架空戦記的英雄譚。架空の大陸の歴史書を手がかりに書いた小説、といった体裁になっているのが特徴的。ところどころ、史料によれば云々、という記述が挟まれていて、小説世界に一定の距離感が生まれているのですよ。
だから、読み味は歴史小説のようなのだけど、といって堅苦しくもなく、むしろ無茶なキャラクターの極端な行動を「だって史実がこうだし」と無理押ししてるような感じ。距離をとることで、逆の説得力が生まれている、というか。
それが不快というわけではありませんよ。この手法が導き出す効果はコレなんだなー、なるほど! と、わたしが個人的に納得したというだけの話です。こういう極端なキャラクターを活躍させる小説というものは、真逆の方向性をもつのが常道と思っていたので――つまり読者に考えさせる余裕を与えず、極端さのインフレーションを、どんどこ推し進めるとか――目からウロコが三枚くらい落ちました(当社比)。
荒削りな感じですが、独特の味わいで、おもしろいです。つづきも読みますよ。というか、【
booklines.net】にあった
続刊の感想を見て、おもしそうだなぁと思い、しかし二巻からってどうなの? と一巻もまとめて買って……で、積んであったんですけど、はっと気がついたらこの本の上にもう五冊くらい載ってたので、埋没する前にと引っぱりだして読みました。二冊目も、早めに救い出さないと地層の底に沈みます。
| 戦塵外史野を馳せる風のごとく |
 | 著者名:花田一三六(著) 出版社:ソフトバンククリエイティブ 出版年:2006.10 ISBN :9784797337761 |
本家サイト感想文リスト
花田一三六 買う前に、積んである本を先に読め! と自分でも思わなくもないですが、『補給戦』とか読みながら寝たら、足りない布地で服を作れと命令される士官になって苦心するというイヤな夢をみてしまったので……。
あと『黎明に叛くもの』の文庫も買ったんですけど、文庫の端から端まで文字がぎっしり詰まってて、うわ、と思わず本を投げだしそうになりました。なんじゃこりゃ〜! 上下ないし前後編にわけられなかったのですか!? ……わけられなかったんだろうなぁ。
でもこれ、読みづらいですよ〜。だってページをおさえるために指を置くと、それだけで端の行が隠れちゃうんですよ!
ああ引っ越したい。豪邸じゃなくて豪書庫でいいんです。風呂トイレ台所+書庫(たくさん)ってな家がいいんですが、駄目ですか。誰にきいてるんですか。