性格」という意味から「外見(性格含む)」という意味に変わってきているような気がします。……それにみんな夢を見たいわけですし。ゲーム・マンガ・ライトノベルはその「見たい夢」を「見たい形で」与えてくれるメディアなわけですよね。ゲームをしない私ですら好みのキャラは贔屓しちゃいますもの。性格も含めて、ですが。
ただ、その部分(キャラのヴィジュアル)を押さえておきさえすれば免罪符になって残りの部分で趣味に走っても大丈夫、という気も。……これもやっぱり長くなりそうなので、このへんで(^_^;)


Posted by 縞田 at 2005年10月02日 23:21
 本文で書き忘れたんですけど、そうしたゲーム・アニメ系の作品に、古いカテゴライズでいえば「SF」や「ファンタジー」が多いのも、キャラを引き立てやすいからだろうな、と思ってます。

 これも説明すると長くなるかもなので、まぁ一応結論だけで!
Posted by うさぎ屋 at 2005年10月03日 13:17
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※半角英数字のみのコメントは書き込みができないようになっています。

この記事へのTrackBack URL

※半角英数字のみのトラックバックは受信されないようになっています。