2007年07月31日

読了メモ:ドラゴンと愚者

 FT文庫、久々に読むような……。父の暴力を逃れるため、愚鈍なふりをしていた若者が、父の死で突然その領主の位を継ぐことになるが、それは彼も知らなかったその城の秘密、城自体と結びついた強力な魔法使いを下僕として手に入れることと同義だった、というお話。

 あまり期待せずに読んだせいか、かなりおもしろかったです。
 欠点をいえば、これだけ分厚いのになぜか「あらすじっぽいなぁ」と感じてしまうことくらいでしょうか。あと、主人公が(その生い立ちからすれば仕方のないこととはいえ)、自分の能力を隠し過ぎるのが、たまに苛つきます。
 とくに終盤、なんでオレグにまで真意を隠さなきゃならないのかわからないと思いましたが、話の先がどうなるのか知りたくて読み急いだので、なにか重要な描写を飛ばしちゃったのかも? うーん。

 でもとにかく、ドラゴンと魔法の物語がお好きならば、とりあえず読んでみては? とは言いたくなる作品です。

 解説によれば、著者はビジョルドのヴォルコシガン・サーガがお好きだとか。うわー、わかるなぁ! そうかそうか、と読み終えてから納得しました。
ドラゴンと愚者

著者名:パトリシア・ブリッグズ(著)
月岡小穂(訳)
出版社:早川書房
出版年:2007.07
ISBN :9784150204464

本家サイト感想文一覧 63870 パトリシア・ブリッグズ
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英訳版『秘神界』完結

 今までにも何回かご紹介しましたクトゥルー神話アンソロジー『秘神界』英訳版ですが、ついに完結とのこと。
 最終巻のタイトル『City of the Dreaming God』は、拙作「夢見る神の都」から取っていただけたようです。ちょっとびっくりドッキリでございます。

 ISBNは「978-4902075144」、日本アマゾンでも取り扱っているようです。
 英語に自信のあるかたも、夏休みだからちょっとペーパーバックでも読んでみるかというかたも、ぜひどうぞ……と言いたいところですが、すっごいお値段なのでちょっと勧めづらいですね。

 どう翻訳されているのか興味があるので、わたしも読んでみたいと思います。
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2007年07月30日

読了メモ:驚異の発明家の形見函(下)

 ちびちび読めばいいや、と思っていたにもかかわらず、下巻は一気読みでした。勢いついたので、ディテールを読み逃してしまっているかもしれません。もったいない。

 そう、「もったいない」と思えるほど、ディテールに凝った作品です。なんとなくどこかで聞き覚え(読み覚え?)があるな、という名称が、さらっと出てきては消えていきます。周到にリサーチし尽くして書いたんだろうなあ、と思わされる、そのさりげない情報量こそが、本書の魅力の根幹をなしているのだろうな、と思いました。
 あるいは、そうやってさらりと見えたものから、どこまでを知り、考えることができるか。
 それこそが、形見函の世界です。

 戯画的なキャラクターの描きぶりになにか覚えがあるなと思っていたのですが、解説を読んで、ああそうか、と思いました。ディケンズだ!
驚異の発明家の形見函 下

著者名:アレン・カーズワイル(著)
大島豊(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2007.06
ISBN :9784488519032

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2007年07月29日

イムリ 1〜2

 評判良さげだったのと、同じ著者の本を前から買おうかどうしようか迷っていたので、購入してみました。まだ話は完結していません。

 古き善きSF漫画(帯には「ファンタジー」と書かれていますが、オレ分類ではSFとなります。社会的にどう分類されるかとは関係のないあたりで。一般的にはファンタジーだよと言われれば、まぁそうかもなぁ、とも思いますし、この先わたしの分類も変わる可能性がもありそうですが……)、という読み味でした。
 うーん、どう言えばいいのか……少し前の佐藤史生や萩尾望都あたりの作品を連想させられる、とでも表現すればよいでしょうか。少しじゃなくて、かなり前、かなあ。若い人には通じない喩えかもしれませんね、すみません。

 社会とか歴史とか、大きな枠組みのどうしようもない流れの中で、特異な力を持った個人が否応なく流され、頑張らされ……と大雑把に語ってしまうと、大雑把過ぎて、なぜそのあたりを連想したのかが説明できなくなってしまうなあ。どう説明すればいいんだ。

 頭を抱えつつ、しかしこう、なんかおもしろい世界を見せてもらった、という感触は、たしかに残りました。
 異界、異文明等が好きな人には、オススメです。

 しかし、BEAM は良いレーベルですよね。作家の独自性を出させようという意欲が、編集側に見られるように感じます。
イムリ 1

著者名:三宅乱丈(著)
出版社:エンターブレイン
出版年:2007.07
ISBN :9784757736368
イムリ 2

著者名:三宅乱丈(著)
出版社:エンターブレイン
出版年:2007.07
ISBN :9784757736375
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2007年07月28日

読了メモ:驚異の発明家の形見函(上)

 我が家では児童書の方を先に読んでいたのですが、邦訳はこちらが先、作家の名前を高めたのもこちらが先、表四の説明によればデビュー作……という本作が文庫化されたので、購入。積んであったのを、ようやく読みはじめました。

 調子がよければ二冊一気読みだと思うのですが、どうもまだ調子が合わず。話が「うわぁ、それは不幸なめにあうに違いないからやめようよ」という方向に進むととたんに読みたくなくなってしまうという……そんなに疲れてるのか、自分。
 うーん。しかしとにかく、上巻は読み終えました。

 物語は1983年パリのオークションから一転、1780年の片田舎へ。謎の古物の来歴を求めて語り手が辿り着いたのは、ひとりの少年。彼の落書き帳に示される観察力と構図、描写力を変わり者の領主に評価され、その荘館に住みこむことに。百科全書の夢想に生きているかのような風変わりな領主に教え導かれ、少年は美術的のみならずその機械細工の才能を伸ばしていくことに……しかし!
 このしかしから先が「うわ、そっちは行っちゃ駄目」な展開なので、つらかったです。
 でも、おもしろいかどうかで言えば、文句なくおもしろいですよ。下巻も、じっくり読ませてもらうつもりです。あわてる必要など、どこにもないのだし。
驚異の発明家の形見函 上

著者名:アレン・カーズワイル(著)
大島豊(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2007.06
ISBN :9784488519025

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2007年07月26日

ヒストリエ 4

 困りました。前の話をさっぱり覚えていません。
 家人が読もうとして、わたしと同じくさっぱりわからん状態だと言い、本部屋からなんと1〜2巻を掘り出して来ました。やるなぁ。でも3巻がない。
 ひょっとして3巻は買っていないのかも……というか、あとで1〜2巻を読み返してみないとなあ。

 ほんとうに前の話が思いだせないんですよ!
 でも4巻単体でもおもしろかったです。
 知略と度胸と侠気というか度量の広さというかなんというかで、自分が滞在していた村落に訪れた政治・軍事的(おもに後者)危機を乗り越えられるのか、というお話。
 幸せになるのって難しいよね、なんてことを考えさせられてしまいました。

 人とは、さほどに社会的な生き物であることよ。
ヒストリエ 4
著者名:岩明均(著)
出版社:講談社
出版年:2007.07
ISBN :9784063144604
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2007年07月25日

ロビン・ホブ氏来日

〈ファーシーアの一族〉シリーズ(『騎士の息子』『帝王の陰謀』『真実の帰還』)の著者、ロビン・ホブ氏がワールドコンに来日なさることが決定したそうです。おー。

 わたしはワールドコンには出席できないのですが、知人が(お名前を出していいか確認するのを失念していたのでとりあえず伏せておきますが、作家さんです)ロビン・ホブ氏をお招きしたパネルを企画するとのこと。
 せっかくなので、〈ファーシーアの一族〉を愛読なさっているかたから、著者へのご質問等があれば、直接お伝えしたいですね……というお話をしまして、まずは拙ブログで募集してみることに。

とりあえず、ロビン・ホブ氏への質問を大募集!


 あまり直前ですと、わたしからパネル参加者への質問事項受け渡しができなくなりますので、お早めにコメント・トラックバック等でお送りいただければ、と思います。
 コメントやトラバは使いづらいというかたのために、メール送信用のフォームも用意してみました。

 申しわけありませんが、できればお返事が必要な内容はお控えくださいませ。最近、自分の事務処理能力にまったく自信が持てないのです。

 ちょっと働くとすぐ倒れてしまう、この虚弱さをなんとかせねばなぁ……。

[2007-08-22追記:受付締め切りました。これにともない、メール送信用フォームも撤去いたしました。ご協力くださり、ありがとうございました!]

[2007-09-07追記:本家サイトに ロビン・ホブ氏にご回答いただきました というエントリを掲載しました。どうぞご覧くださいませ]
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2007年07月22日

読了メモ:モンスターズ・イン・パラダイス 2

 発掘したので読みました。出てすぐ買ってあったんですが……「神話的人類」、すなわち吸血鬼やケンタウロスやサイレンといった人でないながら人と共通の特徴を有する種族が、まがりなりにも共存している世界を舞台にしたシリーズもの。

 ラディカルというか……ふだんはそこにあるとすら意識できない既成観念を崩してかかる、というか。そういう姿勢で書かれているなあ、と感じました。
 難しいことやりながら、キャラの軽妙なやりとりで、よく読ませているなぁ……と勝手に感心しました。なんか偉そうでスミマセン。

 警察ドラマで、法廷劇で、しかも社会派。実はものすごく堅いテーマを扱っていて、同時に「ヴァンパイアとは何か?」的な部分まで掘り下げようとしている意欲作なんじゃないでしょうか。

 なんてめんどくさい話はさておいて、今回わたくしの心をもぎとったのは、オーブレイ・デヴロー弁護士。かっこいいい! 女装しても男装してもステキ。ご本人は、男装はあまりお望みではなかったようですが。
モンスターズ・イン・パラダイス 2

著者名:縞田理理(著)
出版社:新書館
出版年:2007.05
ISBN :9784403541162

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2007年07月21日

献本御礼:パース塾&パース塾2

 著者の椎名さんにいただきました〜。ありがとうございます!

 内容は、タイトルそのまんま。パースのとりかたがわかる本です。マンガ的にキャラクターをまじえて説明する部分もあり、わかりやすい文章と図で、すっかりパースを理解した気分になれます。いや、ちゃんと練習しながら読めば、ほんとうに理解できると思いますよ。
 読んだだけじゃ駄目なんですよね、こういうのは……手を動かさないと。
 背景だけではありません。複数人物を配置したときの遠近感の表現とか、背の高さのあわせかたなんて、ほんとうに勉強になります。

 プロフィールを拝見してびっくり、もう十年以上教えてらっしゃるんですね……千代田工科芸術専門学校のマンガ科[2007-07-22訂正:アミューズメントメディア総合学院まんが学科、が現在の正しい名称だそうです。去年の方の御本のプロフィール欄を写してしまいました。申しわけない!]で、講師をなさっています。わたしが知遇を得たころは、『花とゆめ』の漫画家さんで、だから姉経由の知り合いかな。神宮球場に連れて行っていただいたり、野球観戦を何度かご一緒しました……なつかしいわ〜。当時のスワローズは、野村監督時代でしたねぇ。
パース塾

著者名:椎名見早子(著)
出版社:山海堂
出版年:2006.07
ISBN :9784381086051
パース塾 2 実践編

著者名:椎名見早子(著)
出版社:山海堂
出版年:2007.07
ISBN :9784381022905

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2007年07月20日

本屋の森のあかり 1

 あの『暴れん坊本屋さん』の番子さんが帯に推薦コピーを書いている本屋さんマンガ……というので興味津々、ずっと探していたのですが突如発見したので買ってみました。

 たしかに、コピーの通りに「ラブがあ」る本屋さんでした。
 主人公は地方支店から東京本店にやって来た女性店員で、姉御肌の上司、厭味で有能な同期、人間より本が好きな副店長などの人々に囲まれて、東京スピードに焦りながらなんとかついていこうと頑張り……ドジ、奮起、ほのぼの、といった事件が起きるお話。
 リアルな部分もあれば、妙にドリーミーな部分もあって、バランスがとれているようなそうでないような……。浮世離れしているかと思えば世知辛く、どっちに比重を置いて読んでいけばいいのかわからないこともありますが、やっぱり本が好きなので、なんとなく惹かれてしまう世界でもあります。
本屋の森のあかり 1

著者名:磯谷友紀(著)
出版社:講談社
出版年:2007.06
ISBN :9784063406535
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2007年07月19日

結界師 17

 どこで話終わってたんだっけ……と読みはじめたときに頭をひねりましたが、少し読んだところで思いだしました。
 そうだった、そうだった。良守が兄貴に呼び出されたところで終わってたんでした。

 デコにデッカい●ついた淡幽さまといい、でたらめに強い「不死身の無道」といい、ゲスト・キャラクターも魅力的でしたが、なんですかこのモノスゴイ兄弟相剋ー! いや相生か。
 正守とセットで出てくると、良守が妙にたよりなげな、コドモコドモしい表情を見せるのも、よいです。

 ただし、今回は時音ちゃんが出てこないので、ラヴ分はございません。でも面白かったー。面白かったと過去形にしてはいけないんですが……話まだ終わってないし。兄貴どーすんの!?
結界師 17

著者名:田辺イエロウ(著)
出版社:小学館
出版年:2007.07
ISBN :9784091211507
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魔法先生ネギま! 19

 ちょっと遅れましたが買いました、読みました。
 実写ドラマ化されるんですね。かわいい女の子てんこもりの画面になるんでしょうなぁ。
 ……ネギ先生は誰が演じるんだろう。ものすごい大変な気が。

 などという外野の心配はともかく、もう19巻ですね。冒頭からアスナさんの秘密の過去とかチラチラ出てきて、エヴァンジェリンが微妙な言動を見せてくれたり。「準備期間」という巻かな。
 20巻では出発するんでしょうか? 逆に、誰か到着してるところで引きなんですが……。
魔法先生ネギま! 19

著者名:赤松健(著)
出版社:講談社
出版年:2007.07
ISBN :9784063638509
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2007年07月17日

読了メモ:日本の古代語を探る

 サブタイトルは、「詩学への道」。西郷信綱氏の著作はもっと読んでおきたいなと思っていたので、買ってみた一冊です。古事記注釈にしようかとも思ったのですが、あれは巻数があるからまた今度、ということで。

 エッセイ集、というとあまりに軽く響いてしまいそうで怖いのですが、いくつかの「言葉」をテーマにした論考を集めた一冊といった趣き。
 それをいえば、前に読んだ『梁塵秘抄』も短い文章の寄せ集めではあるのですが、あれは『梁塵秘抄』だけを扱っていたから、また別かな? と思います。

 だからといって読みごたえがないわけではなく、読んでいくうちに、いままで想像もしなかった景色が目の前にあらわれてくるというか、そんな感じの一冊です。やはりこの人はすごい。

 特筆すべきは解説。編集者として西郷信綱氏に関わって云々と書かれており、編集のかた(本書の担当ではないようですが)の文章らしいのですが、「この人はそこに降り立っている」……これ、実にうまく「西郷信綱の魅力」を語り尽くしていると感じました。
 その言葉自体は「仏文学者で批評家のある人p.206」の発言だそうなのですが、「降り立っている」というのが如何なる意味を包含するかを、きれいに説明しているのです。そうそう、そうなんだよね〜、とうなずきたくなります。いい解説です。
 そしてまた、編集者が書き手にここまでの理解と愛情をそそげることも、すてきなことだな、と。思いました。

「龍澤武」というお名前でネット検索してみると、どうも平凡社の編集局長をつとめられたかたであるような? なるほど……さすが。

 先日再読した宮城谷氏の『晏子』の解説は、当時の担当編集者なる人物が書いていて、作家と作品を理解しようとする編集者のひたむきさが感じられたことを思いだしました。小説本文からの引用とそうでないところの区別が明確でないのを、なんとかすべきなんじゃないかと愚考しますが……でも、編集者がきちんと作品を愛してくれるというのは、やっぱり、すてきなことだと思います。
日本の古代語を探る

著者名:西郷信綱(著)
出版社:集英社
出版年:2005.03
ISBN :9784087202847

本家サイト感想文一覧 63870 西郷信綱
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2007年07月13日

献本御礼&読了:迷宮街輪舞曲2〜3

 2巻と3巻は同時刊行、マンガ版はこれで完結です。

 ウェブで公開されているバージョンとは、結末がまったく違います。
 同人誌購入時のおまけバージョン(でしたっけ? ちょっと記憶があやふやなのですが)のエピソードなども、多少は取り入れている感じかな?
 とにかく、最後は違う話になっているので、興味がある人は早めにお買い求めになるのがよろしいかと。

 わたしは近所の本屋にないよぅと泣いていたら、林さんにいただいてしまいました。いつもスミマセン……。

 漫画家さんは、日常の心情的なやりとりのシーンは悪くないのに、地下の戦闘シーンになるとグッと見せる力が落ちてしまうというか、なにが起きているか説明し尽くせていないのが、弱かったかなぁと。
 一般論としてですが、戦闘シーンは文字より絵の方が迫力が出せるはずなので、惜しかったなぁと思います。たぶん、林さんの原作と合ってないんですよね、方向性が。
 リアルさを追求する作風の人でないと(言うまでもないことですが、リアルを追求するばかりが善ではないですよ? 少なくとも、わたしはそう思っています)、原作と合わなかったんじゃないかなー、と思います。
迷宮街輪舞曲 2

著者名:結城さくや(著)
林亮介(原著)
出版社:一迅社
出版年:2007.08
ISBN :9784758060608
迷宮街輪舞曲 3

著者名:結城さくや(著)
林亮介(原著)
出版社:一迅社
出版年:2007.08
ISBN :9784758060615
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2007年07月12日

読了メモ:パイレーティカ(下)

 上巻に引き続き、読みおえました。

 全体に、どこか引き気味な視点から――たとえばこの物語全体が舞台劇にたとえられているように、どこか影のなかから演出家が見ているかのように――語られているので、ぐぐっと感情移入して読むという感じにはなりませんでした。
 やっぱり、舞台っぽいのかなあ。
 大道具小道具、さまざまに豪奢な装いを凝らしているけれども、でも舞台というその特殊な空間でしか力を持ち得ないというか……うまく説明できないな。
 下巻は一気読みしてしまったほどには、おもしろかったのですけど。

 とても映像が浮かびやすい話なので、映画で見てみたいなと少し思いましたが、その場合、フェリクス・フェニックスを誰が演じるのかという問題が……。プラチナブロンドの美青年で、誰でも彼に親切にしたくなっちゃうような物腰やわらかなトラブル・メーカー(本人の意図にかかわらず)って、難しそうです。キャスティングが。
パイレーティカ女海賊アートの冒険 下巻

著者名:タニス・リー(著)
築地誠子(訳)
出版社:小学館
出版年:2007.06
ISBN :9784094520187

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2007年07月11日

ビーグルにサインもらった

 ピーター・S・ビーグルですよ。『最後のユニコーン』の。『心地よく秘密めいたところ』の。『風のガリアード』の!
サイン画像

 洋書はほんつなでは書影が出ないので、あとで自分のサイトの方で本も含めて紹介しようと思いますが、いろいろやることてんこもりで「うーん、どれをやろう……決められない……とりあえずゲームするか」という駄目人間路線を辿っているので、「あとで」が限りなく後ろにズレる可能性が高い昨今です。

 米国留学中の堺三保氏が、アニメフェアにビーグルが来てる、サイン入れてるというので、お願いして買ってもらったのが、ハードカバーの『The Unicorn Sonata』。
 ビーグル自身は、DVD化されたアニメ『最後のユニコーン』のプロモーションで来ていたのではないか、とのことでした。

 ついでに、ビーグルがワールドコンで日本に来るという噂があったので、来るのって直撃インタビューしてもらったところ、まだわかんない、とのことだったようです。可能性ゼロじゃないぞ!

 洋書買っておもしろいのは、推薦の辞がカバーに印刷されていることですね。
 これはポール・アンダースン(『魔性の子』その他たくさん)、エレン・カシュナー(『吟遊詩人トーマス』とか)、MADELEINE L'ENGLE さんは、わからない(調べてみたところ、マデレイン・レングル、マデリーン・レングル表記で邦訳書ありみたい)……最後にデヴィッド・カッパーフィールド(マジシャン)が
"A Journey that's simply magic."

 と、イカス一文を寄せています。
 エレン・カシュナーはワールドコンに来ることが決定しているんじゃなかったかな。

 かなりしっかりした装丁のハードカバーで、中にもフルカラーの挿絵が多数入っていてびっくり。ISBNは「1-57036-288-2」となっております。
 訳本はこちらです。↓
ユニコーン・ソナタ

著者名:ピーターS.ビーグル(著)
井辻朱美(訳)
出版社:早川書房
出版年:1998.06
ISBN :9784152081667
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2007年07月10日

読了メモ:パイレーティカ 女海賊アートの冒険(上)

 タニス・リーなので買ってありました。

 ジュヴナイルというか、これは若い人向けに書いたものだろうなぁ、というのが伝わってきます。
 だからといってバカにしたとかそういう意味ではなく……ただ、読者をそこに想定して書いたんだろうなと感じただけなのですけど。なんと言えばいいのかなあ。

 ともかく、虚構が現実を侵蝕する話としてわたしは読みました。
 ヒロインであるアートの記憶が偽りの二乗であること(失われていた記憶が戻ってみたらそれは……とかいう仕掛けのことですが)、そして、この世界自体が微妙に我々の知る現実からズレていることも含めて、よくできた枠物語だと感じます。

 やっぱりタニス・リーだなぁと思わされる表現の細部も、楽しいです。
「朝が空の扉を開けた(p.166)」とか、「夜のかけらのように見える黒い船(p.195)」とか、ぱらぱらとページをめくっただけで、いいなぁと思う文章がみつかります。
 オウムが口走る「ピース・オブ・エイト」は、わたしの知る『宝島』では「八銀貨」と訳されていたので、「ペソ銀貨」とルビがふってあると、不思議な感じ。
パイレーティカ女海賊アートの冒険 上巻

著者名:タニス・リー(著)
築地誠子(訳)
出版社:小学館
出版年:2007.05
ISBN :9784094520071

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2007年07月09日

ワンピース 46巻

 すっかりどんな話だったか忘れているワンピースですが……毎回書いてる気がするなぁ。
 今回は、魔の海域に突入。幽霊船(?)と出会ったりします。
 出てきた人。いや人に限らないか……。
  • ブルック……紳士なガイコツ。ガイコツなのにアフロヘア。
  • ケルベロス……頭が三つある犬だが、三つの内一つはキツネ。
  • ドクトル・ホグバック……伝説の天才外科医。チョッパーは彼のファン。
  • ヒルドン……ドクトルに仕える? No.21。
  • シンドリー……お皿が大キライ。
  • ネガティブ・ゴースト……触れると鬱になる。
  • ゲッコー・モリア……七武海の一人
  • 大ケガしたじいさん……ゾンビのこともある。ゾンビじゃないのもいる。
  • 墓場のアブサロム……兵士ゾンビ・将軍ゾンビの指揮官。
  • ゴーストプリンセス、ペローナ……動物ゾンビ・びっくりゾンビの指揮官。

 これだけ書いておけば、続刊が出たとき自分の参考になるだろう!
ONE PIECE 巻46

著者名:尾田栄一郎(著)
出版社:集英社
出版年:2007.07
ISBN :9784088743820
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2007年07月02日

読了メモ:恋のドレスと運命の輪

〈ヴィクトリアン・ローズ・テーラー〉の最新刊。あちこちで感想を見かけたので、あわてて読みました。コバルトは、わりと安定して近所に入荷するようになったかもしれません。ただし、棚に並んだ既刊は乏しいです。

 今回は、自動車好きのアメリカ人と彼の婚約者がゲスト・カップル。実にいい感じにお似合いの二人なのに、いまひとつ浮かない雰囲気……というところへもってきて、自動車という共通点からメリケンさんがシャーロックに接近。礼儀を知らない単刀直入猪突猛進のメリケンさんに、さすがにシャーロックもふり回されがちな一本。
 もちろん、クリスとの「ええい、じれったいワー!」も健在です。ああじれったい。そこがいい。

 しかし、この先どうなるんでしょう。なんかいろいろ進展しそうでいて、なかなか進まない。しかも、仕立屋と侯爵の恋って先が読めない〜。うーん。
恋のドレスと運命の輪

著者名:青木祐子(著)
出版社:集英社
出版年:2007.06
ISBN :9784086010412

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 自分の仕事の方は、本日あとがきと初校チェック・リストを提出。提出してから読みました!
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読了メモ:晏子 3〜4(再読)

 全四巻なので、これでシリーズ読了です。
 確認したかったことは、確認できました。載っていなかったことがわかっただけなんですけど……まあそれはともかく、矮躯の名宰相、晏子の生涯をたどる後半二冊は、焦点が父晏弱から息子晏嬰に移ります。
 当時、容貌がすなわち人格に結びつくと考えられていた時代であったにもかかわらず、童子のような体格で一国の宰相までのぼりつめた晏子というのは、よほど特異な人だったのであろうと思われます。
 政権を巡る高位貴族の権力闘争から一歩退いて、つねに正道を歩んだ人生は、苛烈ともいえるでしょう。

 むかし読んだときは、たぶん前半二冊の方が圧倒的におもしろいと感じたはずですが、今は後半の二冊も優るとも劣らないおもしろさで迫ってくる感があります。
 三巻のあたりなど、晏子はほとんど喪に服しているだけで、事件は彼を除いて進展していくのですが、その「除いて」という事態の特殊さ自体が実はおもしろいというか……うまく説明できないのですが。

 何度読んでも、四巻の最後は泣けます。叱られると子どものようにしょんぼりし、反省し、でもすぐに忘れて同じことをやってしまう君主に辛抱強くつきあった晏子――この君臣像の描きかたに、著者のやわらかな愛情を感じました。
晏子 第3巻

著者名:宮城谷昌光(著)
出版社:新潮社
出版年:1997.09
ISBN :9784101444239
晏子 第4巻

著者名:宮城谷昌光(著)
出版社:新潮社
出版年:1997.09
ISBN :9784101444246


 長文感想一覧 63870 宮城谷昌光
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2007年07月01日

読了メモ:晏子 1〜2(再読)

 原稿でちょっと晏子のことにふれたので、みつかったら再読しようと思っていたのです。これがちょっと本部屋を覗いたらすぐ出てきたので、さっそく再読。自分のゲラを読むより百倍楽しいです。いや、もちろん確認したいことがあって読んでいるわけで、純粋に楽しむため「だけ」に読んでいるわけではないのです。ほんとうです。
 書けば書くほど嘘っぽいですが、ほんとうなんですよぅ……。

 晏子は斉の宰相「晏嬰」のことですが、宮城谷作品のほとんどがそうであるように、物語はその父の代から書き起こされています。父親は晏弱。
 きっと、著者は「遡行型」の作家なのだと思います。まずコレとコレとコレという要素がみえる、そうならしめたのはなんだったのか、という風に過去へ原因を求めていくうちに人物が、物語ができあがってしまうのではないかと。
 かつて、O・S・カードの解説に書きましたが、そういうタイプじゃないかなと思わされる作家は確実にいます。
 逆に、今ある要素から「その後」を考える方が自然な心の流れとしてあるんだろうな、と思わされる作家さんもいますから、これも個性ですよね。

 ただ、遡るにしてもその後を考えるにしても、時間的な流れという奥行きが作品世界に与えられるのは非常に重要なことだと思います。
 いろいろ読みあさったので、中国古代という世界に自分なりのひとつの流れのようなものが見えてきたのも、ちょっとおもしろい体験でした。ひょっとして宮城谷さんは「斉」がお好きなのかも、と今までに読んだものを思い返して考えてみたり。

 文庫版では全四巻なので、残り半分です。
 この二冊は昨日のうちに読み終えていたのですが、またブログに書く前に日付が変わってしまいました。とほほ。
晏子 第1巻

著者名:宮城谷昌光(著)
出版社:新潮社
出版年:1997.08
ISBN :9784101444215
晏子 第2巻

著者名:宮城谷昌光(著)
出版社:新潮社
出版年:1997.08
ISBN :9784101444222


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posted by うさぎ屋 at 02:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説