2007年10月31日

ヴィリ(Willis)

 山岸涼子さんの新作バレエ漫画です。
 平積みでなく、棚ざしだったので、見逃すところでした。危ない、危ない。

 主役はバレエ団のプリマ。40過ぎの彼女が久々に『ジゼル』の舞台に立つ――その背景には、パトロンである男性との関係が。資金繰りに頭を悩ますこともなく、愛情を感じる男性もいて、心身充実した状態の彼女にも、心配はありました。それは、娘の舞のこと……。

 現在41歳のわたくし的には、なんとなく身につまされるものがありまする。いや、もちろん資金ウハウハのIT社長と恋愛とかしてませんが(笑)、主役の年代が自分に近いというだけで、一歩距離が詰まるんですよね。自動的に、物語と自分のあいだが近くなる。
 それで一気にぐいぐいと読まされてしまいました。
 中身は「いつもの山岸涼子クオリティ」です。ちょっと怖かったりもしますが、仕様です。

 しかし、「Wi」で「ヴィ」と読むのが本来ということは、ドイツ語か……って考えたらアルブレヒトとかもろにドイツ名前ですね。こんなあからさまなことに今さら気がつくとは、失礼いたしました。
 バレエ漫画はけっこう読みましたが、バレエ自体を生で見たことはほとんどない(知り合いの発表会に行ったことがある、程度です)です。見てみたいとは思うのですが、こういうの、若いころにどんどん行っておくべきだったと思いますね。
ヴィリ

著者名:山岸凉子(著)
出版社:メディアファクトリー
出版年:2007.10
ISBN :9784840119689

 本屋へ行ったのは、みりおんぐらむに女神伝最終巻の感想があるのを発見して、「うわー、これから続々と感想があがるに違いないぞ、またどこかでうっかりネタバレ踏んだら目もあてられねぇ!」とあわてて買いに行ったのですが、すみません、まだ十月だったね……うちの近所に入荷してるわけなかったね!
 そんな近所の本屋さんも、来月には閉店です。泣ける。
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2007年10月29日

鎖衣カドルト

 たしか『架カル空ノ音』の2巻を読んだときにも書いた気がしますが(確認したら、やっぱり書いてました)。

スゴイからみんな読め。


 って感じでごわした。

 舞台は、なんとなく中世くらいかな? の架空の国。その国――鎖の国では、「鎖衣」たちが人々の心を支えています。倫理、道徳、罪悪、刑罰の法を鎖にたとえ、その鎖を実際に身にまとうことで「鎖」を体現しているのが「鎖衣」ということ。宗教なんだけど神はおらず、むしろ哲学という感じ?
 主人公のカドルトは、そうした鎖衣の中でもウジウジと「自分は生きている資格がない」的な悩みかたをするタイプで(だからこういうウジウジが駄目な人は、ひょっとすると作品全体が苦手かなという危惧はあります)、しかし日々スラムの住民たちに教えをたれ、ひょっとするとかれらの心を救っている人物。そのカドルトを見守る位置に、スラム出身の鎖騎士輔ラダンがいて、単純明快かつ前向きに引っ張ってくれたり救ってくれたり。

 まあ、これだけでもいいんですが後半が。鎖の教えとはまったく違う宗教を奉じる水の国の民の神巫との出会いと対話が!
 この漫画家さんは、カルチャー・ギャップを描かせたら凄い!
 いやもう素直に感嘆しました。素晴らしい。
 やっぱり、

スゴイからみんな読め。


 これしかないっす。押忍!
鎖衣カドルト

著者名:吟鳥子(著)
出版社:新書館
出版年:2007.10
ISBN :9784403618833
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2007年10月28日

読了メモ:狼と香辛料 5

 これも積んであった第5巻です。ブログ名にふさわしく、積読山脈がいかに高く長くのびているかを婉曲に物語る展開の昨今ですが、読めた本はまだいい方で、単に積んであるものがなんと気が遠くなるほどがっちりと築かれていることか! わたしは本が大好きですが、たまに一冊残らず売り飛ばしたら爽快だろうなと夢想することがあります。

 まあ、それはそれとして本題。

 いつものように、いちゃいちゃしつつ、ロレンスが欲をかいて危ない儲け話に手を出し……な展開です。鉄板で「いつも通り」楽しめます。すごいことです。
 ですので、ロレンスとホロの親密なやりとり――いかに相手に恥ずかしいことをいわせるかが勝負のポイントかも?――が好きな人なら、無条件で買いでしょう。
 ただ、ホロがちょっと湿っぽいかなぁ。親密度が上がるほど、先のことを考えてせつなくなるのはわかりますが、ホロは人間じゃないので、もう少し「人外」っぽくあってほしいです。でもこれはマニアックな要望なので、無視した方が(わたし以外の多くの人にとって)よい結果が出ると思われます。

 いよいよホロの故郷に近づいていることだし、昔話や神話っぽいエピソードがもっと出てくるのかと期待していたのですが、予測より軽く終わってしまいまったのも、ちょっと残念。でもこれもマニアック(以下同文)
狼と香辛料 5

著者名:支倉凍砂(著)
出版社:メディアワークス
出版年:2007.08
ISBN :9784840239332

本家サイト感想文一覧 63870 支倉凍砂
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2007年10月27日

読了メモ:ドラッケンフェルズ

 あのキム・ニューマンの別名儀での、あのジュヌヴィエーヴものと聞いて勢いこんで買ってきたのに積んでありました。最近こんなのばっかりです。

 ともあれ、読みました。これが(たぶん)初長編作品って、なんておそろしい……。
 構成がたくみで、読ませます。
 ただ、その構成のうま過ぎるのが裏目に出て、いかにも「こういう筋書きにするために出したキャラクター」って感じに見える人物が何人かいるように感じられてしまったことは、残念でした。

 ひょっとすると、わたしの読みかたがいけないのかもしれないです。もっと無心に、物語にまかせようよ! と、最近よく思います。
ドラッケンフェルズ

著者名:ジャック・ヨーヴィル(著)
待兼音二郎(訳)
出版社:ホビージャパン
出版年:2007.09
ISBN :9784894256033

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2007年10月26日

献本御礼&読了メモ:鋼鉄三国志 六駿夜曲

 コナミデジタルエンタテインメントのK山さん(わたしが異説書いてたときの担当さんです)から送っていただきました。ありがとうございます。異説のときは、お世話になりました!

 二冊目はお引き受けできなかったので、申しわけなく思っていたのですが、無事に出たようで、まずはなにより。
 今回も短編集で、一作目が陸遜と諸葛瑾をフィーチャーして山越討伐、二作目が太史慈と呂蒙で「男子三日会わざれば……」という有名な話、三作目が甘寧と凌統に焦点をあてた合肥の戦い(大ジャンプあり)と、史実とからめた内容になっていてびっくりしました。
 びっくりというのは、本編展開中の時制に、史実をねじこんでくるとは思わなかったので……びっくりです。
(わたしがかなり自由に書かせていただけたのは、あくまで前史を題材にしてこそ、ですから)
 力作だと思います。アニメの六駿ファンのかたは、是非。

 イラストは、異説からひきつづき、こときさんの担当で、とても繊細で美しいです。最後に、若き日の孫家の兄弟と周瑜のカットが載っていたのも嬉しいおどろき。ちび孫権がかわいいのは当然として、若孫策と若周瑜も! かわいいなぁぁぁ、と語尾をのばしたくなるくらいです。なかなか、この人たちの幸せそうなカットというのは見られないので、ファン必見。
鋼鉄三国志〜六駿夜曲

著者名:大代タカラ(著)
出版社:コナミデジタルエンタテインメント
出版年:2007.10
ISBN :9784861551840
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2007年10月25日

献本御礼:伝説の森

 いつもありがとうございます。つい先だって、『女王の矢』の新訳も刊行され、今わりとアツい作家なのではないか? と思われる、ラッキーのヴァルデマール・シリーズ。その〈ヴァルデマールの風〉の、最終巻となるようです。

 自分の原稿が超! 詰まってる状態なので、ちょっとファンタジー読みづらく。いただいたまま積んであるのですが、早めに読みたいなあ。どうなるのか、楽しみです。
伝説の森 上

著者名:マーセデス・ラッキー(著)
山口緑(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2007.10
ISBN :9784488577100
伝説の森 下

著者名:マーセデス・ラッキー(著)
山口緑(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2007.10
ISBN :9784488577117

本家サイト感想文一覧 63870 マーセデス・ラッキー

 うーん、感想文一覧が寂しいなぁ。たぶん邦訳ぜんぶ読んでるんですけど……。
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2007年10月23日

ヴィンランド・サガ 5巻

 先がどうなるかさっぱり読めない「野蛮人」たちの物語、『ヴィンランド・サガ』第五巻です。
 トルケル、登場時から無茶苦茶ですが、相変わらず凄過ぎます。素晴らしい。出会いたくないけど。
 彼と比べれば、アシェラッドの方が理解しやすいくらいで……。でも彼にも出会いたくない。
 出会っても大丈夫そうなのは、王子様くらい?

 その王子様も、いろいろと大変なことになっておりますが、……これ巻末の時点でいちばん困ったことになってるのって、誰なんだろう。なまじ理性的だから、実はアシェラッドがいちばん困っているのかもしれません。
 まったくこいつらときたら! ですよね。状況的に。

 トルケルやトルフィンは、「ぶっ倒すずぇー!」という基本原理に従って動いているだけなので、現時点で自分が戦いたい相手は誰かということさえはっきりしていれば、どんな苦境でもそう困惑はしなさそうなんですよね。
 それが決められないときは、トルフィンなら困りそう。トルケルなら、困らずに突き進みそう……。

 偏見でしょうか。
ヴィンランド・サガ 5

著者名:幸村誠(著)
出版社:講談社
出版年:2007.10
ISBN :9784063144734
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読了メモ:八幡神と神仏習合

 なぜ、この本を読もうと思ったのか……実はよく覚えていないのですが、ネット書店でお勧めされてしまったのかもしれません。そういや「八幡様」ってよく見るけど、どんな神様なのか知らないよなぁ、と思ったのは確実。

 著者の説によれば、八幡神とは大陸、新羅から渡来した人々が奉じていた神で、仏教(ことに弥勒寺)の影響が強く、神仏習合を進めようとする朝廷・豪族のニーズに合致。鎮護国家の任を担い、神社と寺院の融合した姿を現出せしめ、全国に広まった……ものの、明治の廃仏毀釈のせいで今に残る八幡宮には、当時の「寺」の面影はない、という感じですか。ものすごく、ざっとまとめただけですが。

 かなり興味深く読めました。今まであまり知らなかったことが多いので、おもしろかったです。
 ただ、どの神様(を信仰する集団)だって鎮護国家の神となり、朝廷と直結の関係になりたかったと思うのに、八幡神がなぜそこまで成功したのか、には少し疑問が残るかな。他の神との比較がないので、しかたないのですけど。
 それと、元寇が大きな影響を与えたに違いないという指摘をした、博物館の展示と図録をほめているのに、それについての説明がほとんどないのも、ちょっと残念でした。ものを知っている人であれば「元寇が影響を与えた」だけ見て、ああなるほど! と納得できるということなんだろうな、と、あとで思いましたけど。
 読んでいたときは、えーなんでー、なんで説明ないの! と。
八幡神と神仏習合

著者名:逵日出典(著)
出版社:講談社
出版年:2007.08
ISBN :9784062879040

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2007年10月20日

魔法先生ネギま! 20

 これも新刊が出ていたので買いました。
 もっとさくさく話を進めてくれないと本筋を忘れるがな……と思わなくもありませんが、この寄り道の多さが『ネギま!』の良さ……なんでしょうか。うーん。やっぱり、もうちょっとさくさく進んで欲しい。
 修学旅行状態の冒頭からしばらくは、いいから先に行こうよ〜、と思いながら読んでしまいました。
 でも、こういうのが好きで楽しみにしてるファンもいるんだろうから、しかたないですね。

 ネギの幼馴染みが登場して大活躍ですが、幼馴染み属性が自分にとってかなり重要だとわかった昨今、わたしはこの子を応援すべきなのでしょうか。
 いやしかし……悩む。←悩むのか!
 そして、すんごい引きで終わっててびっくりです。こ、こんなとこで引き!? ひどい〜。そんな殺生な〜。
 うっかり「殺生な」と書いてしまいましたが、こんな表現、最近は滅多に使わないよなあ。「なにっ、誰かキャラが死んだのか」と勘違いされそうな字面です。「せっしょう」で辞書をひくと、名詞・形容動詞で載っていました。用例に「そんな殺生な」もありました(ご参考までに、調べたのは『小学館日本語新辞典』)。
 まあ勘違いされたとしても、当たらずといえども遠からず……と、いえなくもないのですが。
魔法先生ネギま! 20

著者名:赤松健(著)
出版社:講談社
出版年:2007.10
ISBN :9784063638981
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結界師 18

『結界師』も、もう18巻か〜。少年漫画ってほんとに長いの多いですね。

 前巻の神佑地の話に決着がつき、つづいて夜行の裏切り者の話とか、閃が烏森に派遣されて、チョウチョがどーん! です。
 ……ネタバレにならないようにしつつ、あとで見返したときに「どんな話だっけ?」がわかるようにしたいと思ってメモしているのですが、意味不明過ぎるかもしれません。

 今回は、「あんたその内、“頭領”じゃなくて“糖尿”って呼ばれるわよ」が、油断していたところにスマッシュ・ヒット。吹きました。
結界師 18

著者名:田辺イエロウ(著)
出版社:小学館
出版年:2007.10
ISBN :9784091212054
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2007年10月19日

しゃにむにGO 27

 いよいよ延っちと留宇衣様の最後のIHですねー。というわけで、単行本ももう27巻です。

 最初の1/4スペースで、人間関係をまずかたづけていくので試合を期待している人はちょっと待ってね、とあったので、あれー、試合シーン少ないのかなと思ったらとんでもない。
 伊出 VS 佐世古戦が、がっつりありましたよ! やっぱり試合シーン、いいなあ!

 このシリーズは、人間関係の緻密な描きかたも、もちろん魅力なんですけど(こういうのは少年漫画じゃないだろうな、という繊細な描写と気の回しかたは、やっぱり少女漫画っていいな! と思います)、実際にプレイしている場面もまたいいんですよねぇ。
 この両輪の魅力で、ぐいぐいとストーリーが回っていくのですから、おもしろくないはずがありません。
 個人戦はどうなるのかな。続刊が、楽しみです。
しゃにむにGO 27

著者名:羅川真里茂(著)
出版社:白泉社
出版年:2007.10
ISBN :9784592183679
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読了メモ:ブータンの民話

 ブータンは、中国とインドという大国に挟まれた小国で、高山の国というイメージと、『地球ドラマチック』で見た、ブータンを一輪車で旅行したフィルムの知識くらいしかないのですが、気になる国です。
 たぶん、その名前をはじめて「認識した」のは、大阪で開かれた『花博』の会場でしょう。高山に咲く青いケシを出展していたのがブータン王国で、国王からのメッセージが書かれたパネルを読んで、なんだかすごく感心したことを覚えています……肝心の感心した文章の内容をすっかり忘れているのは、いかにも自分仕様。

 という感じに、気になるブータンの民話の本をみかけたので、読んでみました。

 かなり、おもしろかったです。
 昔話の類型を、はずしてくるんですよ。

 たとえば、「○○してはいけませんよ」というお話は、ふつう、かならず主人公がその禁を破って、その結果不幸せになる(あるいはその不幸せ状態から脱するために試練を受ける)という展開になるわけですが、……そうならないんですよ!
 びっくりしました。

 あと、「王様の耳はロバの耳」の話や、これは「ヘンゼルとグレーテル」の変形だろうって話が入っていたりして、そのへんも興味深いです。ちぎったパンじゃなくて、道ばたに盛った米をたどっていくんですけど……米を盛るのか!
ブータンの民話

著者名:クスム・クマリ・カプール(編著)
林祥子(訳)
出版社:恒文社
出版年:1997.05
ISBN :9784770409331

 データ確認していて気がついたのですが、編著者名の表記に揺れが。本文の、訳者あとがきやおくづけは「クスム」なのに、本のカバー(二か所)は「クムス」なんですよ。これ、カバーのミスでしょうねぇ……ほんつなのデータでも「クスム」ですし、おくづけの原著表記でも「Kusumu」だからなぁ。

本家サイト感想文一覧 63870 クスム・クマリ・カプール
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2007年10月18日

小さな中国のお針子、NHK-BSで放映

 なにげなくBSシネマオンラインを見ていて気がつきました。『小さな中国のお針子』を、今月24日の午後九時からNHK-BSで放映するようです。原作は文庫化された『パルザックと小さな中国のお針子』ですね。
 これはぜひ映像で見てみたいと思っていたので、忘れないようにせねば。

 長文感想 63870バルザックと小さな中国のお針子
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2007年10月14日

献本御礼&読了メモ:スイート スイーツ ショコラ

 ゆうきりんさんの新刊です。いつもいつも、ほんとうにありがとうございます。まだデータが入っていないようなので、例によって気がついたところで追加します。[※2007-10-17 追加しました]

 主人公はショコラティエの女性です。いろいろしがらみを抱えている社会人、28歳。
「いつかすてきなショコラティエになるんだ♪」みたいな状況ではなく、すでにパティシエとして何年も勤めているのですよ。
 もちろん、目標は高いのです。かつて彼女を感動させたようなショコラを、自分がつくって、誰かに食べてもらうこと……なんだけど、現実の世界は厳しいのですよ……。頑固な店主。厳しい経営状況。

 結局、与えられた条件で最良の結果を出す、くらいしか現場の人間にはできないんですけど、そうしてできた「商品」を評価する側は「与えられた条件」なんて前提は斟酌してくれません。ほんとうにつくりたいのは、これじゃない。望んでやってるわけじゃない……というのも自分へのいいわけに感じられてしまう日々。これはつらい。
 感情移入し過ぎて、主人公といっしょに胃が痛くなりそうでした。
 ああ、でも胃が痛くても最後のムースは食べてみたい……。

 主役のこだわりはショコラにありますが、切り替わっていく視点人物もまた、それぞれ「食」にこだわりのある人々なので、ステーキ、精進料理、地鶏唐揚げ、石焼き芋、ハンブルク・ステーキ……などなど、いろいろな食べ物がでてきます。空腹時の読書は危険かと思われます!
スイ〜トスイ〜ツショコラ

著者名:ゆうきりん(著)
出版社:徳間書店
出版年:2007.10
ISBN :9784198624200

本家サイト感想文一覧 63870 ゆうきりん
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2007年10月13日

産経新聞に書評が載りました

 産経新聞の2007-10-01版に、書評を掲載していただきました。
 拙著が評されたのではなく、わたしが書評する側です。はい。

 現在、msn産経ニュースでお読みいただけます。
 63870うちの一階には鬼がいる!』書評@msn産経ニュース

 この文字数で内容と魅力をまとめるの、すごく大変ですね……。今まで読み流していた新聞の書評欄に、あらためて注目しそうです。

 字数制限など考えず、自分の感想だけを書き散らしている本家サイトの感想と比べると、……短文の方がいいかもしれません。むむむむむ。
 63870うちの一階には鬼がいる!』感想@うさぎ屋本舗読書録
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2007年10月11日

読了メモ:響け、世界を統べる唄

 シリーズ〈幻獣降臨譚〉の六冊目です。速いです。読むのが追いつきません。

 舞台が王都へと移動し、幼馴染みその2であるライルの出番が増えました。その1のディクスが、なんだかボタンをかけ違えた方向に突っ走っているので、ライルには正統派な感じで頑張ってほしいです。いやでもディクスこそが実は最初に「この世界の変な理由」に辿り着く可能性もあるんだけど。
 だけどでもなぁ……やっぱり、かけ違えてるよな。

 どうやら、自分でもあまり意識していなかった「幼馴染み属性」(意識したのは、たぶん『空ノ鐘の響く惑星で』が、きっかけです……ああ、あれも脱落してあと二冊だか三冊だかを読めていない! 本はいったいどこにあるんだ)が、かなり重要なポイントみたいですよ。
 もちろん王子様属性も重要ポイントなのですが、シェナンは初々しくてかわいいなぁ!
 ライルもシェナンも黒くならないでほしいと思います。切実に。

「黒くならないでほしい」で感想を〆る乙女向け小説っていうのも、独特だなぁ。
響け、世界を統べる唄

著者名:本宮ことは(著)
出版社:講談社
出版年:2007.08
ISBN :9784062559812

本家サイト感想文一覧 63870 本宮ことは
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読了メモ:バガヴァッド・ギーター

 原典訳かと勘違いして買ったら解説書だったという……でもせっかく買ったので読みました。先日『インド神話』を読んだ上村勝彦さんの本です。

 アルジュナ(というと、どうしてもアニメ『地球少女』を思いだしてしまうんですが)が戦いに迷ったとき、それを諭すクリシュナ……という、教祖様どころかご本尊みずから「わたしを信じればいいことありますよ〜」という教えをたれてくださる、そういう展開のお話です。
 下敷きとなっている物語では、アルジュナは英雄戦士なのですが、血をわけた一族と戦わねばならず、躊躇しているわけです。それを、「おまえのやるべきことなんだから、やっとけや」と叱咤激励する役がクリシュナ。
 仏教と対照させての説明が多く、日本人にもわかりやすい……といいたいところなんですけど、どうなのかなあ。最近の日本人、仏教をどれくらい知ってるんでしょうね? わたしも勉強しないとなー、とたまに思います。
 勉強しなきゃいけないこと多過ぎです。

 解説は、著者である上村氏の早逝を悼み、その学業を讃える文章となっております。淡々としているのですが、惜しむ気もちを共有したくなるような内容でした。
バガヴァッド・ギーターの世界

著者名:上村勝彦(著)
出版社:筑摩書房
出版年:2007.07
ISBN :9784480090874

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2007年10月09日

天空聖龍 4

 買いました。読みました。今回は、封じられていた過去のいきさつ。
 もうひとりの子どもはどうなっていたのか、という話とか。

 かなり悲惨な境遇で育てられていますから、ああなるのも仕方ないとは思います。そう思ってしまうと、哀しい話ですけど……このあと、どうなるのかなぁ。
天空聖龍 4

著者名:山口美由紀(著)
出版社:白泉社
出版年:2007.10
ISBN :9784592182948
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2007年10月08日

読了メモ:初冬の宴〈風の王国〉

 ずいぶん積んだままになっていましたが、山脈に沈みきる前に、なんとか読めました。チベットの国、吐蕃に嫁いだ唐の公主を主人公にした、〈風の王国〉。本編は、久々だなぁと感じられます。

 翠蘭の懐妊で周囲の見方も変わり、彼女になついているラセルがいろいろと悩んでしまう展開は、心が痛みます。ラセル頑張れ。ものすごく頑張れ。そう念じていたので最後の展開はこう……なんといえばいいのか、こう!
 こんなところで引くのですかー! うわー。どうなってしまうのでしょう、この先。
風の王国初冬の宴

著者名:毛利志生子(著)
出版社:集英社
出版年:2007.08
ISBN :9784086010641

本家サイト感想文一覧 63870 毛利志生子
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2007年10月07日

読了メモ:ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと大いなる賭け

 新刊を新刊らしい時期に読んでいる自分にちょっとびっくりです。

 さて、今回ですが……本を読み終えるころには、わたしはこうつぶやいておりました。

 
乙女の敵!


 ……と。

 いやぁ。だって! だって! だってだって!
 なんて感じで叫びたくなりながら徹夜で本を読んでいたわたしは本日外出したので昼寝ができずに苦しんでおります。この苦しさは恋なのかしら。たぶん違います。ほんとにもう!
恋のドレスと大いなる賭け

著者名:青木祐子(著)
出版社:集英社
出版年:2007.10
ISBN :9784086010801

本家サイト感想文一覧 63870 青木祐子
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2007年10月06日

読了メモ:ハトの大研究

 子どもと図書館に行ったときに、目についたので借りてきました。最近、ネット書店のオススメ本リストに盛んに入って来ていたので、気になっていたのです。たぶん『伝書鳩 もうひとつのIT』が購入履歴にあるからでしょう。
 長文感想 63870伝書鳩 もうひとつのIT

 で、読んでみたところ、これが子ども向けとはいえあなどれない出来。コンパクトな文字数でよくまとまっていて、実にていねいな仕事だなぁと感心させられました。

 もちろん、先述の『伝書鳩 もうひとつのIT』とかさなる内容も多いのですが、あちらが伝書鳩に焦点をあわせているのに対して、こちらはもっと網羅的に「ハト」をとりあげています。野生の鳩も含みます。なにしろ大磯に海水を飲みにくるハトがいるなんて、知りませんでした。大磯のアオバトについては、【こまたんアオバト探検隊】の調査で、いろいろなことがわかってきたとのこと。
 アオバト、見てみたいなぁ。大磯に行ってみようかな、という気分にさせられる本です……ちょっと遅かったなぁ。今年のシーズンはもう終わっているみたい。

 NintendoDSのゲームソフト『おいでよどうぶつの森』プレーヤーにはお馴染み、ピジョンミルクの正体についても詳しい解説がありますよ。
ハトの大研究

著者名:国松俊英(著)
関口シュン(画)
出版社:PHP研究所
出版年:2005.03
ISBN :9784569685359
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2007年10月05日

クレイモア 13

 レジ前にダーンと積んであったので、気がついて買ってきました。クレイモア、アニメも一回くらい見ようとおもっていたのにすっかり忘れておりました。

 さて、「これまでのお話」をだいたい忘れ去っているのはいつものことなので、読みながらなんとか思いだすのです。なんとか思いだしましたが、ガラテアって誰だっけ……名前には覚えがあるのに、ではどんなキャラクターだったかというとサッパリなので、あとで本部屋で既刊をあさらないと。

 そして今回は番外編が二作、おさめられています。読み終えるまでそれが番外だということに気がついておらず、なんだか混乱しました。読んでしまってから目次を見て「あっ」と思った次第。

 だって、つなぎがよすぎるじゃないですか……強い戦士を感じる……で切れたあと、次の話の冒頭でテレサ登場、ジャーン! たしかにテレサは強いけど、あれっ、時系列どうなってるの、いやそれより探してたのは違うキャラだよな、と混乱したわけです。アホ過ぎます。
 さすがにテレサは覚えていた、ということだけが救いです。
CLAYMORE 13

著者名:八木教広(著)
出版社:集英社
出版年:2007.10
ISBN :9784088744308

 ところで、いつもお世話になっている近所の書店さんのレジに、閉店の貼り紙がしてありました。来月ですって!
 えええええー。うちの近所に本屋がなくなる!
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2007年10月02日

読了メモ:流れよ、凍りし我が涙

 これも長らく積んでしまっておりました、〈幻獣降臨譚〉の五巻。えっ、もう五巻ですか。早いなぁ。

 買ったとき、ちょっと疲れてまして(気もちが)、複数のキャラクターが黒化する(つまり邪悪というか……いや表現ちょっと違うなぁ。まあ、置き換わる言葉がないからみんなが「黒」と表現するんだろうけど、敢えて言い換えを試みると「腹黒くなる」というか?)らしき展開について行けそうもなかったので、積んで。
 見失い。
 そしてようやく読みました。もう続刊が出ちゃってますよ。

 たしかに、評判通りにみなさん黒々しく……うわー。ちょっと辛過ぎる変化ですね、これは! とくにp.155とかp.217とか……もとから、少々あやういキャラクターとして描かれているのかなぁとは疑っていましたが、ここまでいくとは思いませんでした。

 変化の激しい近所の書店さんの少女小説コーナーですが、最近はホワイトハートがきれいサッパリとなくなってしまったので、続刊は近所では買えなくなってしまいました。といって、あれほど台を席巻していた(すごかったんですよ!)ルルルの隆盛がつづいているかというと、そうでもなく。諸行無常。
流れよ、凍りし我が涙

著者名:本宮ことは(著)
出版社:講談社
出版年:2007.04
ISBN :9784062559584

本家サイト感想文一覧 63870 本宮ことは
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2007年10月01日

お振るいあそばせ!

『罪と罰(全3巻)』『あの子の腕は虹の続き』で作家買い決定した鈴木有布子さんの短編集。基本的には独立した話の集まりですが、天使と悪魔(?)っぽい人たちが出てくる話だけは、対になっています。収録作は以下の通り。
  • お振るいあそばせ!
  • キリエの場合
  • ゆうなの場合
  • 夜明けまえ
  • ごめんあそばせ! 〜第一印象〜
  • ごめんあそばせ! 2 〜そんな2人のなれそめは〜
  • あとがき

 表題作は爽やかでラブリーな女子高生友情&恋愛ストーリー。かわいいなぁ、女の子たち!
「夜明けまえ」は、ちょっと不思議な公園の住人と、どうやら虐待に晒されているらしい女の子の交流の話で、……なんか不思議でした。不思議としか表現のしようがなく。

 初期作品集らしく、ああなるほど、と納得する部分もありますが、でもやっぱりこの作家さんはいいなぁ。今後も作家買いを継続したく思います。
お振るいあそばせ!

著者名:鈴木有布子(著)
出版社:新書館
出版年:2006.07
ISBN :9784403618406
posted by うさぎ屋 at 23:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画

棺担ぎのクロ 2

 そういえばこの本屋は床面積の割に漫画の品揃えがけっこうよかったはず……という本屋に立ち寄る機会があったので、探してみましたところ、発見! 一巻は、そのとき同行していた知人に布教して買わせました。スミマセン。でもきっとおもしろいから!

 というわけで、ひきつづき飄々としたギャグ+シビアな過去+ほのぼのした旅路を楽しむ、ふしぎな漫画の第二巻です。
 今回はその「シビアな過去」に重点が置かれ、時間が多少……いや、かなり前後します。それで、ちょっと混乱するのですが(おまえが言うなスペシャル炸裂中。す、すみません)、でも面白かった〜!

 この本の欠点をひとつだけ挙げるとすれば、一年に一冊のペースでしか単行本が出ないことでしょうか……。
棺担ぎのクロ。〜懐中旅話 2

著者名:きゆづきさとこ(著)
出版社:芳文社
出版年:2007.06
ISBN :9784832276345
posted by うさぎ屋 at 23:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画