2007年02月28日

読了メモ:八の弓、死鳥の矢

 戦塵外史の第二巻。今回は短編集です。
 もともと、このシリーズに興味を持ったのは、この短編集が「末端の兵士」をとりあげているような印象を抱いたからでした。
 たしかに末端の兵士が主人公になった短編はありましたが、ちょっとイメージとは違ったかなぁ。でも、おもしろかったです。

 個人的に惜しいなぁと思うのはですね、恋愛関係にある男女は登場するのですが、その恋愛に至ったきっかけが、サッパリ伝わってこないのですよ。前作でも、そのへんが弱いなぁと思いましたが、今回もやっぱり弱々しかったです、そのあたり。くぅぅ。中古の乙女としては、断固抗議したい!(やめとけ)
八の弓、死鳥の矢

著者名:花田一三六(著)
出版社:ソフトバンククリエイティブ
出版年:2007.02
ISBN :9784797337778

 本家サイト感想文リスト 63870 花田一三六
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2007年02月27日

読了メモ:野を馳せる風のごとく

 架空戦記的英雄譚。架空の大陸の歴史書を手がかりに書いた小説、といった体裁になっているのが特徴的。ところどころ、史料によれば云々、という記述が挟まれていて、小説世界に一定の距離感が生まれているのですよ。
 だから、読み味は歴史小説のようなのだけど、といって堅苦しくもなく、むしろ無茶なキャラクターの極端な行動を「だって史実がこうだし」と無理押ししてるような感じ。距離をとることで、逆の説得力が生まれている、というか。

 それが不快というわけではありませんよ。この手法が導き出す効果はコレなんだなー、なるほど! と、わたしが個人的に納得したというだけの話です。こういう極端なキャラクターを活躍させる小説というものは、真逆の方向性をもつのが常道と思っていたので――つまり読者に考えさせる余裕を与えず、極端さのインフレーションを、どんどこ推し進めるとか――目からウロコが三枚くらい落ちました(当社比)。

 荒削りな感じですが、独特の味わいで、おもしろいです。つづきも読みますよ。というか、【booklines.net】にあった続刊の感想を見て、おもしそうだなぁと思い、しかし二巻からってどうなの? と一巻もまとめて買って……で、積んであったんですけど、はっと気がついたらこの本の上にもう五冊くらい載ってたので、埋没する前にと引っぱりだして読みました。二冊目も、早めに救い出さないと地層の底に沈みます。
戦塵外史野を馳せる風のごとく

著者名:花田一三六(著)
出版社:ソフトバンククリエイティブ
出版年:2006.10
ISBN :9784797337761

 本家サイト感想文リスト 63870 花田一三六

 買う前に、積んである本を先に読め! と自分でも思わなくもないですが、『補給戦』とか読みながら寝たら、足りない布地で服を作れと命令される士官になって苦心するというイヤな夢をみてしまったので……。
 あと『黎明に叛くもの』の文庫も買ったんですけど、文庫の端から端まで文字がぎっしり詰まってて、うわ、と思わず本を投げだしそうになりました。なんじゃこりゃ〜! 上下ないし前後編にわけられなかったのですか!? ……わけられなかったんだろうなぁ。
 でもこれ、読みづらいですよ〜。だってページをおさえるために指を置くと、それだけで端の行が隠れちゃうんですよ!

 ああ引っ越したい。豪邸じゃなくて豪書庫でいいんです。風呂トイレ台所+書庫(たくさん)ってな家がいいんですが、駄目ですか。誰にきいてるんですか。
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2007年02月25日

読了メモ:ガラスのなかの少女

 書店店頭で目にとまり、なんとなく気になって購入。心霊現象など微塵も信じていない詐欺師が、自分が用意した降霊会の最中、幽霊(としか思えない少女の幻影)を見る、という状況設定にやられました。
 信じていないからこそ、その出来事を追求せねばならない。なぜ、なにが、どうして。

 中身は期待に違わぬ、いや期待以上の出来でした。素晴らしい。
 時代設定は、第一次大戦後、第二次大戦前。主人公は、その天才的な詐欺師、フェル シェル(※2007-04-12訂正。以下、間違っていた部分は全部訂正しておきます)の弟子であり助手であり養子でもあるメキシコ不法移民の少年、ディエゴ。ボディ・ガードをつとめる巨漢、アントニー・クレオパトラ(もちろん偽名)と三人で「チーム・降霊会(もちろん作中でそんな名称がもちいられているわけではありません。為念)」を組んでいるわけですが、その詐欺っぷりの描写も、かれらのバブリー(死語)な暮らしぶりも、なにもかもが素敵。

 もちろん、保護されるだけの側から一歩抜け出そうとし、成長するディエゴ少年もいいし、頼りになる相棒アントニーも、最高に味のあるキャラクターなのですが、やっぱりシェルがかっこいい! 伝説的な賭博師「魔術師」ジャックを父に持ち、みずからも父譲りのトリックと卓抜した洞察力、推理力、そして行動力を兼ね備えた――しかし、それを誇らない人物なんですよ〜。

 作品自体も、昔のことを語りながら、今の社会にも通じるいろいろな問題を、さりげなく浮き上がらせて見ているように感じました。
 押しつけがましくはなく、しかし、すべてがそこは提示されている。種も仕掛けもありませんよとカードを広げて見せる、優雅さがある。シェルが体現しているような、なんといえばいいのかなあ……「美学」? そういうものを、感じました。

 イザベルの幽霊談もよかったなぁ。「これをお持ち」が、まさか直後にもう一回効いてくるとは。
ガラスのなかの少女

著者名:ジェフリー・フォード(著)
田中一江(訳)
出版社:早川書房
出版年:2007.02
ISBN :9784151768019

 本家サイト感想文リスト 63870 ジェフリー・フォード
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2007年02月24日

ヴィンランド・サガ 4

 うわおどろいた。まさかアーサー王伝説をからめてくるとは、思っていませんでした。
 やるなぁ……。

 ヴァイキングのイングランド支配時代を舞台に、悪い人が悪いことしまくる漫画です――って、正しい紹介かどうかはわかりませんが、とにかく道徳観念が現代日本人とは全然違う人たちが、自分たちなりの考えかたで生きているという、その世界観の確立っぷりが素晴らしいのですよ。

 あの世界で暮らしたいかと問われると、ちょっと御免ですけどね。わたしも現代日本人なもので。

 小兵ならではの強さの演出がかっこいい、トルフィンの戦闘シーンありますが、今回はちょっぴり。
 おまえほんとにワルだのぅと毎回唸らされるアシェラッドは、相変わらずワルっぷり全開です。
 あと、王子様がついに兜を取りましたよ。活躍は……してませんが、目立ってます。
ヴィンランド・サガ 4

著者名:幸村誠(著)
出版社:講談社
出版年:2007.02
ISBN :9784063144406
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2007年02月23日

異郷の草 三国志連作集

 三国志に登場する人物をひとりずつとりあげて短編に仕立てた連作集。クローズアップされているのは黄忠、錘会、甘寧、孟獲、簡雍の五人。

 絵もうまいし、構成もしっかりしてるし、ただ既成のイメージをなぞるだけでなく、ふっと新しい視点から覗かせてくれたと思わせるような出来になっているし、安心してよめる一冊でした。
志水アキ三国志連作集

著者名:志水アキ(著)
出版社:メディアファクトリー
出版年:2007.02
ISBN :9784840116756
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怪力乱神クワン 5

 近所に入荷してるかなぁ、と心配しながら買いに行きましたが、無事入手。そして読んだのですが……あー……なんだか一冊とばしているような? きっと4巻を読んでないんじゃないかと思います。

 三国志直前くらいの時代を舞台に始まった、中華ファンタジー漫画です。どうやら主人公のクワンが地上を離れていたあいだにタイム・ラグが生じているようで、子供だった曹操が大人になって登場。黄巾の乱が起きているので、すでに三国志演義の冒頭くらいにはなってますね。

 その「地上を離れていたあいだ」を、まるごと、読んでない予感なわけですが。……4巻買わなきゃ。
怪・力・乱・神クワン 5

著者名:志水アキ(著)
出版社:メディアファクトリー
出版年:2007.02
ISBN :9784840116749

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2007年02月21日

読了メモ:はじまりの島

 積んであったので、なにげなく手に取って読み始めたら、最後まで一気でした。
 時は1835年、進化論の提唱者として名を残すダーウィンを乗せた英国海軍の帆船ビーグル号は、ガラパゴス諸島に立ち寄る。そこでかれらが出会ったのは、奇妙な生き物たちと、そして……連続殺人。

 歴史上のトピックに殺人事件で色づけして「why done it」と「who done it」を絡めてあります。うまいなぁ。すぐ結論に飛びつく感情的なワトスン役も、理詰めで一人合点して謎めいたつぶやきを残すホームズ役もいて、なんともパーフェクトに探偵小説。
 翻訳調の文体も、故意でしょうね。

 文明化したフエゴ・インディアンを元の集落に戻すというプロジェクトが、その航海のメインの目的のひとつであったということは、はじめて知りました。そういうトリビア知識もたくさん含まれているので、「お読み得」な感じはします。
はじまりの島

著者名:柳広司(著)
出版社:東京創元社
出版年:2006.09
ISBN :9784488463014
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2007年02月20日

ニタイとキナナ

 縄文時代を舞台にした、ほのぼの夫婦漫画。ずいぶんまえに、おむらよしえさんのところで紹介されていて興味を持ち、えいっとネット書店で買ったものの、絵柄がちょっと独特なので、読みづらくて長いあいだ積んでました。
 でも読んだらやっぱりおもしろかった!

 縄文時代を魅力的に、繊細に、パワフルに、描いています。淡々と過ぎる日々そのものが、現代人の我々にとってはエンターテインメントになり得るくらい、「違う」わけです。
 それくらいちゃんと「違うもの」として世界を描き出しているということ。知識量も想像力も、縄文時代への愛情も、すべてにおいて一級品だと思います。
ニタイとキナナ

著者名:高室弓生(著)
出版社:青林工藝舎
出版年:2006.11
ISBN :9784883792306
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しゃにむにGO 25

 考えてみると、このわたしが(笑)、不思議なことのなにも起きない漫画を25巻もいそいそと買っているのって、すごいことですよ。なーんにも超常現象(といっていいのか)が起きないのに、脱落せずに読みつづけている漫画って、ほんとに少ないので。

 高校生のテニス・スポ根青春漫画ですが、今回は、ダブル・ヒーローのひとりである留宇衣の両親の出会いと別れについての部分がメイン。あのお父さんが若かりし日はこんな根無し草のような生活を! と、実はびっくりしました。
 マリーについても、今までは弱さばかりがクローズアップされていましたけど、なるほど、こういう強さがあったのかと。いいエピソード群です。結末は、苦い別れであっても。

 コーチをつとめる池田先生の方も、いろいろあったようですが、アロマってる人を傍から見るとこんな感じなのかと。笑っちゃいました。
しゃにむにGO 25

著者名:羅川真里茂(著)
出版社:白泉社
出版年:2007.02
ISBN :9784592183655
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2007年02月19日

読了メモ:再始の女王

〈抗いし者たちの系譜〉シリーズ最終巻、ということになるのかな。あとがきで「このシリーズは一区切りつきます」と書いてあるのは、そう解釈していいのか、よくわかりませんが。
 とにかく、うっかり手を出して、一気読みしてしまいました。
 いろいろと型破りな作品で、シリーズを通して予期せぬ展開に楽しませてもらいました!

 あとがきを読みながら、しかし考えてみれば、わたしもドワーフやエルフを出したことはないなぁ、と……。
 たぶん、あれってトールキンが作ったものであって、どこかの神話や伝説から借りてくるのとはちょっと違うような気がするからなんでしょうけど、若い人たちにとっては、思いっきり「既成の概念」なんでしょーなー。ひょっとして、「勇者=魔王を倒す者」と同じくらい?

 ああ、年を感じる。
再始の女王

著者名:三浦良(著)
出版社:富士見書房
出版年:2007.01
ISBN :9784829118962

 本家サイト感想文リスト 63870 三浦良
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読了メモ:チャリオンの影(下)

 思った通り、一気に読了。おかしいのです、大河ドラマを見るためにテレビの前に座ったはずなのに、なぜか気がつくと『チャリオン』読んでるんですよ。呪いの本ですか!?

 たしかに「呪いの本」ではあります。主人公は世継ぎの王子の姉にあたる姫君の家令に抜擢されてしまったため、王家にまつわる凄まじい呪いに関わることに。その呪いをとくために奔走しつつ、これは自分で選んだことなのか、それとも神々に踊らされているのかと悩んだりもするのですが……ああなんか女神伝っぽいですね。近いかも。

 ただし、主人公は三十五歳、最初がボロボロのヨレヨレで登場する上に、本人が武勇伝を喧伝することに熱心ではないので目立ちませんが、実は歴戦の勇士。知略にすぐれ、見識に富み、武術の腕前も最上級とはいえずとも、剣は飾りではありません。
 その三十五歳と、十六歳の姫君(活発過ぎて、教師を何人も追い払ったくらい)が、次第に信頼で結ばれていくわけですが、主人公の恋慕の相手は十九歳の姫君の侍女(といっても、ちゃんとしたお貴族のお嬢さまで、姫君の勇敢な親友です)で、ここで妙に押しが弱くてヘタレなのですよね……。
 あつかましくないところが大変いいのですが、控えめにもほどがある!

 ああ、つい変な方向に語ってしまいましたが、いやほんと、よくできてました。堪能いたしました。続刊! 早く続刊!
チャリオンの影 下

著者名:ロイス・マクマスター・ビジョルド(著)
鍛冶靖子(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2007.01
ISBN :9784488587031

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2007年02月18日

読了メモ:チャリオンの影(上)

 読み始めたら一気読みだろうなぁ、と思って手を出しかねていたチャリオン上下巻ですが、やはり、ビジョルドは凄いですね。引きこまれます。
 しっかりと作られた世界観を、懐かしい場所に帰る、打ち据えられた男の視点から少しずつ描きだしていく手腕は鮮やか。かなりこまかい設定があるのに、説明がましくないんですよね。むしろ、説明が入ると「おぅ、そうなのか!」と得心がいって、さらにその先を知りたくなる、というような。

 ほんとうに、この先どうなるのかな……。というわけで、下巻行ってきます。
チャリオンの影 上

著者名:ロイス・マクマスター・ビジョルド(著)
鍛冶靖子(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2007.01
ISBN :9784488587024

 本家サイト感想文リスト 63870 ロイス・マクマスター・ビジョルド
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2007年02月17日

読了メモ:傭兵の二千年史

「傭兵」をテーマにしたヨーロッパ史概説……といった位置づけでいいのかな。かなり面白かったです。
 できるだけ広範囲から拾っているとは感じますが、でも勘所はハプスブルクまわりとか、神聖ローマ帝国とか。このへん詳しくないので、面白かったです。

 いや「面白かった」なんて評していいのか、というくらい悲惨な歴史なのですけど。

 ドイツ傭兵といえば、ランツクネヒトについての本は、ハインリヒ・プレティヒャの本をたしか読んだことがあるのですが、なにしろ二十年も前なので……。収録されていた、当時の傭兵が歌ったという歌の一節しか覚えていないのが現実。あうー。
 一節というか、一行ですね。
「血の河を、我らは渡らねばならなかった」
 これのリフレインを、今でも覚えています。

 ネタ本として挙げられ、随所で引用されている『裏切られて、売られて』という本を読んでみたいのですが、邦訳なし、と書かれていてがっかり。
傭兵の二千年史

著者名:菊池良生(著)
出版社:講談社
出版年:2002.01
ISBN :9784061495876
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2007年02月16日

読了メモ:始まりのエデン

 神話シリーズ、最終巻。最後はちょっと涙ぐんでしまったりもしたのですが、直前の巻からつづく、なんか入りこめない感じ(個人的に)が、どうしても消えませんでした。途中で半日ばかり本を置いてみたり、いろいろチャレンジしたのですが。

 終盤を読みながら、これひょっとしてアレかなぁ、レジスタンスという組織が大変なことになっているのに、主人公格のふたりが、それぞれ「自分探し」に出かけちゃうから、自分(=読者であるワタシ。いいかげん自分探しとは縁遠い年代のオバサン)に引き寄せて読むことができなくなっちゃったのかも……と、思いました。

 あーキナの立場にだけはなりたくない、というのが、ラスト二巻で真っ先に感じたことなので、たぶんこれがビンゴかなぁ。つまり、問題は年齢(わたしの)か! とほほ〜。
始まりのエデン

著者名:榎田尤利(著)
出版社:講談社
出版年:2007.02
ISBN :9784062559362

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2007年02月14日

のだめカンタービレ 17

 入手しました。今回は、マルレ・オケの公演が3回ぶんも入っててお得! もっとも、1回は千秋の指揮ではありませんが。
 しかし、のだめ演目も知らなかったのか〜。それくらい、ふたりに距離があるということですよね。ビックリ。

 もっとも、「それ」以外をすべて投げ捨てる勢いで没頭しないと、なんの分野でも超一流にはなれないんだろうなと思うので、今の千秋先輩とのだめの距離も、まあ納得か、とは思います。思いますけど、せつないのぅ〜。

 あと、マルレのコンマスが好きです(告白)。でも身近にあんな人がいて、始終ダメ出しされたら、参るだろうなぁ。
のだめカンタービレ #17

著者名:二ノ宮知子(著)
出版社:講談社
出版年:2007.02
ISBN :9784063406320
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2007年02月13日

読了メモ:銀の騎士 金の狼

 ほんとうにシリーズ名が変わっていてびっくりですが、〈神話の子どもたち〉〈金の 髪のフェンリル〉につづく〈新たなる神話へ〉の一冊め、です。あと一冊で、シリーズ全体が終了、刊行済み、入手済み、ていうか本屋まわっても一冊前のがない! と頭をかきむしり、ネット書店で注文しました。

 なんか、だーっと読んでしまいました。物語をちゃんと読んだというより、消費するように自分の中を流してしまったような感覚で。我ながら、なんでこうなってしまったのかわからないのですが。
 まとめに入っているようで、話は動いているし、いつものようにキャラクターも魅力的でした。ただ、メインのキャラクターがフェンリルとサラに分裂したことで、ちょっとピントがぼけたのかなぁ……わたしがついていけなかったのかも。

 よくよく考えてみると、フェンリルの話としてこのシリーズを読むのは最初の一冊で終わっていて、あとはサラ(とエリアス)の話として追っている、という傾向があるせいかも。だからシリーズ名が変わったときに、あんなにびっくりしたんでしょうね。
銀の騎士金の狼

著者名:榎田尤利(著)
出版社:講談社
出版年:2006.12
ISBN :9784062559171

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2007年02月12日

マエストロ 2巻

 潰れかけの交響楽団で、棒を振りはじめた謎の老人……と、楽団員たちの物語。1巻を読んだあと、ずいぶん長いこと2巻を見かけないので、どうなってるのかなぁと検索してみたら、ウェブ上で連載がつづいていたことを知る。
 63870双葉社::Webマガジン
 プラグイン不要、購読無料。とのことで、知ってすぐに掲載されていたぶんを読み、どうやら単行本にまとまるらしいということだけチェックして、楽しみに待っていた一冊。

 今回は、ファゴット、トランペット、ティンパニ奏者などがクローズアップされる他、天才だが天衣無縫系(つまり、指揮者と似た感じ?)のフルート奏者、あまねの過去話や、意外なつながりがあったコンマスと指揮者……などが取り上げられています。全体としてみれば長編、しかし連作短編として一話ずつ読むこともできる作品です。
 音楽の視覚化の手腕も優れている作家さんだな、と思います。それは最初に『神童』を読んだときにも感じたのですけど、……そういえば『神童』は映画になるみたいですね。
 漫画はほんと、映像化のために刈り取られまくり、という印象が。
マエストロ 2

著者名:さそうあきら(著)
出版社:双葉社
出版年:2007.01
ISBN :9784575833232
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ガンダムさん

 ガンダムのギャグ漫画。書店店頭で発見(息子が)、たしかどこかで感想を見かけたことがあって(例によって、すでにどこだったか不明)、わりと評価は良かったような? という記憶にのっとって、家人に「買ってあげれば?」と無責任に提案してみたのですが、「さいしょの巻」の方は店頭にありませんでした。
 よって、いきなり「つぎの巻」。

 ファースト・ガンダムをネタ元にしたショート・ギャグの連発です。
 わたしはバッチリとガンダム世代なのですが、TVシリーズは見ていなくて、結婚するときに配偶者が「なにっ、ガンダムを見たことがない? それはいかん」と劇場版三部作LDを見せてくれた(見せられた)ので、それではじめて知識を得た次第。なので、ファーストはわかります。
 おかげでこの漫画も面白く読めました。ありがとう、我が配偶者よ。
 悪辣なシャアひよこ、若者(最新鋭機)に見下げられているザク隊長の中間管理職の哀愁を感じさせるモビルスーツ連作など、いくつかのシリーズに分かれています。

 いちばん笑ったのは、「グレてやる!」のガンダムかな……。ミライさんの最後の台詞が、かなり効いてると思いました。ははは……。
機動戦士ガンダムさん つぎの巻

著者名:大和田秀樹(著)
出版社:角川書店
出版年:2006.12
ISBN :9784047138872
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2007年02月11日

百鬼夜行抄 15

 久々に読みました。家にあったので。たぶん、あいだが何巻か抜けてるんじゃないかと……。

 帯を見て思い出しましたが、ドラマ化されるんですねえ。ぜんぜん見る気ないなぁと思ってしまうのは、たぶん、どちらかといえばストーリーよりも絵が好きでこの漫画を見ているからなのかも、と思います。
 絵というか、画面、作品全体の雰囲気というか。
 これを猛烈に尊重した画面づくりであれば、ドラマでもアニメでも見ますけど、大変そうだしな〜。
百鬼夜行抄 15

著者名:今市子(著)
出版社:朝日ソノラマ
出版年:2007.01
ISBN :9784257905721
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2007年02月10日

読了メモ:古代中国書簡集

 まえに読んだ『プリニウス書簡集』がおもしろかったので、調子に乗って『キケロー書簡集』を買ってみたら歯が立たない(冒頭でもう挫折しそう)……にもかかわらず、懲りもせずに買って見たのが本書。
 発信人が特定されず、時代もバラバラなだけに、『プリニウス〜』で感じたような、昔の人になんだか親近感を覚えてしまうような感覚はないのですが、『キケロー〜』でつっかえたように、うわこの人苦手かもという決定的な「駄目」もないのが、今までに見てきた個人の書簡集との大きな差、でしょうか。

 問題は、古代中国を扱う小説をさんざん読んでいるのに、相変わらず歴史的な流れや固有名詞を覚えていないこと。固有名詞のいくつかは「あっ、見覚えが」と思うのに、この人がなにをなした人なんだったっけ、と考えると「ハテ?」と首をひねって終了。
 ああもう。

 唯一、いわゆる「三国志」の時代の書簡だけが、その解説部分に登場する人名も地名も歴史的状況もだいたいわかった! という……。
 ああもう。

 そんなわたしでも、中島敦の小説で有名な李陵と蘇武の往復書簡、司馬遷の書簡といったあたりには、迫力を感じました。
 ところで、巻末の夫婦の往復書簡はこれ……どう読むべきなんでしょうね? この妻は厳しい妻なのかしら。文章をは流麗で、もう見るからに「才女!」って感じ。しかも豪華な贈り物をもらっても「田舎じゃ使わぬわ、ボケがぁ」といわんばかりの勢い(や、そういう主旨でもないと思いますが)を、これまた調子のよい文章に落とし込んで返書、……病気なので任地まで来てくれと車を送った夫に、空の車と手紙だけ返しちゃうに至った事情、あるいは心情が知りたいものです。
 この夫は妻の性情がわかってなさそうだ、ということはわかりましたけどね。
中国古代書簡集

著者名:佐藤武敏(著)
出版社:講談社
出版年:2006.11
ISBN :9784061597907
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2007年02月08日

夏目友人帳 3

「妖」が見える男の子を主人公にした、連作短編集の第三巻。たぶん、途中から読んでもそれなりに話は通じます。
 先に、まつもとかなめさんの未読処理記録で、どうやら蛍にまつわる話が泣けるらしいと知ってしまっていたのだけど、たしかにこれはうまい。
 どれもしっかりまとまって、いい話だと思います。個人的には「人間怖ぇえ!」な第十一話が好きかな。

 あまり派手派手しくなく、独特の空気を漂わせた作風。笑っても、そのあとにしんとして、ちょっと寂しさが残るような。うまく表現できませんが、そんな感じです。
夏目友人帳 3

著者名:緑川ゆき(著)
出版社:白泉社
出版年:2007.02
ISBN :9784592184461
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2007年02月07日

読了メモ:猛れ、吹き荒ぶ沖つ風

 シリーズ四巻目です。見返しで、『迷宮街輪舞曲』にふれられてて、ちょっとびっくり。
 で、本編の方ですが……うーん……ハードな展開ですね、アリアにとっては。
 ただ、アリアの心が彼に(一応、ネタバレ? 回避? のため固有名詞伏せ)傾いていく過程がこう……うーん。もっとねちねちと、説得力をもたせるエピソードが欲しいです、先生! 胸キュンなシーン所望!

 聖獣の乙女であるアリアに対して、騎士団の騎士たちが馴れ馴れしいなぁ、というのも気になります。
 光焔が出てくる前からとか、出てきたとたんにとか、知り合った人たちは納得するとして。神殿で出会った人の中でも、破格にマイウェイ系の人も別にして。そのほかの、常識人っぽい騎士までもが、ほとんどタメ口といっていい口のききかたをするのは、わたしにはなんとなく違和感が。
 でも、本来この本が対象読者層と想定しているであろう、若い人にとっては、敬語バンバンだと読む気なくなっちゃうものなのかもしれませんねえ。

 あと、幻獣がどれくらい主に干渉するのか、という疑問もあるのですが、ダラダラ長くなりそうなので、このへんで。
 いちばん言いたいことは書いちゃったし。なにかって? もちろん、きゅんきゅん(以下略)
猛れ、吹き荒ぶ沖つ風

著者名:本宮ことは(著)
出版社:講談社
出版年:2007.02
ISBN :9784062559430

 本家サイト感想文リスト 63870 本宮ことは
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2007年02月06日

天空聖龍 3

 若干、これまでの話を忘れ気味なので、思いだしながら読む感じでした。それでも、いろいろと盛り上がっているので、興味をもって読むことができました。
 暗黒龍と聖龍が戦って云々という伝説については、帯に載っていたので助かりました。ラムカとカナンの関係はなんとなく覚えていたのですが、飛蛇の毒を〜、という一件についてはきれいに忘れていたので、これまた助かりました。
 花とゆめコミックスの帯、役に立つなぁ。

 カナンが危機的状況を脱したあとの、ラムカの反応が、かわいいですのぅ……。若いわ〜。
 しかし、物語の展開は甘々ラブラブを楽しむゆとりもなく、なんだか追いつめられていく感じです。きっと伏線とかたくさんあるんだろうなあと思うので、1巻と2巻を本部屋に探しに行かないと。ちゃんと、まとめて置いてあると思うんです。たぶん。そうであって欲しい……。
天空聖龍 3

著者名:山口美由紀(著)
出版社:白泉社
出版年:2007.01
ISBN :9784592182405
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龍の花わずらい 3

 ク……クワン、やるな! ←それが感想かッ!

 先生の正体は意外でした。まったく想像していませんでした。ああおどろいた。
 って感じですが、ルシンの今後が気になります。大丈夫なのルシン!?
 あっ、シャクヤ様の今後もちゃんと気にしてますよ。
 クワンは気にしなくても大丈夫そうですが気になります。罪な人。

 今回、帯がついてたんですけど、表のダジャレ(?)もすごいですが、裏もすごいですね。「禁断のぶどうの実」って、ナニソレーッ!?
龍の花わずらい 3

著者名:草川為(著)
出版社:白泉社
出版年:2007.02
ISBN :9784592183358

 今日はちょっと都会に出たので、この本のほかにも、いろいろ買ってきました。買いそびれていた『天空聖龍 3』とか、ホワイトハートの新刊とか。探しても、みつけられないものもありました。うぬぅ。読みたいんだ〜! 読ませろ〜!(凶暴化)
posted by うさぎ屋 at 17:33| Comment(2) | TrackBack(0) | 漫画

2007年02月04日

読了メモ:花陰の鳥〈風の王国〉

 風の王国、シリーズ最新刊は外伝……といっていいのかな。リジムの父であるソンツェン・ガムポ王の若かりし日を描く。彼の「二番目の妃」選びが主題なので、メインの視点人物となるのは大王自身ではなく、彼のお妃候補のひとり、ティモニェン。
 いやぁ、ティモニェンいいなぁ。かわいい! 前向きで、偏りがなくて、バランス感覚にすぐれていて。少女らしいまっすぐさと潔癖さも兼ね備えて、読んでいて心があたたまります。大王ならずとも、彼女を身近に置いて暖をとりたくなるでしょう。ドルテ様といい、ティツン様といい、実は女運最強なんじゃないでしょうか、ソンツェン・ガムポ様。

 ちょっと幕切れがあっけないかなぁ、と感じましたが、終盤の展開を踏まえ、いろいろと苦いものを含みつつ先行きを見据えるという感じなので(ネタバレ? だ、大丈夫だよね?)、しかたないですね。
風の王国花陰の鳥

著者名:毛利志生子(著)
出版社:集英社
出版年:2007.02
ISBN :9784086008716

 本家サイト感想文リスト 63870 毛利志生子

 ぇー、ついででナニですが、本家サイト用に書いていた短編(なのか?)は、一応最後まで到達しましたが……とても人前に出せる完成度ではないので、唸っているところです。うーん、困った。あ、本人は書いててすごく楽しかったんですけど。なんも考えないで書くのって、楽しいですね〜。
posted by うさぎ屋 at 17:32| Comment(4) | TrackBack(0) | 小説

2007年02月02日

読了メモ:喪の女王 5〈流血女神伝〉

 買いました! 読みました! 遠征せずに済みました〜。
 今回はエドの出番があったのでほっとしました(それですか、いきなり!)

 いやまぁ、お話の展開は展開としてですよ。それはそれとして! 面白いですが。ジェットコースターですが。すごいなぁと思いますが。
 すごいの内訳は、各国の気候・風土にあわせて当然発展する文化が違う、という点をよく押さえてあるよなあ、し尿処理問題までとりあげますか、コバルト文庫ってどっちかというとそういう地に足のついた話よりも、ふわふわきれいきれいが好まれる乙女のレーベルだったような気がするんだけど……しかもキャラクター小説でもない感じがするし……むしろ政治歴史軍事小説? ……を、コバルトで? ってこれはコバルトというレーベルに対して偏見を抱き過ぎなのかも。でもふつうは、歴史を扱ってももっと恋愛寄りに演出するもののような気が。それを自分のスタイルで押し通せるだけの実力と人気と実績があるのだろうなと考えると、すごいなぁ。

 とまあ、そういったことを思いますが、エド派なので彼の目立つ出番があると嬉しい限りです。
 あと、カリエの面食いには果てがないな……というのが、今回の感想でございます。
流血女神伝喪の女王 5

著者名:須賀しのぶ(著)
出版社:集英社
出版年:2007.02
ISBN :9784086008747

 本家サイト感想文リスト 63870 須賀しのぶ
posted by うさぎ屋 at 22:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説