2008年02月26日

読了メモ:チーム・バチスタの栄光

 上巻は昨日読み終え、下巻を読んでいるうちに日付が変わってしまいました。
 この本は、【神北情報局】で褒められていたのを見て、読もうかなと思ったのです。病院内の権力闘争を逃げのびて不定愁訴外来の担当に、という主人公の設定に興味を惹かれました。そういえば、【手当たり次第の本棚】でも褒められてたよなぁ……と思いだし、購入。なんだ薄いなぁ、すぐ読めそうだなぁ、と読みはじめたら、ほんとうにすぐ読めてしまいました。

 薄いから、だけではありません。おもしろいのです。
 わたしは病院長がいちばん好きですが(いろんな意味で)、どのキャラクターも生き生きと描かれていて、びっくりさせられました。これデビュー作なんですよね?

 医療の現場が崩壊しかかっている、ということを訴えながら、エンターテインメント性のあるミステリに仕立ててしまう。しかもその崩壊を(結果的に)もっとも雄弁に語るのが誰のどの台詞であるか、ということを考えると、ものすごい着想力だと思いました。

 なにを書いてもネタバレになりそうなので、感想はこんなところにしておきますが、すごい小説でした。
チーム・バチスタの栄光 上

著者名:海堂尊(著)
出版社:宝島社
出版年:2007.11
ISBN :9784796661614
チーム・バチスタの栄光 下

著者名:海堂尊(著)
出版社:宝島社
出版年:2007.11
ISBN :9784796661638
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2008年02月25日

しゃにむにGO 28巻

 高校生テニス漫画、第28巻です。主人公たちの「最後のインターハイ」が、炎天下、くりひろげられております。

 今までの布石をひとつずつ丁寧に回収して、あれもこれも、有機的につながっているんだなぁ……と思わされるエピソードが満載です。なんだかものすごく感心してしまう細心さです。
 実際に試合をしているシーンはあまり多くなくて、今回は「大人たちが、ちゃんと大人だった」の回かなぁ。
 いろいろな過去と、しがらみと。人生はひとりだけのものではなく、どうしても逃げられない重いものを背負って、それでも子どもたちを支えていこうとする大人たち。かれらを、かっこいいと思わせてくれる流れでした。

 もちろん、子どもたちもかっこいいのですけどね。
しゃにむにGO 28

著者名:羅川真里茂(著)
出版社:白泉社
出版年:2008.02
ISBN :9784592183686
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2008年02月23日

ハチワンダイバー 2&3

 で、映画館の帰りに書店に寄り、本屋の空気を吸ってきました。この書店さんは、すごく頑張って棚をつくってるなぁ、といつも感心させられます。売り場面積の割に、わたしが欲しいと思う本が置いてある率が高いのです。
 ああ、本屋は素晴らしい。

[※2008-02-25注:コメントにて記事本文の間違いをご指摘いただきました。自分でもどうしてこう間違っているのか謎なのですが、……とにかく間違っております。ご不快に感じられたかた、申しわけありません。謹んで訂正させていただきます]

 素晴らしい本屋で、子どものためにブロックの本と、自分のために熱血萌え麻雀将棋漫画『ハチワンダイバー』の2、3巻を購入。さっそく読みました。
「真剣」と呼ばれる賭け麻雀将棋の世界に踏み入ってしまった、プロになりそこねた雀士棋士が主人公なのですが……主人公が対決する相手がことごとく変。いや、主人公は主人公で変なんですけどね。
 対戦相手だけでなく、賭けるものもどんどん変になっていくのが読みドコロかもしれません。
 2巻の最初の勝負で賭けられたものには、笑ってしまいました。いや、女性としてこれは笑っちゃいけないところなのかもしれませんが……でもなんかもう、ここまでバカだとわかりやすくていいよね! って感じです。
 漫画勝負もどうなんだ、それは! そんなのアリか! と愕然としつつ笑いました、やっぱり。
 3巻の終盤で、また新たな相手との勝負が始まるんですが、これはシャレにならないもの賭けちゃってるなぁ……どうなるんでしょう?
ハチワンダイバー 2

著者名:柴田ヨクサル(著)
出版社:集英社
出版年:2007.03
ISBN :9784088772301
ハチワンダイバー 3

著者名:柴田ヨクサル(著)
出版社:集英社
出版年:2007.06
ISBN :9784088772837
posted by うさぎ屋 at 23:57| Comment(2) | TrackBack(0) | 漫画

映画『黄金の羅針盤』先行上映

 観てきました。子どもが原作を読み切って、映画も観たいというので。

 最後がぶっちぎれだという噂は聞いており、まあ原作も「えっ、ここで終わるの」だったからそういうものだろう、二巻と三巻のストーリーは知ってるから我々は大丈夫だよね、と子どもと語り合いながら映画館へ向かったのですが……。
 見終えてびっくりです。

 ほんとうに最後が! なんと! って感じで。

 ここで切ったら、第二部を製作できることになったとき、困るのでは……。ネタバレなので詳しくは書きませんが、原作とは違うところで切れています。
 ほんとうに、第二部の導入部はどうするんでしょう? 不思議でたまりません。ああするのか、こうするのか、とシミュレートがとまらないほどでございます。

 ストーリーは、導入部にオリジナルのエピソードを入れてまとめ直している以外は、ほぼ原作通りのエピソードを端折りながらつないでいる、といった感じ。だから原作を知っていれば「ああ、あそこを絵で見るとこんな感じなんだ」という楽しみかたができますが、ストーリーを知らない人はどうなんだろうなあ……と危ぶまざるを得ないジェットコースター展開でした。しかも、途中の線路がところどころ抜けているんじゃないか、くらいの勢いでアクロバット走行。

 ライラの子役女優さんは、とても魅力的でした。いわゆる子どもらしい「かわいい」少女ではなく、独特の雰囲気があります。
 コールター夫人は髪型、服装、トータルなコーディネイトが完璧。もうどこから見てもコールター夫人。ヴィジュアルは完璧です。これは一見の価値があると思います。

 CGはほんとうにすごかった。とくに動物関係。イオレクはもちろん、とにかくダイモンが。一瞬で変身するのも、本で読んでいて想像するより映像で見せられる方がわかりやすく、なんといっても「すべての人に動物のパートナーがいる」という絵が。ぱっと見たときの説得力が、やはり文章とは違いました。

 63870原作『黄金の羅針盤』感想@本家サイト
 あー、続刊の感想も書かなきゃなあ。
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2008年02月22日

献本御礼:魔使いの秘密

 東京創元社さまより、〈魔使い〉シリーズの第三巻、『魔使いの秘密』をお送りいただきました。いつもありがとうございます! きゃー、まだ二巻を読んでないー。

 例によって、データが入ったら追加しておきますね。[2008-02-29:データ追加しました]
魔使いの秘密

著者名:ジョゼフ・ディレイニー(著)
金原瑞人(訳)
田中亜希子(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2008.02
ISBN :9784488019587


本家サイト感想文一覧 63870 ジョゼフ・ディレイニー
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2008年02月19日

読了メモ:スティング

 刊行されてすぐ買ったものの、なんだかとっつきづらくてずっと積んであった本。ザ・ポリス再結成来日ツアーには行けなかったので、かわりに本でも読もうかな、と手にとってみました。

 ハードカバーなのですが、これは文庫にはなかなか落ちないだろうなあ、いま買っておかないとまずいな、と思って買ったんですよね。なのに積んでしまうなんて、もったいない>自分

 導入部はやはり読みづらいのですが――秘跡体験というか、あやしい宗教がらみのドラッグでのバッド・トリップから、無意識に抱えこんできた個人的な過去に踏みこんでいく……という体裁です。凝っているし、描写もおもしろいんだけど、わたしには入りづらかったです――二章以降は経時順で個人史が語られるのですが、ぐいぐいひきこまれて読んでしまいました。
 当時の音楽シーンに詳しい人であれば、もっとおもしろいと思います。錚々たる(推測。わたしは詳しくないから!)名前が並んでいるので。

 スティングが両親の不和に傷つき、悩み、自分は絶対にこんな風にはならない! と決意するのを読みながら、ファンとしては「でもこの人たしか離婚して再婚してたよな」って知識があるし、本文にもそうほのめかされているので、まるで歴史小説を読んでいるようですよね。未来はすでに動かしがたい事実として規定されているのだから。
 最初の奥さんのことは非常に魅力的に描かれているんだけど、彼女のどこかが駄目だった、といった記述はないので(まあご本人に配慮したら書けないという事情はありそうだけど)、本の流れでいくと、「家庭」というものからつねに逃れようとする性質が刻みこまれていたために、そうなった、ように読めてしまうんだよなー。

 しかし、教育実習中&教職についていた時期のスティングに学んだ子どもたちが、実際、どこかにいるのね! と思うと羨ましい。だってスティングが『ホビット』朗読したっていうんですよ! 『エリダー』とか! しかも音楽の授業は弾き語りだの合奏だのって……悶絶するわ。そんな学校あったら行かせてください。
スティング

著者名:スティング(著)
東本貢司(訳)
出版社:PHP研究所
出版年:2005.01
ISBN :9784569640624
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2008年02月13日

読了メモ:オペラ・アウローラ

 あちこちで感想文があがる中、いつネタバレを踏むかと戦々恐々……するくらいならさっさと読んじゃえ! と思ったので、読んじゃいました。ファンタジー禁止令はどうしたのでしょうか。知りませんよ、そんなもの。偉いさんにはわからんのです。ファンタジーなんて……ファンタジーなんてッ!

 いや自分でもなにを書いているかわからなくなりつつありますが、よかったです。
 死と再生はファンタジーがうまく扱えるネタの最たるものではないかと思います。それが個人にとどまらず、世界それ自体とつながるパターンが、実はわりと王道なんじゃないかなと。少なくともわたしの中で。
 十数年前、望ましいファンタジーのひとつの姿として
「世界の痛みとその癒し」
 である、と書いたことがあるのですが、この物語はまさにそれを体現したかのようなシリーズでした。

 シリーズ開巻から一巻、二巻あたりまでは著者のデビュー作ということもあり、少々筆がすべってるかなぁと感じる部分もありましたが、通して読んでいくと、それがまた逆に物語世界に次第に奥行きが生まれ、実体が感じられるような効果を生んでいたかも、とも思います。

 キャラクターの魅力だけでも、じゅうぶん読ませます。漫才道中っぷりは、半端ないです。
 だから、セールス的にも問題ないんじゃないかなーと大人のわたしは思ったりするわけですが、逆にこういうタイプの小説って、和製の、ライトノベルの、ファンタジーには興味がないという人には、まったく読まれなかったりするわけです……それはもったいない。
 ファンタジー好きには、ぜひお読みいただきたいシリーズです。
オペラ・アウローラ

著者名:栗原ちひろ(著)
出版社:角川書店
出版年:2008.01
ISBN :9784044514082

本家サイト感想文一覧 63870 栗原ちひろ
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2008年02月11日

読了メモ:狡猾なる死神よ

 というわけで、先に『狡猾なる死神よ』の方を読んでしまいました。だってマキリップもったいなくて……。

 さて、趣味っぽい? と思った『狡猾なる死神よ』、予想に違わずわたしの嗜好にバッチリでした。舞台はアメリカ。美術史家のヒロインが遭遇した奇妙な墓、おどろくほど美しく、当時の様式とはあきらかに異なる「舟の中に寝ている娘の死体」の彫刻は、いかなる芸術家の作品なのか? というところからグイグイ興味をひっぱっていくんですが。
 その彫刻が、ラファエル前派風だというんですよ。
 どんな美しい「舟のなかの死んだ乙女」像なのかと想像するだけでわくわくします。
 シャロットの乙女とかキーツとかミレーとかロセッティとかばんばん名前が出てきますので、その筋の人は、とりあえず押さえておいてもいいように思います。

 あと、260ページ過ぎたあたりで、それまでの期待値を200%ほど上回る胸キュン(当社比)シーンがあり、びびりました。うっは、サスペンスとロマンスは相性がよいとは知っていましたが、かなり油断していたので、やられました。
 以下ネタバレにつき感想が書けません!

 これは著者のデビュー作で、そのままシリーズ化されているようです。デビュー作でこれだけ書けてたら、いうことないですね。
狡猾なる死神よ

著者名:サラ・スチュアート・テイラー(著)
野口百合子(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2008.02
ISBN :9784488270049
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2008年02月10日

読了メモ:オペラ・メモーリア

 シリーズ完結まであと一冊、の〈オペラ〉シリーズ、ここで短編集が挟まります。
 本屋を三軒もはしごして買った最終巻を見失い、一時はどうなることかと思いましたが(昨日、無事に発見しました! 単純に、出かけたときのバッグに入ったままだったのです)、まあとにかく短編集を先に読もうと。

 カナギ、ソラ、ミリアン三人の珍道中話が三本+バシュラールと詩人の過去の因縁連作、が収録されています。
 バシュラールと詩人の話は……うーん。なんか「うーん」としかコメントのしようがありません。グレちゃん(愛称)のズレっぷりは、楽しかったです。

 珍道中ものは、おそろしく息の合ったコメディ。
 とくに巻末の「MISSION:一般人のふり」な話が、非常にテンポよくグダグダでおもしろかったです。
 このアサッテの方向に三段跳びしまくりの軽妙なやりとりが楽しめるのも、あと一冊か〜……と思うと感慨深いです。
オペラ・メモーリア

著者名:栗原ちひろ(著)
出版社:角川書店
出版年:2007.12
ISBN :9784044514075

本家サイト感想文一覧 63870 栗原ちひろ
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2008年02月07日

献本御礼:オドの魔法学校 & 狡猾なる死神よ

 いつもいつもありがとうございます、東京創元社さまよりご献本いただきました。なかなか読めなくてすみません。
 そんな個人的な事情はともかく、マキリップ! マキリップ! マキリップ!(絶叫)

 てことです。ハイ。
 自分の原稿終わるまではと翻訳系ファンタジーぜんぶ積んだままにしてあるんですけど、もう諦めて読んじゃっていいですかね? この調子だと、春までぜんぶお預けになっちゃいますよ……。あっ、『おせっかいなゴッドマザー』(三月刊決定です。解説の校正も終わりました!)は別カウントです。あれは仕事ですから! ほんと、すごく仕事! だからしかたなく読んだ! あと『黄金の羅針盤』も仕事。仕事多いですね。と、他人事のように……。

 ところでマキリップですが、マキリップは紹介しなくてもみんな買うからいいよね? と、謎の信頼感を提示してみます。いや読むまであんまり情報入れたくないから表四とかチラッとしか見てないので……。カバーは原書と同じくキヌコ・クラフト氏の手になるものです。繊細で美麗、んも〜スバラシイ! としかいいようがありません。スバラシイ!

 もう一冊は、ミステリの新シリーズだそうです。主役が芸術史家のハーバード大学助教授、それも墓石が専門……おおお、なんかすごくそそられましたぞ。わたし変ですか? でも墓石専門の芸術史家って、気になります。こ、これはファンタジーじゃないから読んでもいいよね? って、誰に訊いているのでしょうか。とほほ。

 ほんつなにデータが入り次第、補完いたします予定です。[2008-02-10:データ追加しました]
オドの魔法学校

著者名:パトリシアA.マキリップ(著)
原島文世(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2008.02
ISBN :9784488520076
狡猾なる死神よ

著者名:サラ・スチュアート・テイラー(著)
野口百合子(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2008.02
ISBN :9784488270049
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2008年02月06日

ハチワンダイバー 1 &イムリ 3

 本屋万歳!←また本屋さんへ行ったらしい。

『ハチワンダイバー』は、知り合いがとても面白いといっていたので気になっていました。が、ちょっと絵柄が苦手かなぁ、と二の足を踏んでいたのです。
 ストーリーさえ十分におもしろければ、自分の好みの絵柄でなくても夢中になって読めるのですけど。でも、昨今の漫画は立ち読みできませんしね。
 ……と思っていたら、今日行った本屋さんでは試し読み用に、一巻だけビニールパックしていないものが置いてあったのですよ。素晴らしい。と思って最初の二話くらいを読みました。

 おおおお、おもしろい。なんかものすごい「勢い」を感じて、その勢いに乗って購入。
 本屋(あおい書店)さん、ありがとう!

 賭け将棋のお話です。主人公はプロ棋士になりそこなった、しかしかなりの実力の持ち主。プロ目指して将棋をうってきたので、それ以外の道をなにも知らないから賭け将棋をはじめた、しかし真っ当に強過ぎて敬遠されはじめたところへ聞かされたのが、秋葉原にすごい奴がいるぞとの情報。なにほどのものか、と覗きに行って、あっちゅーまに負けてしまいました、うわぁオレの一生が木っ端みじんに! というお話です。
 もちろん、木っ端みじんに砕け散ったままでは終わりません。そこからが始まりです。というか、一巻のラストでついに「ハチワンダイバー」というタイトルの意味がわかる仕掛け。

 あ〜、せめてもう一冊くらい買ってくればよかった!
ハチワンダイバー 1

著者名:柴田ヨクサル(著)
出版社:集英社
出版年:2006.12
ISBN :9784088771854


『イムリ』の方は、まえに「これファンタジーって書いてあるけどSFだよな?」と、いかにもジャンル者らしい古くさい感想を書いたような気がする漫画です。たぶん、佐藤史生さんの漫画を思い出すなぁ、とかも書いたんじゃないかなぁ。三巻も、やっぱりその印象が抜けません。
 いやまぁファンタジーといってしまえばファンタジーなんですけど……もう、どうでもいいよね!(いきなり開き直り) おもしろいしね!

 この巻では、主人公の夢に出てきた少女の謎(の一部)が判明します。ああ、おもしろいけど話がちょっとしか進んでない! そして次の巻はいつ出るの……。
イムリ 3

著者名:三宅乱丈(著)
出版社:エンターブレイン
出版年:2008.01
ISBN :9784757739703
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2008年02月05日

読了メモ:天璋院篤姫(下)

 下巻も読みました。
 下巻は和宮降嫁後の苦労話てんこもりで、いやぁ大変大変、です。しかし重要人物が次々コロコロ死んでいくのをみると、篤姫でなくても毒殺を疑いたくなるのはわかりますね。
 幕末あたりの知識は通り一遍未満という感じなので、次になにが起きるのか、にも興味をもって読むことができたのは、無知ゆえのお得感アリって感じで。詳しい人だと逆に「ああ、このときにこれをこうしたのか、なるほど!」って読みかたになるんでしょうねぇ。

 最近、時代につれて変化してきた価値観について、なんとなく考えます。

 この時代の女性たちはほんとうに自分で選べる行為というものが少なくて、男性よりいっそう不自由だった。その男性もやっぱり不自由だった。でも逆に、その「選べない」ということ、選択肢が少なくて済むということが、負担でない面もあったんじゃないかな、ということを考えています。
 もちろんその時代に生まれて生き直したいなんて考えてるわけじゃありませんし、わたしは今の時代の人間だから今が好きです。
 ただ、「なんでもできる」は「なにをするか選ばなきゃいけない」ことでもあって、そこで立ち止まってしまう人も多いんじゃないかなぁ、と思うことも多いのです。外圧がギチギチに効いていれば、立ち止まることなど許されない。でも、今はそれが緩い状態ですよね。だから逆に、自由が重荷になる。そういうことも、あると思います。

 なんか小説とはあんまり関係なくなっちゃいましたが……いやでもこの本を読みながら考えたことなんですけど。

 巻末の対談も、おもしろかったです。とくに、篤姫に育てられたお家の(つまり徳川家の)子孫のかたに、宮尾氏が直接インタビューする機会があって、なんて話はわくわくしました。
 すごいよ、江戸時代はちょっとその先、すぐ向こうにまだあるんだ! と、思いませんか。少しずつ、遠ざかってはいるけれども。
天璋院篤姫 下 新装版

著者名:宮尾登美子(著)
出版社:講談社
出版年:2007.03
ISBN :9784062756853
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2008年02月04日

読了メモ:五つの鍵の物語

 就寝前に一話ずつ、ちびちびと読み進めて読了。鍵をめぐる、幻想的な雰囲気の作品集です。

 太田さんの作品といえば、つねに真摯に問いつづける、ごまかしのない姿勢をまず連想します。それはキャラクターもそうですが、ミステリとしてもそう。とても几帳面な作風、という印象があります。地に足がついているというか。

 ……なんですけど、幻想風味の強いものも、さらりと書いてしまわれるんですよね! それも、がっちり世界をつくりあげちゃう『月読』みたいなタイプから、少年少女を主人公にした冒険譚、今回の作品群のようにさっと異界に連れ去られてしまいそうな短編まで。
 オールマイティだなぁ。
五つの鍵の物語

著者名:太田忠司(著)
出版社:講談社
出版年:2007.12
ISBN :9784061825765

本家サイト感想文一覧 63870 太田忠司
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2008年02月03日

献本御礼&おしらせ

 まずは、ラングの『あおいろの童話集』『あかいろの童話集』東京創元社様よりご献本いただきました。ご紹介が遅れまして、申しわけありません。
 とてもきれいな、品のいい装丁です。ああ、こういう本をズラッと並べられるスペースが欲しい。書棚はあるんですが、どこにも空きがありません。むむむむむ。
あおいろの童話集

著者名:アンドルー・ラング(編集)
出版社:東京創元社
出版年:2008.01
ISBN :9784488018566
あかいろの童話集

著者名:アンドルー・ラング(編集)
出版社:東京創元社
出版年:2008.01
ISBN :9784488018573


 で、おしらせなのですが、本家サイトで2/4掲載とおしらせしました、産經新聞の書評欄、都合により一週間延期となりました。2/11の掲載となります。
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2008年02月02日

読了メモ:天璋院篤姫(上)

 大河ドラマ『篤姫』の原作です。ドラマがかなりよくできていて(大河というよりホーム・コメディっぽい気はしますけど、今のところ……)おもしろいので、原作はどんななのかな? と買ってみました。

 この著者の小説を読むのははじめてですが、みんなこんな感じなのでしょうか?
 印象的な場面や言葉、ときにはっとするような描写はあるのですけど、「これこれこうが、こうなので、こういう事情だった」という説明が、もっのすごい量です。そのすごい量を読ませてしまうんだから、逆にそれもすごいと思いますが……えええ、なんでわたしこんな系図の説明みたいな文章をいやがりもせずに延々と読んでるの!? と、びっくりするくらい説明、説明、また説明。
 すごいなぁ……。

 ドラマとの対比でいえば、二回だけでご退場なんてそんなもったいない! とびっくりした調所様の出番はちょっぴり、篤姫とのからみは皆無でまたびっくり。お守りのエピソードもなく、なるほどなぁ……ここからこうドラマにしていくのか、と勝手に納得したり感心したりです。
天璋院篤姫 上

著者名:宮尾登美子(著)
出版社:講談社
出版年:1987.11
ISBN :9784061840713
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2008年02月01日

漫画漫画漫画

 書いたつもりが感想を書いていなかった漫画二冊と、本日購入の一冊。

 まずは、去年『レディー・ヴィクトリアン』を完結させた、もとなおこさんの新シリーズです。今回も舞台は英国、親を亡くして寄宿学校に入れられた少女のド根性物語(……こんな紹介でいいのだろうか?)
 もとさんのヒロインは、つねに前向きで、「自分はなにができるだろう」を問いつづけるところが魅力です。
コルセットに翼 1

著者名:もとなおこ(著)
出版社:秋田書店
出版年:2008.01
ISBN :9784253196116


 もう一冊、『コルセットに翼』と一緒に買って読んだ「ラブのある本屋さん漫画」、『本屋の森のあかり』は第二巻。一巻のときより、ずっと話の運びかたがこなれた感があり、読みやすかったです。
 ひいきキャラの出番が少ないのは、ちょっと残念でしたけど。
本屋の森のあかり 2

著者名:磯谷友紀(著)
出版社:講談社
出版年:2008.01
ISBN :9784063406856


 で、最後に『GA 芸術科アートデザインクラス 2』です。これ、『棺担ぎのクロ』と並んで息子が大好きな漫画で、わたしが読んでいるあいだ足もとに座りこみ、まだかな、まだかな、と待ちながらプッと吹きだしたのですよ。どうしたかと思えば、背表紙に「この本は高いよ」って書いてあるよ、と……うわ、いわれなかったら気がつかなかった!
 高いかもしれませんが、すごくおもしろかったです。ファンタジー者なら『棺担ぎのクロ』を、現実世界がお好きなら『GA』を、おすすめします。
 あ、大好きなのは息子だけではありません。わたしも大好きです。もちろん。
GA−芸術科アートデザインクラス 2

著者名:きゆづきさとこ(著)
出版社:芳文社
出版年:2008.01
ISBN :9784832276758

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