2008年03月31日

読了メモ:オラクルの光

 というわけで、『オーバーン城の夏』につづいて、ルルル文庫の『オラクルの光』を読んでみました。
Reading Diary-MEMO】で紹介されていた(上巻下巻)のも、興味をもったきっかけのひとつです。
 実際に本を読んでからリンク先の感想をあわせて読み直してみると、なるほど……と思います。すごく、そんな感じ。

 ヒロインは鄙びた村から大神官に見いだされた少女で、預言の才能があります。この世界では、預言(予言ではなく。神の言葉を伝えるということですね)の力をもつ者はオラクル神殿でその才能を磨き、儀式によって鳥に選ばれるという手順を踏んで、正式の預言者となります。なんとヒロインは鳥ではなく風に選ばれるという、凄まじい潜在能力を示すのですが、神殿にも特権階級の出身であることを鼻にかけた嫌な奴がいて……と、いうお話。
 ファンタジー色も薄くはないですが、やっぱり「素直でわかりやすい」ものなので、あまりドッチャリした(変な表現ですが……)ものを読みたくない人にも薦めやすいです。学園ものとして読んだ方がいいかも。

 わたしは、ものすごく素直なお話だなあ、と思いながら読みました。
 ストーリーもそうですが、キャラクターの造詣も一直線で歪みがなく、「安心させておいて、不意に足下をすくわれるのでは?」なんて不安を感じる場面はありません。
 もちろん、主人公たちは危機的状況に陥りますが、それもオーソドックスというか、物語の展開としてこうなるのよという流れの上でのことで「うわまさかそんな無理駄目嫌だってば!」ということではないのです。
 うーん、うまく説明できているかな……。

 わたしとしては、もう少し踏みこんだお話や世界の方が好きですが、対象年齢層を考えると、これはこれで良いものです。おもしろいことには間違いないし、カジュアルに楽しめるファンタジーだと思いました。
オラクルの光〜風に選ばれし娘

著者名:ヴィクトリア・ハンリー(著)
杉田七重(訳)
出版社:小学館
出版年:2008.02
ISBN :9784094520538
オラクルの光〜預言に隠されし陰謀

著者名:ヴィクトリア・ハンリー(著)
杉田七重(訳)
出版社:小学館
出版年:2008.03
ISBN :9784094520576
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2008年03月29日

へうげもの 6

 戦国数寄者まんが、『へうげもの』。今回は大茶会〜古織さんチョット迷走、の話。いや、彼はいつも迷走してるのかな……うーん。「迷いがない」と言いきるには、なんとなく「認められたい」ベクトルが強いように感じるのです。
 すると、わたしにとって「迷いがない」というのは、他人の意見を気にしない人のことなのかも。
 古織さんはどうしても「日本一」を目指す上で、「万人に認められたい」想いが並走していますから、エンターテインメント性のある人物になるわけです。でも、価値観の共有というのは難しいことなので、そこから迷いが生じる(ように見える)、と。そんな感じなのかも。

 わかりやすく「迷いがない」、つまり「万人に認められなくていい」というキャラクターも登場しているために、よけいに古織さんが人間臭く、カワイイ人だなと読者には思える仕掛けなのかもしれません。
 でも、くだんのライバルも、この巻で退場か……。
へうげもの 6服

著者名:山田芳裕(著)
出版社:講談社
出版年:2008.03
ISBN :9784063726725
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2008年03月28日

読了メモ:オーバーン城の夏(上・下)

 だから寝る前に小説は駄目だと……思いながら、また朝まで読んでしまいました。もう駄目だ。
 ルルル文庫翻訳タイトル、かなり(わたしにとって)面白いものがあります。今回もアタリ物件でした。

 シャロン・シンといえば、早川文庫FTからプラチナ・ファンタジイというレーベル内レーベルとして邦訳がなされた『魔法使いとリリス』の、あの作家さんですよね?
 瑞々しい感性に満ちた、とてもきれいな話でした。たぶん著者は『最後のユニコーン』がとても好きなんじゃないかな……と、いうような。

 今作は、『魔法使いと〜』に比べればグッと親密な感じ。もう全然別世界だな、というほどには物語世界が遠くありません。これはヒロインの造詣に依るところが大きいように感じます。
 明るく元気で鈍感気味だけど素直な女の子が、数年かけての成長を通して「幸せな自分のまわりの生活」が、実はさまざまな翳りを帯びていることを知る、という物語です。が、とても苦かったり怖かったりする部分もあります。
 たとえば、エリサンドラは、いつも落ち着いていて、王子の婚約者にふさわしく穏やかで美しいヒロイン自慢の姉ですが、ヒロインが無邪気に信じているようには婚約者を愛していないし、自分の置かれた状況――政略のための駒として、王子あるいは別の権力者のもとへ嫁がされるしかない――を冷静に把握し、それを微笑の奥に隠しているといったように。

 相変わらず異種恋愛、人外のものにどうしようもなく魅了される人間の姿も描かれていて、三つ子の魂百までというか、この書き手はほんとうにこういうテーマが好きなんだな! と思わされました。ただ、この人外テーマはヒロインと密接にからみつつ、少し距離を置いたところで展開されるという仕掛けなので、それで「親しみやすい」感じなのかな、と思います。

 いやぁ、ヒロインが鈍感なのにもホドがある! と思うのですが、実に良い胸キュンでした。もちろんわたしのイチオシはケインで! 途中、かなりロデリックにもよろめきましたが(かっこ良過ぎるでしょう、この人!)、やっぱりケインで。ひとつよろしく(何を?)
オーバーン城の夏 上

著者名:シャロン・シン(著)
東川えり(訳)
出版社:小学館
出版年:2007.11
ISBN :9784094520385
オーバーン城の夏 下

著者名:シャロン・シン(著)
東川えり(訳)
出版社:小学館
出版年:2007.12
ISBN :9784094520453
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2008年03月25日

宇宙兄弟 1

『ザッツつな』のつな子が勝手にオススメ『宇宙兄弟@』を読んでタイトルを覚えてしまったようで(どストレートですから……。宇宙兄弟!)、書店店頭で見かけたので、つい買ってしまいました。もう本屋からなにも買わずに出ることができない昨今です。カバーはキラキラで、男二人の立ち姿が白(キラキラ)背景にドーンと立っております。

 主役は上司を頭突きして退職せざるを得なくなったサラリーマン。その弟は、現在NASAで訓練中の宇宙飛行士。昔はいつも弟の一歩先を行っていたはずの兄が、いつしか弟に先んじることを諦めていた自分に気がついて……まぁ宇宙飛行士を目指しちゃうと。そういう話です。
 おもしろかったけど、もう少しテンポが速い方が嬉しいかな、と思いました。
宇宙兄弟 1

著者名:小山宙哉(著)
出版社:講談社
出版年:2008.03
ISBN :9784063726749
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2008年03月24日

読了メモ:シャルビューク夫人の肖像

 ああもう、だから読みたい本は一気に読んじゃうから駄目だって自分でもわかってるのにこうなるんだから! ……というわけで、寝る前に少しだけ読むつもりでこうなりました。朝ですね、そろそろ。
 やはり寝る前に小説を読むのはやめなければ……でもそうやって自制して新書系の啓蒙書ばかり読んでいると、ますます「これは絶対読む! 読むし!」と思いながら積み上がった本が着々と室内で行方不明になるわけです。困ったなぁ。

 いやまあ、それはともかく。

 去年、これはすごいと唸らされた『ガラスのなかの少女』を書いた作家、ジェフリー・フォードの作品です。
『シャルビューク夫人の肖像』……思ったより早く、文庫に落ちてくれました。実は出てすぐ買ったのですが、読み始めたらこうなると思って積んであったのです。わたしの自己認識はどうしてこうイヤな方向に正確なのでしょうか!

 今作も、やはり「少し昔のアメリカ」を舞台にし、予言者として名をなしたという謎の女性からの肖像画作成依頼にとり憑かれる画家の運命を描いていきます。なにしろ、肖像画を描けというのに衝立の向こうから声を聞かせるだけ、姿は絶対に見せないというのです。この設定だけでも、かなり期待値は高まるというもの。しかも、ジェフリー・フォードだし!
 期待通り、変てこりんですてきな話でした。

 シャルビューク夫人の正体はなんとなく、……あーいや、でもほんとうの意味で「シャルビューク夫人とは誰だったのか?」はむしろ永遠の謎かもしれないなあ。彼女は実像と虚像のあいだにある、いわば鏡の硝子面みたいなもののように思われます。

 主人公はどうしようもない男ですが、でも自分にもこういうところあるよな、となんとなく納得してしまうのが罪な人。好きなのは主人公の友人でラファエル前派風の画風をもち、貧民窟というか犯罪者の巣窟に好んで居を構え、豪奢な調度に囲まれてアヘンをキメちゃっているシェンツです。
 あと、実はワトキンもさりげなく良かった。

 うっは、それは無理! というほど荒唐無稽なことを持ち出しながら、一方では細心過ぎるほど緻密であるという、この妙なバランス。ああもう、素晴らしい。信じられない奇跡、あり得ない超自然、すべてをシニカルに描写しながら、その深奥に潜むほんとうの不思議を描ける作家、と思います。

 変な作家だ、とも思います。大好きです。
シャルビューク夫人の肖像

著者名:ジェフリー・フォード(著)
田中一江(訳)
出版社:ランダムハウス講談社
出版年:2008.03
ISBN :9784270101667

本家サイト感想文一覧 63870 ジェフリー・フォード
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2008年03月23日

献本御礼:百舌姫事件 & みどりいろの童話集

 太田忠司さまより、狩野俊介シリーズの長編『百舌姫事件』、そして東京創元社さまよりアンドルー・ラングの世界童話集第三巻、『みどりいろの童話集』をお送りいただきました。
 いつもいつも、ありがとうございます。

 活字の本を読む力が年々低下している感があり、いただいたご本がなかなか読めないのですが、これはどちらも読む気満々なのでなんとか……なんとか家の中で見失わないうちに! 読みたいと!
 豪邸でもなんでもないのに、どうして本ってみつからなくなるんでしょう。無節操に積むからなんだけど。でも本棚にもう入らないのですよぅぅぅぅ……。
百舌姫事件

著者名:太田忠司(著)
出版社:徳間書店
出版年:2008.03
ISBN :9784198507718
みどりいろの童話集

著者名:アンドルー・ラング(編集)
出版社:東京創元社
出版年:2008.03
ISBN :9784488018580
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2008年03月22日

鋼の錬金術師 19

 駄目だ、これ全部読み直さないと……と絶望的な気分になったのは、「ヴァン・ホーエンハイム」という名前を見たときに「うわっ……誰だっけ」と思っちゃったからですが。

 いや、途中で思い出しましたけど(たぶん)、でもこれはまずいだろう……やっぱり最初から順番に発掘しないと!
 でもおもしろかったです。
鋼の錬金術師 19

著者名:荒川弘(著)
出版社:スクウェア・エニックス
出版年:2008.03
ISBN :9784757522374
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読了メモ:旧かなづかひで書く日本語

 旧かな入門書だと思って買ったのですが、本書の半分くらいは、新かなという思想(大雑把な表現かもしれませんが、わたしは本書における「新かな」は「思想」――それもあまり歓迎されざる「思想」である、ととらえて読みました)を日本人に強要した政府や新かな派識者への批判と、旧かなに戻りましょう! という提案ですね。

 わたしは、文化の変化というものは非可逆なものだと思います。たとえそれが強制的にもたらされたものであっても、です。

 これだけ新かなが普及してから旧かなに「戻す」のは、すでに「戻す」のではなく「変化の強制」にほかならないでしょう。
 ふたたび「旧かな→新かな」と同様の強権発動がおこなわれねば、無理なのです。すると、新かな導入に対する批判とほぼ同じ批判が、旧かな復活(達成すれば、ですが)にもふりかかるのは必至でしょう。
 新かなで書かれた文学作品(我々の年代の人間が親しんで来た「書かれたもの」すべて)が、そのままのかたちで受け止めることが困難になるでしょう。数百年前の古典に親しみやすくなるかわりに、親子世代間で書き文字によるコミュニケーションの断絶が起きたり、少し前のベストセラーが読みづらくなったりするのです。
 近い時代のものの方が、遠い時代のものよりわからなくなる。それは不自然である、とわたしは思います。

 ただ、古典をなんでもかんでも新かなに直すのは如何なものか、とはたしかに思わされますね。本書にいくつか実例が載っていますが、まさに目を覆わんばかりです。

 なにやら感想の順序が前後してしまいましたが、もちろん、「旧かなづかひで書く」ための実践的な知識も満載されておりますので、本書を読んできちんと勉強すれば、かなり書けるようになるのではないかと思います。
旧かなづかひで書く日本語

著者名:萩野貞樹(著)
出版社:幻冬舎
出版年:2007.07
ISBN :9784344980471
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2008年03月18日

読了メモ:モンスターズ・イン・パラダイス 3

 昨日読み終えてたんですが、シリーズ最終巻の感想ってどうしてもネタバレっぽく言及してしまいそうで困ったな、と悩んでいるうちに今日まで終わりそうになったので、あわてて書きます。

 読みました!

 今回の作品は、ファンタジーというよりSFかなぁ……とわたしの中ではカテゴライズされているのですが、3巻では確信をもって言い切ることができます。これはSFだな!(わたし基準では、ということですが)

 ミーハーな感想を申しますと、『はじめのひとり』様が、いい感じにチャランポランで自分のことしか考えてないようでいて優しくて強くて駄目駄目で、とっても素敵でした!
 あと、カートの母上がカッコイー! ……と、年上世代のVの皆さんにやられました。
 さ、さらに個人的には、これでもうちょっと胸きゅんなシーンが……いや多くを望み過ぎですか。

 しかし、「人種」をネタにした話を日本でやるのは大変(というか、ほとんどの読者には理解されないことを覚悟せねばならない、と先輩作家さんが話しておられたのを聞いて、なるほどナーと納得したことがございます)なのに、堂々と、書き切ってしまわれたなぁ、と思います。
モンスターズ・イン・パラダイス 3

著者名:縞田理理(著)
出版社:新書館
出版年:2008.03
ISBN :9784403541254

本家サイト感想文一覧 63870 縞田理理
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2008年03月16日

のだめカンタービレ 20巻

 本屋はいいなぁ! というわけで、徒歩25分くらいの本屋さんで購入しました。疲れました。

 コンクールに出してもらえないのだめ、出たけど駄目だったユンロン、そしてターニャは……という展開です。などというマトメで、よいのでしょうか。
 のだめって、音楽のことが「好きだけど、どうでもいい」のかなぁ、と感じます。たまに。生活とか、将来とか、そういったリアルなものと結びついていなくて、だから周囲から見ると「うわ、なんで」となるんだけど、でも本人はそれで幸せなんだから、いいじゃない?

 ……なんて思ってしまったわたしは、もしのだめの指導教官だったら、おなら体操を完成させるのに尽力しちゃうタイプなのかも。ハリセン・タイプではなさそうですね。
のだめカンタービレ #20

著者名:二ノ宮知子(著)
出版社:講談社
出版年:2008.03
ISBN :9784063406917
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2008年03月15日

DMC

 本屋菌を吸いたくてフラフラと入った本屋で、うっかり購入です。おそるべし、本屋菌。いやもちろん興味をもっていたからこそ購入したわけですけど。

 主人公は気弱で純朴な青年……なのですが、なんの間違いか過激なデスメタル・バンドのボーカル(しかも曲も作っている)になってしまったという設定。ほんとはお母さんに聞かせてもいい感じの甘くてさわやかでオシャレな曲調が好きなのに、現実はデスメタル。正気なら「いやいや、そんなことは考えちゃ駄目だ、正しくない」と感じるようなことを、自分が作詞してシャウトしまくりです。そしてライブが終わると「どうしてこんなことしてるんだろう……」と。
 ほとんど設定だけで笑えます。

 でも、おもしろい反面、これはイタイタしい……かもしれない。自分がなりたかった自分と、現実の自分とのギャップがですね、戯画化されているんだなと見てしまうと、キッツいですね。
 デスメタルの伝説になってしまうという突飛な方が「夢」ではなく「現実」という設定なので、逆にそれが虚構感をただよわせて、読者に「ナイナイ、でもあったらオモシロイ」と思わせる仕掛けです。が、実は「現実なんて思うようにならないものさ」な話だよなぁ?
 ……などと解釈してしまうわたしは、現実になにか辛いことでもあったのでしょうか?

 いやまあ仕事が進まないとか進まないとか進まないとかはありますが……。
デトロイト・メタル・シティ 1

著者名:若杉公徳(著)
出版社:白泉社
出版年:2006.05
ISBN :9784592143512
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2008年03月13日

十二秘色のパレットを一気読みしてみた

 けっこういろいろ忘れているので、読み返してもいいかな? と思い、読み返しました。
 それぞれの過去感想はこちらにございます。

 63870 1&2巻 http://usagiya.hontsuna.net/article/1716573.html
 63870 3巻 http://usagiya.hontsuna.net/article/1721288.html
 63870 4巻 http://usagiya.hontsuna.net/article/1842604.html
 63870 5巻 http://usagiya.hontsuna.net/article/2007909.html

 なんで急に読み返したかというと、確定申告を終わらせたので。

 すみません、わたし以外にはよくわからない理由でした。
 つまりですね。面倒でたまらなかったことを、なんとか終わらせたので、自分へのご褒美として、既刊を積み上げて一気読みしてよいぞ、と。そういう次第です。

 5巻を読んでから読み返してみると、ああ、グエル先生の亡くなったご家族のご友人って……つまりグエル先生がオパルに来てパレットになるきっかけをつくった人って、校長先生だったのか! とか、テオくんの胸キュンにはやっぱり深く同意せざるを得ない! とか、そんな感じで楽しかったです〜。
 カメラのエピソードとかも、読み返せてよかった! たしかにグエル先生はかわいい! セロ君、よくぞ見破ったりぃぃ!

 やはり、いつでも読み返せるように既刊をちゃんとまとめて置いておくことは大事だなと思いました。さて、それじゃ元の場所に……ああ、一冊増えたらもう入らない! ぎゃー。
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2008年03月12日

十二秘色のパレット&夏目友人帳 5巻

 あ、どちらも5巻なのか……というわけで、ファンタジー色のある少女漫画のシリーズ、二冊です。

『十二秘色のパレット』の方は、セロ君が天然過ぎて身悶えさせられました……よかったよ、グエル先生の立場じゃなくて! セロ君、セロ君!
 あと、テオ君(セロのパパ)も味わい深くてもうね……。花火見物とか、もうテオ君と見ればいいじゃないの! と思ったくらいです。
十二秘色のパレット 5

著者名:草川為(著)
出版社:白泉社
出版年:2008.03
ISBN :9784592182986


 で、アニメ化も決まった『夏目友人帳』ですが……アニメ公式サイトのトップ(※現時点のイラストがいつまであるかは知りませんが、とにかく今のこの絵で!)だけ見た人が「……『ハガレン』のパクリ?」っていってて、つんのめるかと思いました。

 それは誤解だ!

 違います。かなり違います。『AKIRA』と『ARIA』くらい違います。って自分で書いててなんのことだか。最近の若い人は『AKIRA』知らなかったりするのかなと思うと目眩も。クラクラ。

 いやまぁそれはそれとして、今回はこのシリーズにしてはちょっと派手? というお話もありました。でもやっぱり根っこはいつもの『夏目友人帳』ですね。あまり過剰ではないセンチメンタリズムと、良い意味での「曖昧さの許容」、……うまく説明できませんが、作品全体にただよう雰囲気が好きです。
 お騒がせな友人帳作成張本人の人となりがうかがえるエピソードもあり、なんというか、この祖母にしてこの主人公あり、と思わされました。
夏目友人帳 5

著者名:緑川ゆき(著)
出版社:白泉社
出版年:2008.03
ISBN :9784592184485
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読了メモ:三国志曼荼羅

 正史も演義も翻訳を手がけておられる、三国志の分野では知らなければモグリなのではないだろうか……と思われる井波律子氏の、三国志を扱った文章を集めたもの。
 ようやく去年の仕事で苦労したのが抜けてきたので、そろそろ一介の三国志ファンとして三国志関連のものを楽しんでもいいかな、と復刊された本書を購入した次第であります。

 井波氏の文章はとても読みやすく、立ち位置もかなりフラットな感じ。ひとことでいうと「安心して読める」かな……? 三国志初心者にも楽しめて、間口は広くて奥は深いと申しましょうか。いい本だと思います。
 中身は筑摩書房版に少し足してあるそうです。

 説話芸能だった時代の三国志についての文章、ものすごくものすごくものすごぉぉぉぉく、どこかで読んだ記憶があるので、まさかこの本を昔読んだことがあったのでは……いや、それにしては他の部分にそういう感じがしない、といぶかしみながらあとがきに辿り着いて、納得。『三国志の風景』の巻末解説として寄せられた文章が、おさめられていたのでした。自サイトで確認してみたら、2002年に読んでました
 しかし、その問題の文章が『三国志の風景』という元の本をはなれてもまったく問題なく読めるあたりが、すごいなぁと……。うーむ。
三国志曼荼羅

著者名:井波律子(著)
出版社:岩波書店
出版年:2007.05
ISBN :9784006021191
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2008年03月11日

読了メモ:オドの魔法学校

 よ、読んじゃいました……。実は誕生日に「今日は誕生日だし読もうかな」って前三分の一くらい読んで、もったいなくなってそこで一旦休止していたのですが、結局読み終えてしまいました。

 マキリップだな〜! って感じなので、マキリップを愛する人は買いです。間違いなく。
 魔法の質感というか、空気感が違います。見紛いようもなく、マキリップです。

 ただ、ついて行けない人もいるんじゃないかなとは思います。
 あとは、わたし自身がもう魔法の世界に入りこめないのかもしれない、と少し寂しい気分になる部分もあり……ネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが、わたしが「あ、こういう人いるわ」と認識したあの人やこの人はもっと断固として話が通じない場合が多く、結局、すべてが収束する場面にどれだけ説得力を感じられるかというか! もう無理です、これ以上は説明できません。

 まあそんなこんなで。うっとりと世界に浸りきれるかといえば、浸れる。しかしわたしの中の現実的な醒めた部分が「いやぁ、それはちょっとどうかしら?」と斜に構えるのを止めることができない……みたいな分裂した感想を抱かされた一冊でした。
オドの魔法学校

著者名:パトリシアA.マキリップ(著)
原島文世(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2008.02
ISBN :9784488520076

本家サイト感想文一覧 63870 パトリシア・A・マキリップ
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2008年03月10日

ワンピース 49

 もう49巻かぁ……。の、破天荒海賊漫画、ワンピース。

 今巻も、ゾンビの島で影を巡って大戦闘中です。ピンチを逆転……したかと思ったらますますピンチに……しかし逆転……したかと思ったらもっとピンチを挽回……したと思いたかったのにやっぱりピンチ! という展開なわけですが、テンポよく畳み掛ける話運びのワザはすごいナー、と思います。
 それにしても、とってもキュートなペローナちゃんはどこへ?
ONE PIECE 巻49

著者名:尾田栄一郎(著)
出版社:集英社
出版年:2008.03
ISBN :9784088744858
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2008年03月08日

読了メモ:日本語の歴史 2

 毎晩、寝る前に少しずつ、感心したり眠くなったりしながら読んでいましたが、ようやく読了。いや、これは名著。名著です。平凡社様、よくぞ復刊してくださいました!

 第二巻は日本における漢字の受容について。世界の文字全体を見渡すところから説き起こし、「漢字文化圏」を設定してその中でも東端の海上に浮かぶ日本を孤立した実験室と定義。カッコイイ!(なぜ?)

 とにかくおもしろいので、興味があるかたは是非現物をお読みください。
 なんで「かな」が「ひらがな」「かたかな」の二系統あるかなんて、そもそも考えたこともなかったし! というレベルの人間にとっては、たいへんに刺激的な読みものでした。

 一巻を読んだときも感じたんですけど、なんだか「志」が感じられる本、といいたくなる本です。ただ、その「志」ってなによ? と問われると、ちょっとわかりません……みたいな気弱な返事しかできないので、あまり大声ではいえないのですが。うーん。「志」ってなんだろう?

 かなり余談になりますが、以前、西郷信綱氏の『日本の古代語を探る』の感想で、素晴らしい解説を書かれているけどこの人はどなた? と首をひねっていた龍澤武氏は、現在は東アジア出版人会議の方でご活躍中とか。サイトの記事をいろいろ読ませていただいたのですが、ここでも「志」という言葉に何度も出会って、うーん……「志」ってなんだろう? と考えこむことになりました。
 わかるような気はするのだけど、よし完全に理解した、見切った! とは思えないのです。

 こんなに「志」という言葉を素直に使えず、ひっかかってしまうのはなぜだろう……とちょっと考えてしまったのですが、たぶん拙作について、別々の人から、別々の機会に「志を感じる」と評されたことがあるからじゃないかな、と気かつきました。
 わたしが『日本語の歴史』を読んで感動(「志」という言葉に対しては、こう感じるのです)するのと同じようななにかを、自作が誰かの心にもたらすのか? と思うと、やっぱりよくわかりません。

 まあ、語義は一語一定義じゃないし、人によって含ませるニュアンスが違うから、あんまり考えすぎない方がいいのかな、と思いますが。
 ……ほんとにすごい余談だった! とにかく『日本語の歴史』は名著ですよ!
日本語の歴史 2

著者名:亀井孝(編集)
出版社:平凡社
出版年:2007.01
ISBN :9784582766011

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2008年03月06日

献本御礼……じゃなく見本到着

 今月発売の、シャンナ・スウェンドソン『おせっかいなゴッドマザー』の見本が届きました。待ってたわ、オーウェン! ああいや、もちろんオーウェンだけじゃないですが……。

 さっそくぱらぱらとめくって、どのへんがオーウェンの活躍ポイントだったかなぁ、とサーチしてしまったのは仕様です。
 400ページ以上もあるので、ちょっと探したつもりが、気がついたら15分も過ぎ去っていました。

 データはあとで追加いたします。もうじきですよ、もうじき![※2008-03-10:データ追加しました!]
おせっかいなゴッドマザー

著者名:シャンナ・スウェンドソン(著)
今泉敦子(訳)
今泉敦子(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2008.03
ISBN :9784488503048

本家サイト感想文一覧 63870 シャンナ・スウェンドソン
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2008年03月04日

一週間早いプレゼント

 来週、誕生日なわけですが、配偶者に「なにがほしい」と訊かれて正直にほしいものをいったら値段も見ずに買ってくれました……本なら値段を見ないで買っちゃう癖は、夫婦ともにやめた方がいいと思います。

 買ってもらったのはコレです。

 日本国語大辞典……の、精選版。精選版ですら、通読は無理そうなすごいボリュームです。うわぁでも幸せ〜。三冊ぜんぶ膝の上に抱えてうっとりしてたら、家族に変な顔をされました。
 重くないよ? 気のせいだけど。

 サイズをはかってみたところ、たとえば第三巻の本文の厚みは6cmほど、しっかりした造本なので、分厚い表紙裏表紙までおさまるケースの外寸は7.5cmくらいになります。装丁は菊地信義氏。品のある、きれいな本です。本文フォントのポイントはかなり小さめです。そろそろお年頃のわたくしなので、じきに老眼鏡が必要になるかもしれません。
日本国語大辞典 第1巻 精選版 あ〜こ

著者名:小学館国語辞典編集部(編集)
出版社:小学館
出版年:2005.12
ISBN :9784095210216
日本国語大辞典 第2巻 精選版 さ〜の

著者名:小学館国語辞典編集部(編集)
出版社:小学館
出版年:2006.01
ISBN :9784095210223
日本国語大辞典 第3巻 精選版 は〜ん/漢字索引

著者名:小学館国語辞典編集部(編集)
出版社:小学館
出版年:2006.02
ISBN :9784095210230

 さすがに全巻揃えるのはキツいので諦めましたが、精選版なら、なんとか……。いいもの買ってもらったんだから仕事しようね、自分!

 ぱらっと見ただけでびっくり、たとえば「花」が一ページにおさまってないもの。四段組みの本文、「花」はまるまる二ページ使ってちょっとハミ出すくらいの量の情報があります。それを眺めた結果、なんとなく浮かんできたものが「花誘う」なのですが、ほんとうに「なんとなく浮かんだ」だけなので、オチも意味もなくてすみません。

 掲載されている「花誘う」の用例は『宇津保物語』のものですが、「花」が桜をさすものと固定されたのは平安後期とみられ、梅であったのは奈良時代とのことです。『宇津保物語』は平安中期の作なので、「花誘う」が当時すでによく使われていたフレーズだとしたら、梅のためのものか、桜のためのものか、微妙かも……ひらひらと舞い散る花であれば、なんでもよさそうな気もするけれど。
 ついでにいうと、『梁塵秘抄』は平安末期のものなので、ここで「花」といわれたらまず桜ということか……などとねちねち考えるのが楽しい人には幸せな辞書ですよ。

 ああ、素晴らしい!

 巻末に漢字索引があるのもいいです。これで「読めない熟語」も調べられるというわけですが、戦前の辞書は漢字索引が当たり前だったという説明があって、へぇ〜、と思いました。なるほどねぇ……。
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2008年03月01日

もやしもん 6

 遅ればせながら『もやしもん』第六巻を購入しました。通常版です。のんびりした菌うんちく漫画です。読んでも読んでも覚えないのです。でもオリゼーさんはオリゼーさんだよね。それは覚えました。……菌のキャラデザインと名前が一致しても、あまり生活の役にはたたない気がしますが。

 フランス編、これにて終了の模様です。
 ワインにまつわるうんちくは、読んでもさっぱり身になった気がしませんでしたが(そもそもブルゴーニュとボルドーの位置関係も、地図をみて「ああ、なるほど」と思ってページをめくった瞬間にもう忘れてるし……。駄目駄目です)。お酒が好きなら覚えられるのかなあ。

 久々に本屋さんに行けました……本屋の空気はスバラシイ。本屋菌がただよってるに違いないです。ただ、所用のついでで既に大荷物だったのと、本屋に行ったら探さなきゃと思っていた本があまりにも多過ぎて、ぜんぜん思いだしきれず、結局レジへ持って行けたのは三冊だけでした。むむーん。
もやしもん 6

著者名:石川雅之(著)
出版社:講談社
出版年:2008.02
ISBN :9784063522136
posted by うさぎ屋 at 20:48| Comment(2) | TrackBack(0) | 漫画