2007年04月30日

邪眼は月輪に飛ぶ

 おや、なんか新刊だ新刊だ、とレジ前で手に取ってそのまんま購入。
 あーもーなんでこの漫画家さんはこうストーリー作りがうまいですかね! 隙ナシ!

 猟師が立ち向かった邪眼のフクロウ。それは「見る者」をすべて殺してしまう――化け物に、「見られた」ら、オシマイ。勝負終了。そのフクロウの邪視を、一瞬、散らすことができるのは巫女。猟師のために巫女は邪気を散らし、しかしそのために自身は命を落とし……そして猟師はフクロウに手傷を負わせたものの、とどめまでは刺せなかった、というのが物語の発端。
 異能のフクロウは攫われて、実験台にされようとしていたのですが、それが逃げだして、東京は壊滅状態。対応しようとした自衛隊は指揮系統をフクロウに「見られて」ぐちゃぐちゃ。なにしろフクロウの視線が公共の電波に乗っちゃったんですねぇ。ひどい。
 で、その無敵かと思われるフクロウを追いつめたことがあるという猟師のもとへ、知らせが行って……という話になります。

 一冊で完結しているので、藤田和日郎って漫画家は評判いいけど、どの話も長いからなぁ……なんて思ってた人が、手に取るきっかけになるのでは? と思います。
邪眼は月輪に飛ぶ

著者名:藤田和日郎(著)
出版社:小学館
出版年:2007.04
ISBN :9784091811974
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2007年04月28日

かわたれの街

 羽鳥さんが【日々雑景】で紹介なさっていた『Daddy Long Legs』がすごく気になって、とりあえずネット書店のカートにつっこんでおいたのですが(だって、古き良き少女漫画の風情とトキメキを味わいたい方にはお薦めですー。……って抵抗しがたい紹介文じゃないですか!)、本日、近所の本屋さんで同じ漫画家さんの単行本を発見したので、とりあえず購入してみました。

 ヒロインは、古き善き雰囲気を残す商店街の、豆腐屋のお嬢さん。で、無一文でその商店街のある店にころがりこんできた、料理だけが取り柄の「料理教室の先生」に恋をしてしまう……という設定なのですが。
 んもー、その料理教室の先生が、とってもいいカンジにダメ男で! しかも料理がおいしそうで! これは甲斐性がある女性なら、よろめくよな、と思いました。わたしは甲斐性ないので養えませんが、先生のお料理は食べてみたいです。

 そのほか、商店街の人々がみんな、ひっそりと個性的で。
 絵柄のやさしさもあいまって、なんだろうなぁ、……いい「空気」みたいなものを味合わせてもらいました。
 おもしろかったです。
かわたれの街

著者名:勝田文(著)
出版社:白泉社
出版年:2007.04
ISBN :9784592142737
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2007年04月27日

読了メモ:バッテリー

『おお振り』がおもしろかったので、同じく前から気になっていた「児童文学畑から飛び出した野球小説」の方も読んでみようかなぁと思い、買ってみました。角川文庫版です。

 主人公は春から中学生になる天才ピッチャー。父の転勤について母の実家に引っ越した先、さっそくランニングに出た先で出会ったのが、同い年のキャッチャー。しかも相手は、主人公が地区大会その他で投げた試合を見ていたといいます。すごいピッチャーだと憧れていたと。
 中学に入ったら同じチームでキャッチングできるんだという相手に、主人公は、オレの球が捕れればな、という絶賛オレ様な性格。すごいです。全編これオレ様。なれあい大キライ。孤高の少年です。

 その孤高の少年に、やたら面倒見のいいキャッチャー、元はチームを率いて甲子園に行ったこともある「名監督」の祖父、身体が弱くて熱をだしてばかりいる素直で聡明な弟、激務で身体を壊した父、祖父への反発から野球嫌いの母、などなどが絡んでくる人間ドラマ。
 野球小説というよりは、人間の話って感じかなぁ、と思いました。
 これは若い子に読まれてほしいな。文庫化で大人だけでなくハイティーン、いや二十歳そこそこくらいの人にまで届きやすくなったのは、よいことなのではないでしょうか。

 ただし、一冊では完結していないので、つづきも読む覚悟が必要です。
 わたしは、ぱっかぱっかとシリーズを読むのをやめる性癖があるので問題ないですが(それもどうなんだと思うけど)、本の置き場に苦慮していらっしゃるかたは、計画的に。つづきが読みたくなります。
 そしてたぶん、苦慮するタイプの人は買っちゃうんですよね〜。
バッテリー

著者名:あさのあつこ(著)
出版社:角川書店
出版年:2003.12
ISBN :9784043721016
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2007年04月25日

読了メモ:詩経

 ちょっと確認したいことがあったので、買ってしまいました。学術文庫なのでお高めですが、それでも文庫サイズで入手しやすく売ってくれる講談社学術文庫はエライといつも思っています。部数どれくらい出してるんだろうなぁ……。

 この文庫版『詩経』の前身となったのは、日本評論社の東洋思想叢書版『詩経』だそうで、それの刊行が昭和十八年。「すでに戦争末期に入り、用紙も不足しており」との序をみれば、そうした中での学業・研究の継続がいかに困難であったかが偲ばれます。

 そんなわけで、学説的にはもっと最新のものが、いくらでもあるのだとは思います。まえに読んだ白川静氏の『詩経』だって、なんぼか新しいはず。
 63870 白川静『詩経 中国の古代歌謡』の感想

 おもしろいのは、本書の訳文。詩経の原文からすれば読み下し文や、そこから平易な日本語への訳がおこなわれるかと思いきや、これが「五、七」などの日本語っぽい調子でととのえられているのですね。
咲いたむくげの華のよな
可愛い娘と合乗りで
ゆけばゆらゆら佩玉(たま)かざり
きれいな姜(ジアン)の姉むすめ
ほんにきれいでみやびてる
(p.17)

 ……と、こんな具合。たしかに姜に「ジアン」とルビをふるあたりが日本語ではないなと思う程度で、それがなければ、元が漢文とは誰も思わないのでは。

 おかげですいすい読めて、楽しい読書でした。
詩経

著者名:目加田誠(著)
出版社:講談社
出版年:1991.01
ISBN :9784061589537

本家サイト感想文一覧 63870 目加田誠
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2007年04月24日

エビアンワンダー 1&2

 少し前に日記のコメント欄で、おむらよしえさんに強力にプッシュされたので、買ってみました。おがきちかさんの、『エビアンワンダー』。

 おお。おもしろいじゃないすか!
 主人公は「銀符」と呼ばれる、悪魔と契約をした女性。地獄行きの悪人の魂を狩るため、結果的に正義の味方っぽい展開になったりしつつ、しかし本人はシニカルに「人助けしてんじゃないわよ」なスタンスを崩しません。いいなぁ、この設定は素晴らしい!
 そこに、彼女の侍者である少年とか、その少年に体術を仕込んだ謎の武闘派僧侶とか、悪魔への負債の残りを返すため、霊的な存在(でいいのかな)として後任の銀符(=主人公)の指導をつづける彼女の先任者とか、悪い人とか良い人とかいろいろ絡んで事件が連発、という連作短編集です。

 えーと、次は『エビアンワンダーREACT』というのを読めばよいのでしょうか?←読む気満々。
エビアンワンダー 1

著者名:おがきちか(著)
出版社:一迅社
出版年:2005.11
ISBN :9784758051941
エビアンワンダー 2

著者名:おがきちか(著)
出版社:一迅社
出版年:2005.11
ISBN :9784758051958
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2007年04月23日

もやしもん 1

 あちこちで「面白い」という評価を見かけて気になっていたのですが、どこにも一巻がなくてね……つい先日、ついに近所の書店で一巻をみかけ、買いました。

 どんな話なのかもまったく知らなかったのですが(強いていえば、「農大の話??」くらいの情報は、曖昧に、頭に入っていたような……)、主人公は「菌が見える」青年。
 見えます。
 見えちゃうんです。
 しかも菌に台詞も入ってます。

 なんだそりゃあ、と卓袱台をひっくり返したくなる勢いですが、もちろん彼が入学した農大の研究員も、黙って認めてはくれません。そりゃそうでしょう。人類が! 叡智をかたむけて! 研究して! 発見して! ときどき間違って! ……いろいろすったもんだあった「菌」が、肉眼でほいほい見られてしかも、つまめる(笑)なんて、認められないでしょう〜、専門家として!

 でも認めざるを得ないんです。そんな話。
 菌のキャラクターも皆プリティなのですが「かもすぞ〜」はともかく「ころすぞ〜」は怖いですね。
もやしもん 1

著者名:石川雅之(著)
出版社:講談社
出版年:2005.05
ISBN :9784063521061
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2007年04月22日

献本御礼:黙示の海

 東京創元社さまより、いただきました。いつもいつも、ありがとうございます。
 ティム・ボウラー著、金原瑞人・相原夏奏訳。ソフトカバーなんですけど、洒落た感じの素敵な本です。

 帯はこんな感じ。
霧のかなたの島で、
少年はひとりの少女に出会う。

謎めいた少女、終末の海、悪夢のような出来事、
極限状態のなかで少年を襲う運命は?
カーネギー賞受賞作家が放つ
痛みと救いの物語  

 な、なんかカッチョ良さげ! 終末っぽいもの好きなので、かなり、そそられます……。

 例によって、ほんつなにまだデータが入ってないので、気がついたらデータ追記しますね。(※2007-04-27 データが入ったので追記しました)
黙示の海
著者名:ティム・ボウラー(著)
     金原瑞人(訳)
     金原瑞人(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2007.04
ISBN :9784488013264
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2007年04月20日

バベルの謎

 ほんつなの新刊チェックをしていて気がついたのですが、『バベルの謎』が文庫になるんですねぇ……文庫でも千円以上するけど! 図書館で借りて読んだ本なので、これは買おうかな。
 なんてことをするから、増えまくる本に埋もれそうな人生を送ることになるわけですが。

 推理小説を読むようで、すごくおもしろい本でした。オススメ。
バベルの謎
著者名:長谷川三千子(著)
出版社:中央公論新社
出版年:2007.04
ISBN :9784122048409

 63870 読了メモ
 63870 追加感想
 63870 本家長文感想
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読了メモ:呉書 2

 つづいて、文庫版「正史三国志 7 呉書 II』も、なんとか読み終えました。有名どころでは、周瑜とか陸遜といったあたりはこちらの巻に伝がおさめられています。呂蒙もです。
 陸遜と呂蒙といえば、病気を逆手にとって関羽をハメた計略が有名だと思うのですが、このふたりの伝にそうした計略のことは書いてあっても、関羽をどうしたこうしたという具体的なあたりがないんですよねぇ。それは関羽の伝、つまり『蜀書』の方を読まなきゃいけないのかなぁ。

 通し読みして、いちばん好きだったのは虞翻です。「正しいモノは正しい!」と主張し過ぎて辺地に追いやられてしまった文官で、いかにもわたしの好きそうなタイプ。「I'm right」系、と勝手に呼んでいますが。

 それにしても、読めば読むほどおもしろいですな、正史。
 いったん全部読んでから、自分で時系列順に記憶を整理できるくらいの優秀な脳みそが欲しいであります。
正史三国志 7

著者名:陳寿(著)
裴松之(注訳)
小南一郎(訳)
出版社:筑摩書房
出版年:1993.06
ISBN :9784480080882

本家サイト感想文リスト 63870 陳寿
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2007年04月19日

読了メモ:銀色の恋人

 往年の名作……の続刊が刊行された(すでに翻訳も決まってます。もうじき出るはず)ので、品切れだった本書も復刊されました。おめでとうございます。

 タニス・リーは、かなり好きな作家なのですが、実は刊行当時、わたしはこの本を読んでおりませんでした。理由はたぶん簡単、おそろしく夢のない性格のせいです。人がロボットに恋をする……これは、「アリ」。ロボットも、恋をする……これは、「ナシ」。無理です。ゴメンナサイ。

 しかしリーなので、とにかく読ませます。
 舞台は未来、最高の女性である母親のひとり娘として生まれたジェーンが、ギターを演奏して歌をうたう高機能な自立型ロボットに恋をしてしまいます。ロボットは人を傷つけないように作られていますから、求めれば完璧な恋の相手……にはなってくれますが、ジェーンは絶対的な母の支配下にあり、彼女の許可なしにはなにもできないような女の子。それでも、恋の力は彼女を動かして……というお話です。

 最上級にロマンティックで完全無欠の恋物語。リーは凄いと思います。
 タニス・リー未体験読者さんは、ぜひお読みになるといいですよ。

 変なたとえですが、コレわたしが書いたら絶対こうはならないですよ。あーなってこーなって、たぶん陳腐にこぢんまりと終わるだろうなと、想像がつきます。
 ああ、なんかイヤな気分になってきた!

 とにかく、クローヴィスは素敵だと思います。シルヴァーにもよろめきますが。
銀色の恋人

著者名:タニス・リー(著)
井辻朱美(訳)
出版社:早川書房
出版年:2007.04
ISBN :9784150116064

本家サイト感想文一覧 63870 タニス・リー
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2007年04月18日

魔法先生ネギま! 18

 こちらも『結界師』と同じく発売日で本屋さんのレジ前にドーンと積んでありました。
 超さんとの勝負は前巻の最後でほぼ落着といったところで(最終兵器には笑ってしまいましたが!)、こちらも全体の流れからいうと「つなぎ」っぽいかなぁ。クウネル・サンダースさんのファンになってしまいそう 63890 ……ですが、あまり出番が多くなさそうなのは残念。

 このシリーズ読むたびに思うんですけど、ネギ先生ってうちの息子と一歳しか違わないんですよねぇ。
 ……いや、10歳前後でも賢い子は賢いですけど、それにしてもネギ先生スゴイ。

 余談ですが、『パレドゥレーヌ』のアストラッドを書かせていただいたときに、ゲーム本編の彼もかなり天然キツいので、うまくアホの子を書けるかなぁと心配だったのですが、小説中では12才=息子と1才違いか! というわけで、息子と彼の友人たちとの会話を参考にして書きました。アホの子11才は、あんな感じです。リアルに。
魔法先生ネギま! 18

著者名:赤松健(著)
出版社:講談社
出版年:2007.04
ISBN :9784063638011
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結界師 16

 発売日に買いに行って帰ってきて読了コンボ。

 全体の流れからすると「繋ぎ」っぽいかな? と感じました。前巻で登場した「うわこれは無理だろ」って敵がわりとこう、アッサリとアレしてしまったので。それも、良守くんの力でなくて。
 ほかの闖入者たちも、みんな「力ある者同士でぶつかってる」感じで、結界師蚊帳の外? 状態なので、ちょっと爽快感には欠けたかなぁ、と思います。

 でも、兄がカッコイイ(そして、ちょっと若い!)のは、楽しかったかな。兄の話は次巻に引っ張ってるので、ああもう、続刊早く!

 ちなみに「兄の電話」の回の見開きイラストが、【ウェブサンデー/ダウンロードスタジオ】でダウンロードできます。
 実は昨日だったか、もうじき発売日のはずだよなぁ、発売日確認しようっと……と見に行って発見したんですけどね。兄カッコイイのです。兄!
結界師 16

著者名:田辺イエロウ(著)
出版社:小学館
出版年:2007.04
ISBN :9784091210289
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2007年04月14日

読了メモ:呉書 1

 文庫版『正史三国志6 呉書I』を読了。実はずっと前に文庫セットでドーンと買って、たまに気になるところだけ索引で探しては拾い読みしていたのですが、とにかく読むかー、ということで。呉の列伝を読みました。
 孫堅、孫策、孫権……その後、呉滅亡までの帝室の人々と、一般に名前がよく知られている武将では張昭、太子慈、所轄謹およびその子孫の伝です。

 なんかもう無茶苦茶で、おもしろいですね。いちばん「なんつー無茶な……」と思ったのは、張昭。
 孫権と張昭が仲違いして、張昭が邸に立てこもってしまったというのですか、その外から孫権が土で門を封じたところ、張昭は張昭で門の内側から土で塞いでしまったという……。それどういう対交策デスカ?
 孫権が声をかけても駄目、火をかけて脅しても駄目……なんつぅ頑固な!

 おもしろいなぁ。もっと早く読めばよかった〜。……といいつつ、全巻読みきる日が来るのか謎ですが。フロイス日本史も途中で止まってるし……。
正史三国志 6

著者名:陳寿(著)
裴松之(注訳)
小南一郎(訳)
出版社:筑摩書房
出版年:1993.05
ISBN :9784480080462

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2007年04月12日

読了メモ:オペラ・ラビリント

〈オペラ〉シリーズの第五巻です。出てすぐ手に入れたのですが、読み終わったのは今頃です。いつものことです。

 いやあ、おもしろっ!
 このシリーズ、一巻を読んだときには、ここまでおもしろくなるとは予測しませんでした。ごめんなさい。懺悔します。許してください。告白したのでさっさとつづきを読ませてください。たのみます。

 主人公は死病を病んでつねに瀕死の薬師で剣士であるカナギ。その彼が不可思議な言動をする超絶美形の詩人を拾ったところから、物語は始まります。二巻、三巻あたりでは、最後の最後でゾゾワ〜〜! となにかファンタジー者のツボを突くような描写があると思うだけだったのですが、ここにきて、それまでの「ツボ描写」が作品世界全体を構成していることが見えてきて、全編これツボ状態です。
 騙されたと思ってまず二冊、末尾でゾワ〜、なんか期待できる? と感じてしまったら、間違いなく面白いはずなので、つづきもお読みくださいませ。ウヒョー。←なんとなく奇声をあげてみました。

 唯一の欠点は、ラブ関連の発端が唐突なことかな……。ラブ要素自体は大歓迎なのですが、「エッ、いつの間にそんな!?」と意外過ぎるのが、もったいないです。もっとこう、焦らしたり! 思わせぶりだったり! ……と熱く語りそうになってしまったのでこのへんで。
オペラ・ラビリント

著者名:栗原ちひろ(著)
出版社:角川書店
出版年:2007.03
ISBN :9784044514051

 本家サイト感想文リスト 63870 栗原ちひろ
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2007年04月08日

架カル空ノ音 一巻

 同じ漫画家さんの作品は、以前、『一人の王にさしあげる玩具』を読みました。熱烈絶賛! とかいうわけではなかったのですが、新刊が出たら気になるほどに心にかかっていたようで……購入してしまいました。

 で、これが良かったんですわ。ちょっとつらい展開になりそうな話なので、途中で息が詰まって読むのを休んだりしましたが(わたしは繊細な読者なのデスヨ。たぶん……)、しかし、良作でした。

 滅びに瀕している鳥人族と、着々とその領土を広げつつある人間とのコンタクトの物語。と、いっていいのかな。開拓時代のアメリカ、ネイティヴと白人の衝突くらいの雰囲気を連想すると、近いかもしれません。
 だから、つらい展開になりそうな予感に満ちているわけなんですが……でも美しいし、惹かれます。

 あとがき漫画によれば、右手の腱を切ってしまわれたとかで……続刊を早く読みたいのはやまやまなのですが、焦らず、ゆっくり待ちたいと思います。
架カル空ノ音 1

著者名:吟鳥子(著)
出版社:エンターブレイン
出版年:2007.03
ISBN :9784757734319
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『おお振り』大人買い&一気読み

 過去の経験に鑑み、これは買えるだけ買って帰ろうと……わたしにしては珍しく、全力でいきました。
 そして一気読み。

 おもしろかったですが……まだ夏の甲子園の第一試合が終わらないので、このタイトル、どこまで巻数が伸びるんだろうと……かなりビビってます。でも面白い〜〜! アツいですねぇ。

 むかし、ディック・フランシスの競馬シリーズについて、ふつうのミステリ作家が競馬を扱った作品を書いても、それはどうしてもスタンドに視点があるが、フランシスの作品は著者がジョッキーの経験をもつだけに、競馬場の馬場の方に視点がある、みたいな解説を読んだことがあります。
 この作品の面白さも、やはり描き手がプレイする側に立った経験があることと無関係ではないんだろうなぁ……よく取材しているのにも感心しますが、なんといっても「好きだ!」という感じが全面に押し出されていて、それでいて厭味も押しつけがましさもないのが、いいですね。
おおきく振りかぶって Vol.2

著者名:ひぐちアサ(著)
出版社:講談社
出版年:2004.08
ISBN :9784063143539
おおきく振りかぶって Vol.3

著者名:ひぐちアサ(著)
出版社:講談社
出版年:2004.12
ISBN :9784063143683
おおきく振りかぶって Vol.4

著者名:ひぐちアサ(著)
出版社:講談社
出版年:2005.07
ISBN :9784063143843
おおきく振りかぶって Vol.5

著者名:ひぐちアサ(著)
出版社:講談社
出版年:2005.11
ISBN :9784063143935
おおきく振りかぶって Vol.6

著者名:ひぐちアサ(著)
出版社:講談社
出版年:2006.03
ISBN :9784063144086
おおきく振りかぶって Vol.7

著者名:ひぐちアサ(著)
出版社:講談社
出版年:2007.01
ISBN :9784063144376
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2007年04月07日

Beast of East 3

 待たされに待たされた、第三巻です。二巻でのめりこんで何度も読み返したのでなければ、こんなに時間があいての三巻めは辛かっただろうと思うのですが、問題なく読めました。わたしにしては、すごいことです。

 でも、三巻はさほど盛り上がらなかった(わたし的に! たぶん乙女度が薄いから!)ので、四巻も同じだけ待たされると忘れてしまいそうでおそろしいです。
 絵は文句なしに素晴らしいのですが、どこもかしこも綺麗過ぎて、漫画の流れとしてどこを見ればよいのかわからないことがあります。コマ割りした漫画としてではなく、一枚絵として見てしまうというか……。うまく説明できているかわからないのですが、そんな感じで。
BEAST of EAST 3

著者名:山田章博(著)
出版社:幻冬舎コミックス
出版年:2007.03
ISBN :9784344809253

 今日は『おおきく振りかぶって』の残りを大人買いした挙げ句、一気読みしましたよ。はわ〜。幸せですが、こ、この進みの遅さは! まだ第一試合終わらないのね!? みっちり書くなぁ……。
 外出して疲れ果てたので、感想は明日書きます。たぶん。頑張ります。
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読了メモ:朽ちていった命

 知人の感想文を見て、これは読むべき本みたいな気がするなぁ、と購入。ほんとうに、読むべき本でした。

 1999年に発生した東海村の臨界事故後、致死量レベルの放射線を浴びて治療を受けた作業員のうち、そのひとりの治療経過を追った一冊です。ドキュメンタリー番組の文庫化で、単純にわかりやすく見せねばならないテレビ番組の、「絵」や「音」や「間」の力が及ばないかわりに、カルテなどの資料や突っ込んだ説明が盛り込まれています。
 また、自分が受け入れられるペースで考えながら読むことができるのも、本というメディアの特徴でしょう。
 つらい本です。

 遠くで起きた臨界事故なんて、他人事に過ぎないと感じるかもしれないけれど。でも、日本なんて狭い国で、どんな人でも「知り合い」を十数人程度辿れば「知り合い」ということになる程度の規模。
 あなたは原子力施設の近くに住んでいないかもしれません。
 あなたの大事な人は住んでいませんか。
 あなたの大事な人の大事な人は……?

 かなり結末近くに、本書で治療を受け、83日間戦いぬいた大内氏の細君から医師に届いた手紙からの抜粋が掲載されています。
 乱暴にまとめてしまうと、「原子力に絶対の安全などない。国や会社がその危険性の周知徹底をしてくれるとは、とうてい望めない。ふたたび事故は起きるだろうと思わざるを得ない」という内容です。
 非常に冷静で、妥当な分析だと感じました。
 その認識の上にたって、手紙はつづきます――だから、夫や同僚が命を削って教え残したものがある医療の分野でこそ、進歩していってほしい。次に事故があったときのために、と。

 こんな手紙が医師のもとに届いたという事実から、犠牲者の家族は、行政や企業から信頼するに足る対応を受けなかったこと、そして医療チームはその信頼を勝ち取るにふさわしい働きをしたのだということが、読みとれるような気がしました。
朽ちていった命

著者名:NHK「東海村臨界事故」取材班(著)
出版社:新潮社
出版年:2006.09
ISBN :9784101295510

 本家サイト感想文リスト 63870 NHK
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2007年04月06日

今頃『おおきく振りかぶって』の1を読む

 表題の通りです。今頃ですみません。評判良いので、読んでみたいなぁと思いつつ、しかしシリーズで長くなりそうなものを家に増やすのは嫌だというジレンマに陥って買わずにきたのです。

 きたのですが……書店店頭に「試し読み用小冊子」が置いてありまして……読むなよ。読んじゃいました。結果、一巻を買って帰ることになりました。
 そして読み終わった今は、なんで大人買いしてこなかったんだろう! と。

 ……わたしいつもこんなですね? 人間、そう進歩はしないものです。エエ。自分に期待はしない! 少なくともこの方面においては!

 むっちゃくちゃ卑屈で弱気な投手が、強気で頭のまわる捕手と巡り会い(といっても、単にたまたま同じ高校に入って、創設されたばかりの野球部でバッタリ。しかも人数少ないからピッチャーキャッチャー、どちらも一人ずつ……)、強くなっていく話、と説明していいのかな。
 主役の卑屈っぷりは半端じゃないですが、なぜそこまで卑屈になってしまったのかについても、読み進むうちに
「あーなるほどなー」
 と納得できる仕掛け。うまいなぁ!

 近日中に続刊の感想を書くことになると……。
おおきく振りかぶって Vol.1

著者名:ひぐちアサ(著)
出版社:講談社
出版年:2004.03
ISBN :9784063143423
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クレイモア 12

 情け容赦ない戦闘漫画、新刊が出たので読みはじめたのはよかったのですが、例によって前の巻での展開をかなり忘れてました……読み進むうちにいろいろ思いだしましたが、ここでこっちのコレがああなっちゃうのって、残されたイースレイ(という名前も表四を見なければわからない!)はどうなるんだろう。納得するのかな。どうでもいいのか、そんななことは。

 などと納得しつつ、その後、仰天する展開の連続でびっくりしました。
 ジャンプ系少年漫画らしく「戦闘力のインフレ」は確実に起こっているのですが、主役が「バカだけど、やる気だけは十分」の少年でないところでまず異質。エピソードを個々に取り出せば、そんなにもの珍しいパターンでもないのに、なぜか「コレでしか読めない」と感じてしまう……。
 不思議な漫画です。

 そういえば、アニメ始まってるんですよねぇ。コミックスの帯を見て思いだしました……「『CLAYMORE』公式サイト」なんてあるんですなぁ。
 あ、今深夜は、その昔エスカでわたしの最高に好きなバァン様を描かれた(長いよ)小森さんが総作画監督担当の『DARKER THAN BLACK』も関東で初回放映なので、見なくては。どうも深夜アニメって忘れてしまいがちなんですが、頑張ろう。
CLAYMORE 12

著者名:八木教広(著)
出版社:集英社
出版年:2007.04
ISBN :9784088743486
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2007年04月05日

献本御礼&読了メモ:迷宮街輪舞曲 むかえるひとたち

 林さんよりご恵贈いただきました。ありがとうございます! へっへっへっ(←なんだこの笑い)。

 本来は、『迷宮街輪舞曲』のコミック第一巻の、作品キャッチコピー考えてねに応募すると貰える小冊子です。わたしは、コピー考えるの「ちょう」苦手なので、無理だ〜、と悶絶してたら、林さんが哀れんで恵んでくださいました。いい人です!←ちょっと強調してみました。

 中身は書き下ろしの小説と、裏側に、おがきちか氏のイラスト一枚……なぜ、この人? 白黒のメリハリが効果的な、キュートなイラストですが……当然、イラストつくとしたら漫画家さんだろうと思っていたのでびっくりしました。これは、左が翠で右が葵なのかなぁ?

 小説の方は、待ってました! たまたま、わたし自身が今、「裏方」にすごく興味がある時期だということもあり(さんざん書いてますね、「暗殺者とか、一介の傭兵とか、伝令兵とか。そういった境遇の人物が主役の短編集らしいと知ったので、どんなものか読んでみたくなった」とか、「最前線で戦う人だけじゃなくて、その食糧そのほか消耗・損耗があった物品を供給するシステムとか、いわば裏方について知りたかった」とか……)、これこれ、こういうのが読みたかったのよ! な内容でした。
 要は、戦士たちを受け入れる「迷宮街」のスタッフに焦点をあてた内容で、事業団事務員、道具屋アルバイト、商社研究所所員、小学生、鍛冶棟主任、メイク係、そして一周してまた事業団の事務(今度は平ではなく主管)に戻ります。
 ちなみに「メイク係」というのは死化粧を担当する人のこと。

 ある意味、地味な話だとは思います。でも、その地味な道具立てでちゃんと読ませる内容になっているのだから、やっぱり書く力がある人なんだなぁ、と。
 今回つくづく感心したのは、その「場」というか、「世界」をつくる力。具体的には、迷宮街という小世界の奥行きの持たせかた、といえばいいのかな。
 そうか、死が日常の世界だからこそ、「メイク係」が必要なんだと提示されてみればわかりますが、そこまでちゃんと提示できる力がすごい、ということですよ。

 漫画の方の連載は終了してしまったようですが、次はぜひ小説で商業出版界に! と思います。

 本家サイト感想文リスト 63870 林亮介
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2007年04月03日

献ゲーム御礼:パレドゥロワイアル

 うわ。先日「欲しいけど遊んでる時間がなさそうだしどうしよう……」とつぶやいていた『パレドゥロワイアル』、工画堂スタジオ様からいただいてしまいました! ひゃー。

 ありがとうございます!

『パレドゥロワイアル』は『パレドゥレーヌ』のファンディスクという位置づけのソフトです。今度は領主それぞれが国王候補として名のりをあげ、王女 VS 宰相の図式ではないのだとか。
 63870 パレドゥロワイアル公式サイト
 楽しみです〜。なんとしても時間を作って、遊ばなくては!

 小説をお読みいただいたかたに、たまに「あのあとゲームのなかではどうなるんですか?」と訊かれるのですが……えーと、なるようになります。
 わたしが書いた小説は、ヴィンフリート派のユーザーさんにばっちこーい! な内容になっていたかと思いますが、ゲームの進めかたによって、そのヴィンフリートとは結ばれたり結ばれなかったり。もちろん同い年のアストラッドと結ばれるバージョンもありますし、アストラッドの師匠として登場してもらったヴァルターと、という展開も。
 変の体現者(笑。勝手に名づけました。ごめんねオベルジーヌ)と仲良くなることも、可能です。

 斯様に自由度の高いゲームですので、「こうなりますよ」とは申し上げられないのですよ。ご事情が許すようでしたらぜひ原作ゲームの中で、ご自分でかれらの「その後」をつくってあげてくださいませ。

 わたしはもちろんヴィンフリート派なので、真っ先にヴィンフリートとうまくいくエンディングを見ました。そして、エンディング確認後、小説の文章をちょっといじりました。いやだって思ったよりヴィンフリートったらきゃっ!(なにそれ)だったので。わあすごいな、台詞、一部暗記してるよわたし! うっかり書きそうになりました! やばいやばい。それは、やってはいけないことだから!>自分

 でも、本編の完全制覇エンディングもかなり好きです。ちょっとせつないんですけど、あれはあれで、ヴィンフリートが真に自由になれたようにも思えるので。
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2007年04月01日

読了メモ:補給戦

 じわじわと読んでいましたが、やっと読了。自分には基盤とすべき知識がかなり足りないことを痛感しました。
 16世紀から第二次大戦までの範囲で、「兵站」という観点から戦史を洗い直した研究書です。ですので、そのあたりの戦争についての知識がないと、読むのが大変なんですよね〜。

 なんで急にそんな本を読みはじめたのかと問われたんですけど、こう、最前線で戦う人だけじゃなくて、その食糧そのほか消耗・損耗があった物品を供給するシステムとか、いわば裏方について知りたかったのです。
 とにかくはじめて知ることが多くて、いろいろ興味深かったです。
補給戦

著者名:マーチン・ファン・クレフェルト(著)
佐藤佐三郎(訳)
出版社:中央公論新社
出版年:2006.05
ISBN :9784122046900

 本家サイト感想文リスト 63870 マーチン・ファン・クレフェルト
posted by うさぎ屋 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史