2006年01月31日

献本御礼:ヴァルデマールの新刊来ましたー

 訳者の山口緑さまから、いただきました! ありがとうございます〜。

 女戦士を主人公にした異世界ファンタジーですが、著者が世界の構築になみなみならぬ愛情をそそいでいるため、彼女らの旅する世界に奥行きがあり、ひじょ〜〜〜〜に面白いです。
 わかりやすいお色気要素で媚びていたりはせず、むしろ寒い、腹減った、金がない、……と、やたら現実的な苦労をしてるあたりが、いいんですよ。なにしろ、主役キャラが領主の娘とかそういう「お姫様クラス」でも、館の切り盛りをまかされてウンザリ、食費の計算して頭を抱えちゃいます、なんて展開なのが容赦なくてわたしは大好きなのです。

 TRPGをプレイする人などにとっては、「傭兵」のリアルっぷりが参考になると思うので、そういう視点で読んでも面白いかと。

 ヴァルデマールのシリーズは、もうずいぶん刊行が重ねられておりまして、たしか邦訳第一弾は今は亡き社会思想社・現代教養文庫の『女王の矢』上下巻だったんじゃないかな……。著者名は「メルセデス・ラッキー」表記だったと思います。これも再刊していただけないでしょうか東京創元社さま。無理ですか。

 その後のシリーズは、一貫して東京創元社の創元推理文庫から出ていたはずで、『女神の誓い』『裁きの門』『誓いのとき』『運命の剣(上下)』『宿命のささやき(上下)』、そして今回の『失われし一族』とつづきます。

 こう書いてしまうと、そんな長いシリーズとても無理、と思われるかもしれませんが、最初の社会思想社のシリーズは、「当面は直接のつながりがない」かたちで、東京創元社の『女神の誓い』が始まってますので(話が進んだときに、両方読んでいると、「あ、つながってる」と思うだけです)、問題ないのです。ていうか、みなさん読んでください! 読んでください!
 そしてわたしも新刊読まなきゃ。待ったわ〜。楽しみだわ〜63899
失われし一族 上
著者名:マーセデス・ラッキー
     山口緑
出版社:東京創元社
出版年:2006.01
ISBN :4488577083
失われし一族 下
著者名:マーセデス・ラッキー
     山口緑
出版社:東京創元社
出版年:2006.01
ISBN :4488577091
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読了メモ:戦う司書と雷の愚者

 去年、『戦う司書と恋する爆弾』でデビューした著者の、同じ世界を舞台にした新刊。

 頻繁に回想シーンが挿まれた構成で、時系列が一直線ではない話運びをうまく読ませます。いやー、若い人は成長が速いネ。と、年寄り臭い感想を抱きました。だって82年生まれですよ。わたし66年だからさぁ、実に……いや引き算するのはやめよう。

 ちなみに一冊めの感想はこちらです。
 63870 http://usagiya.cside2.com/notes/rnote.php?u=books/08ya/4086302578.htm
 この(2005年にわたしが読んだ)デビュー作がすごい! でもピックアップしちゃいました。
 63870 http://usagiya.cside2.com/read/shop/month006.html

 世界観はかなり捻られていますが、要所要所の決め台詞は直球どストレートに熱いのです。そのバランスが、いいのです。
 既刊でも登場済みのキャラでは、つねに二分先を先読みする武装司書マットアラストがクールで好きなのですが、今回も開巻早々の戦闘シーンで大活躍してくださりまして、嬉しかったです。
戦う司書と雷の愚者
著者名:山形石雄
出版社:集英社
出版年:2006.01
ISBN :4086302764
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2006年01月30日

読了メモ:とぶ船

 先日の記事で新版が出たとおしらせした『とぶ船』ですが、わたしが持っているのはこの1966年版です(ただし、手元にあるものは第四刷であり、初版第一刷ではありません)。

 なつかしくなって読み返してみましたが、やはり、胸が痛くなるように好きな本だなぁ、と思いました。

 物語は、男の子二人、女の子二人の四人兄弟が主人公の、典型的な英国児童文学系ファンタジーです。ほんの偶然から、男の子のひとりが「望みのままの場所へ連れて行ってくれる魔法の船」を手に入れ、兄弟がそれに乗って地域や、時代さえ超えて冒険をする話です。エジプトのファラオに会ったり、ノルマン人侵攻時代の英国でお姫様と友だちになったり、いかにも楽しそうな冒険ですが、つねに命の危険と隣り合わせのあやうさをにおわせます。

 著者が歴史小説畑の人で、もとは自分の子どもに語り聞かせた物語に端を発したというこの物語は、時間の壁がかたちづくる「ギャップ」を雄弁に語り、また、すべてを飛びこえる船の魔法さえ、万能ではないことも教えてくれます。魔法は、いつまでも手元に留めてはおけないことも。

 歴史物語に「遥かな時代のかなた」を見出し、そのギャップ、過ぎ去って二度と戻ることのない光のきらめきを感じるタイプの読者であれば――あくまで児童文学ではあるので、「児童文学向けチャンネル」にチューニングできる能力も必要かもしれませんが――この物語は、たぶん、せつなくも得難いものと感じられるのではないかと思います。
とぶ船
著者名:ヒルダ・ルイス
     石井桃子
出版社:岩波書店
出版年:1966.11
ISBN :4001108224

 しかし、1966年って。わたしが生まれた年ですよ。
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このファンタジーが良さげ

 もうじき〆切ですよん。
 63870 http://leon.cocolog-nifty.com/blog/2006/01/2006__4c72.html
 いろんなかたの「オススメ本」を見てみたいので、プッシュプッシュ。

 去年のベスト本を数えあげるページはあちこちにありますが、「ファンタジー」と限定してやっているところは、ほかに見当たらないので……。
 もしご存じのかたがいらしたら、お教えください。

 ついでなので、なんとなく目にしたその他のベスト本ページへのリンクなど。

 ブロガーが選ぶ「2005年に読んだベスト」まとめ
 63873 http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2006/01/2005_c3e2.html
 【わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる】さんによる、まとめページ。なにがおもしろいって、わたしのふだんの読書傾向とまったくかぶっていない本が多過ぎて、なにがなにやら見当もつかないところがおもしろいのですよ。

 ライトノベルリンガーの2005年ベスト本まとめ
 63873 http://d.hatena.ne.jp/deltazulu/20060105/1136463739
 こちらは【私的ファイル deltazulu 記録再開】さんにある、【ライトノベルリング】参加者のベスト本をまとめたリンク集。なので、自分自身の読書履歴とかぶっているタイトルも多く、なるほどなるほどと思いながら眺められるのが、おもしろいのです。いやもちろん、読んでいない本はたくさんあるのですが。

 deltazuluさんご自身のレビューは【booklines.net】に大量にあります。ものすごい読書量かつ丁寧な感想に、感心します。ほんとに。
posted by うさぎ屋 at 14:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2006年01月29日

読了メモ:シャリアンの魔炎 5

 シリーズ完結編。たいへんに、シビアなファンタジーでした。いま、読み終わりました。すごかったです。
 手を緩めずに、よくぞ書ききってくださいました。おめでとう! ありがとう! やっぱりファンタジーっていいよね! って感じで、うまく日本語になってませんが、とにかくこれは最後まで読んでほしい作品です。

 先にも書きましたが、書店店頭で見かけないから、と買い控えていると一生手にとれないかもしれません。買ってください。オススメです。

 根底にあるのは、カルチャー・ギャップとその衝突。女神の加護を受けた特別な戦士が、「女にふれると力を失い、また死後の安寧も保証されなくなる」にもかかわらず、敵国の娘に惹かれていく、また娘の方も数多の同朋を殺めた仇敵と知りながら孤独な戦士を見捨てられないという、もどかしい恋愛ものです。いやー。何度ジタバタしたことか。それもこの巻で最後と思うと、感慨深い……。
 638704巻の感想

 乙女的な胸キュン・シーンはガッチリです。ご安心ください。ルァズかわい過ぎます。
 そしてファンタジーならではの醍醐味も、バッチリです。終盤の展開は、読んでいて背筋がこう、ゾクゾクっときましたよ。
 読んでてよかった! 書いてくれてありがとう! やったね、おめでとう!――敢えてそのゾクゾクを言葉にすると、そんな感じです。

 ゆうきさんには、またこういったファンタジーを書いてほしいです。ジャンル読者のワガママですけど、また読めるといいな、と思います。
シャリアンの魔炎 5
著者名:ゆうきりん
出版社:集英社
出版年:2006.02
ISBN :4086007274
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2006年01月27日

読了メモ:フルメタ長編第二巻

 最新刊を読んだ勢いで、長編第二巻となる『疾るワン・ナイト・スタンド』を読み返してみました。
 それで、書棚を見て気がついたんですけど……なんか、抜けがけっこうあるんですが……いったいどこに……(動揺)

 ダブル・ヒロインががっちり組み合う最初の話で、宗介の唐変木ぶりが遺憾なく発揮されてステキでした。今回は、悪役がちょっとあわれというか、若くして破滅に走ってしまう人たちの寂しさというか……。
 自分が年を食って「親」とか「保護者」の側にまわってしまったからでしょうけど、若い者が希望を失ってしまうというようなシチュエーションに感じるやるせなさが、昔と比べて3割増くらいになってる気がします(当社比)。
疾るワン・ナイト・スタンド
著者名:賀東招二
出版社:富士見書房
出版年:1999.03
ISBN :4829128755
posted by うさぎ屋 at 22:14| Comment(0) | TrackBack(1) | 小説

献本御礼:シャリアンの魔炎5

 出ました〜。というか、まだ出てないけど、届きました〜! シャリアン完結編!
 ゆうきさん、ありがとうございます。そして働き過ぎ(以下いつもと同文)
 こちらも、早めにいただいたため、ほんつなデータベースにはまだ入っていません。
 63870集英社書誌情報@ほんつなで「シャリアン」を検索

 暗くて重たいファンタジーですが、ゆうきさんが「こういう物語を書くのがすごい好き」とあとがきで漏らしておいでの作品で、完結にこぎつけてよかったなと。人様のことですけどホッとしました。

 ただ、今回は部数がほんとうに少なめだとのお話をうかがいました。
 都会の、ライトノベル・レーベルに強いお店には並ぶでしょうけれど……ふつうの「近所の本屋さん」にまでは、行き渡らないのではないかとのこと。
 確実にお手に入れていただくためには、書店さんに取り寄せ注文をお願いした方がいいかもしれないです。

 ……といった、世知辛い事情はともかく。
 前の巻の最後がものすごい引きだったので、ちょっとドキドキ。どどどうなるんでしょうね?
 なにしろ乙女的には※※が××に○○るというイベントでこう。ルァズ幸せになってくれるかなぁ。無口で不器用なヒーローで、かなりツボなのです。

 ※2006-01-29追記:データが入ったようなので、追加しておきます。
シャリアンの魔炎 5
著者名:ゆうきりん
出版社:集英社
出版年:2006.02
ISBN :4086007274
posted by うさぎ屋 at 22:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2006年01月26日

献本御礼:レオンと魔法の人形遣い(上下)

 東京創元社さまより、いただきました。ありがとうございます。まだほんつなデータベースに入っていないようなので、とりあえずタイトルのみご紹介しておきます。
 →東京創元社の書誌情報ホーム(@ほんつな)

『レオンと魔法の人形遣い』、上下巻、ハードカバーで sogen bookland レーベルより刊行。

「ある日とつぜん魔法が使えるようになった」ニューヨーク在住の少年が主人公の三部作らしく、下巻の帯は、こう。
このぼくが
意地悪な先生のカツラを
はずしてやったんだ!

 ……楽しそうです。

 なんとか時間をつくって読みたいと思います。という本が山をなしているわけですが、頑張ります。

 ※2006-01-30追記:データが入ったようなので追加しておきます。
レオンと魔法の人形遣い 上
著者名:アレン・カーズワイル
     大島豊
出版社:東京創元社
出版年:2006.01
ISBN :4488019382
レオンと魔法の人形遣い 下
著者名:アレン・カーズワイル
     大島豊
出版社:東京創元社
出版年:2006.01
ISBN :4488019390
posted by うさぎ屋 at 17:04| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2006年01月25日

読了メモ:ギルガメシュ叙事詩

 まだメソポタミアもの読んでたのか! といわれそうですが、ハイ。読んでました。美容院で読み終えました。ギルガメシュとパーマ液の匂いがセットで記憶されてしまったかもしれません。

 先日、読了未満メモとした『筑摩世界文学大系 1 古代オリエント集』。前半のメソポタミアだけ読んだと書きましたが、その中でも実はギルガメシュは飛ばしていました。なぜなら、文庫で買ってあったから。つまり、この本です。

 叙事詩本編は、どうしても欠落部分が多くて「純粋にお話として」みると、うーん、という感じです。盛り上がるぞ、と思うシーンが、すぱーんと抜けちゃってたりしますし。まぁ古いものなので、いかんともしがたく。残っていて、しかも失われた言語なのに解読されているということの方を、スゴイと思うべきでしょう。

 本書を読んではじめて知ったのですが、洪水伝説発見者である大英博物館のジョージ・スミス。1872年にこれを発見して一躍名をあげたあと、オリエントで現地調査を重ねるも、過酷な気候に身体が耐えられず、1876年には客死してしまわれたそうで……。たった4年かー。無念だったことでしょうね。
ギルガメシュ叙事詩
著者名:矢島文夫
出版社:筑摩書房
出版年:1998.02
ISBN :4480084096
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2006年01月24日

読了メモ:フルメタ1読み返し

 うっかり再読してしまいました。徹夜で。
 アホですね>自分

 それにしても、おもしろい。エンターテインメントだなぁ、としみじみ思います。
 こう面白いのって、きっと書き手のサービス精神が旺盛なんだなぁ、つまり「読み手のために書いている」んだなぁ、具体的にいうと「こう書けばおもしろがってもらえるだろう、これならどうだ」と反応を考えながら組み立てたり、加減したりしてるんだろうな、などと当たり前のことを大真面目に考えたりしました。

 まえに、『バベルの謎』の追加感想で「エンターテインメントの定義」についてちらっとふれましたが――まぁあれも当たり前のことなのでしょうけど、まったくあの通りですなー。
 こう書けばきっと楽しませることができる、とわかって書けるようになってみたいです。

 つまり、わたしがエンターテインメントを書こうとしては失敗しているのは、「読者のために」という精神が徹底していないからなんだろうな、と思ったりしたわけで、本筋に関係ない感想ですみません。
 ほんとにおもしろいシリーズで、おすすめです。
戦うボーイ・ミーツ・ガール
著者名:賀東招二
出版社:富士見書房
出版年:1998.09
ISBN :4829128399
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2006年01月23日

読了メモ:フルメタル・パニック! 8……だっけ?

 通巻番号がないのでイマイチ自信がないのですが、8だよね? 違う? まぁいいや、2006年1月時点での最新刊、直前の巻は『つづくオン・マイ・オウン』です。

 今回は宗介の孤独な戦いって感じですが、まぁ展開が展開なので、いろいろとイッちゃってまして(遠くに)、でも宗介カッコイイー! みたいな感じでした。
 すみませんね。もうじき40なのにミーハーまるだしで。ごめんなさい、ほんと。

 でも、おもしろかったです。燃えました。読めて幸せだなぁ。作者さんありがとう! 出版社さんもありがとう! この本を買ってる同志のみんなもありがとう! 作者さんが書いてくれて、みんなが買ってくれるから、次の本が出るんだよぅ(いろいろなことを考えて目の幅ナミダ)。

 あとですね、これも叫んでおきましょう。サベージカッコイー! 無骨な機体ラヴ! 頑丈が取り柄ラヴィ!
燃えるワン・マン・フォース
著者名:賀東招二
出版社:富士見書房
出版年:2006.01
ISBN :4829117931
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2006年01月21日

読了メモ:ペルシア神話

 詳しくない部分を辿りながら埋めていこう作戦、ペルシア篇。詳しくなさ過ぎて、つらいです。

 過去に本で読んだりゲームで見かけたりしたカタカナ名前が頻々と顔を出すのですが、なにしろ脈絡なく断片的に見かけたものばかりなので、「あーこれ、ペルシアだったのか!」みたいな感じ。
 神話と信仰の概略が書かれていて、神話自体が多数おさめられているわけではないです。

 メソポタミアからのつながりでペルシアに行ったんですけど、これを読むと、インドとのつながりの方が濃いですねぇ。やっぱりアーリア人同士だし。デーヴァとアスラが逆転している件なども、興味深いです。
ペルシア神話
著者名:ジョンR.ヒネルズ
     井本英一
     奥西峻介
出版社:青土社
出版年:1993.10
ISBN :4791752724
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2006年01月20日

STOP劉備くん!

 フルメタの新刊を買いに行って、なんとなく一緒に買ってきて、なぜか先に読んでしまいました……。

 三国志をベースにした四コママンガ集なので、三国志(とくに演義)の知識があった方がおもしろいと思われますが、逆に、ここから入って「三国志ってどんなんだろう?」と、興味がおもむくままにどんどんつついていく、というのもアリでしょう。玄ちゃんかわいいし。孔明苦労性だし。

 あとがきを読んではじめて知ったのですが、原稿が流出したりしてたんですね。そりゃぁびっくりだ。
 妹さんが処分なさってしまったようで。同じお仕事をなさらなかったのでしょうね、妹さんは。
 わたしには、姉に無断で原稿を処分などということは、ちょっとできかねまする。手伝っていた時期が長過ぎますし。このカケアミがわたし、ベタがわたし、トーンがわたし、模様がわたし、モブがわたし……(笑) 無理無理。
STOP劉備くん!
著者名:白井恵理子
出版社:メディアファクトリー
出版年:2005.11
ISBN :4840113378
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2006年01月19日

読了メモ:不在の騎士

 カルヴィーノは文庫化で読むきっかけを得た作家ですが、『不在の騎士』は、今まで読んだ中ではいちばん読みやすかったです。
 軽妙洒脱、中世騎士物語のパロディであり、思索の書であり、不安と解放感を抱かせてくれます。白銀の鎧に包まれた非の打ち所もなければ実体もない騎士のアジルールフォは、偉大な皇帝シャルルマーニュの臣下で、宴席を囲む仲間にオルランドがいたり、スコットランドの森の中には聖杯騎士団がいたり。

 なんだかモンティ・パイソンのスケッチのようでもあります。パイソンズは、絶対カルヴィーノ読んでるだろうなぁ、と思いました。中盤をこえてからの修道女の筆運びなんて、テリー・ギリアムのアニメーションで再現したら、さぞおもしろいだろうと。
 むしろ、テリー・ギリアムに全篇映像化してほしいです。きっと、おっそろしく予算がかかるんでしょうけど。

 多少、中世騎士物語系の基礎知識がある方が楽しめるんじゃないかと思います。わたしもオルランドはちゃんと読んだことがないので(実は大枚はたいて買ったので、本を持ってるだけは持ってるんですけどね……)、知ってる人だけ笑えるところもあるんじゃないかな、と思いますが。

 カルヴィーノ著書感想文一覧 63870 http://usagiya.cside2.com/search/?ItaloCalvino
不在の騎士
著者名:イタロ・カルヴィーノ
     米川良夫
出版社:河出書房新社
出版年:2005.12
ISBN :4309462618
posted by うさぎ屋 at 02:26| Comment(4) | TrackBack(1) | 小説

フルメタの新刊が出るようです

 今年も元気にチェックチェック。

燃えるワン・マン・フォース
 フルメタル・パニック! の新刊か〜。久々〜。
 既刊感想文一覧 63870 http://usagiya.cside2.com/search/?ShoujiGatou
 著者サイトで確認してきました。
▼フルメタ
今月二〇日前後に、最新刊の『燃えるワン・マン・フォース』(以下OMF)が出ます。連載版の内容にあれこれ加筆修正したものです。宗介の過酷な春休みといった感じで、全体からみると通過点にすぎない話なのですが、これを書いていて自分はいろいろと重要な決断をすることになりました(いや、悪いことじゃないから。ご安心を)。

gatoh.com MESSAGE/気まぐれ日記/2006/01/02(Mon)

 楽しみです!

のだめカンタービレ #15 限定版
 例の「ぎゃぼ」と鳴くマングースのぬいぐるみつきバージョンですね。すごいなー。

・とぶ船 新版 
 新版って、べつに訳が変わったとかじゃないよね? と、気になって岩波書店のサイトで確認。「石井桃子訳」としっかり書かれていたので、たぶん訳文自体は同じなのではないかと思われます。
 とても好きな本なので、ハードカバーで持っています。ひとことで説明すれば、英国児童文学の黄金パターンを踏襲している……とでもいえばいいのかな。男女とり混ぜた兄弟がいて、魔法の存在とであって、不思議なことが起きる。
 この本では、魔法の存在が(その筋の知識がある人にとってはバレバレだと思うのですが)某神話の神様であったり、そうして得た魔法で行く先がノルマン人侵攻時代の英国だったり、という展開。

 古い児童文学は、実は抄訳(しかも注釈なしで)というケースがあるらしいので、新版と表記されるとドッキリします。
posted by うさぎ屋 at 00:21| Comment(6) | TrackBack(0) | 刊行予定

2006年01月18日

デビュー当時

 本家サイトで、雑誌デビュー短編となった「仮面祭」を再公開しました。

 なつかしいのですが、いま見ると、ものすごく文章が……。
 でも、いま直してもどうせまた何年かしたら「ギャァー(気絶)」となるように思うので、ここはひとつ我慢の子で。

 この短編が雑誌に載った経緯は、非常にふざけたものです。当時ファンタジー・バブル末期で、出足の遅かった各社がファンタジーの書き手を探していました。
 姉(漫画家)の仕事場に電話がきました。

 編集「今度さぁ、俺、小説やることになったんだけど、なんか書かない?」
  姉「妹が書きますよ。電話変わります」
 編集「今度さぁ(以下同文)」
わたし「えっ。いいんですか」
 編集「書いてよ」
わたし「じゃあ、見本にですね、ニフティのSFファンタジー・フォーラムのライブラリに「仮面祭」という短編があるので、読んでみていただけますか」

 で、雑誌掲載です。それまでさんざん新人賞に落選したり、編集者に見てもらっても首をひねられたりしていたのは、なんだったんだろー? という感じでした。

 運だけでデビューしちゃったので、なにかこう、地道な努力とかそういうものを否定された気がして。
 嬉しかったのですが、釈然としないなぁ、とも思いました。

 とはいえ、「デビューするための活動」(=新人賞への応募、編集部への持ちこみなど)をやめただけで、小説を書くこと自体はやめていなかったからこそ、「では見本を見てください」と原稿を提示できたわけですから。
 とりあえず書きつづけてればいいかなー、という感覚は、このへんから来ているのかもしれません。

 ちなみに「仮面祭」は同タイトルの短編集として上梓されましたが、版元品切れで、現在は入手困難となっております(お約束)
仮面祭
著者名:妹尾ゆふ子
出版社:白泉社
出版年:1993.01
ISBN :459286056X
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2006年01月17日

献本御礼:碧雲の艦隊

 菅谷さん、いつもありがとうございます。菅谷さんも働き過ぎ……。
 どうしてこう、みなさん働きまくりでいらっしゃるのですか! スローライフしようよ! といいたくなりますが、まぁそこはそれ。菅谷さんの仮想戦記、今回はあの戦艦「大和」が二隻存在していたという奇想を軸に展開するお話のようです。
碧雲の艦隊
著者名:菅谷充
出版社:有楽出版社
出版年:2005.12
ISBN :440860352X
posted by うさぎ屋 at 15:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説

献本御礼:でぃ・えっち・えぃ4

 ゆうきさん、働き過ぎです! いつもありがとうございます。
 まーわたしは働いてなさ過ぎなのですが……。そういう「当社比」感覚を抜きにしても、働き過ぎですよー。世の中の編集者が「これくらいのスピードで書けるのが当たり前」と勘違いすると困るじゃないですか! もうちょっとセーブしてください!(そういう理由か>自分)
でぃ・えっち・えぃ そのよん!
著者名:ゆうきりん
出版社:メディアワークス
出版年:2006.01
ISBN :4840232709
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2006年01月16日

読了メモ:ぬしさまへ

 先日読んだ『しゃばけ』の続編。今度は短編集。

 おもしろかったです。判じ物(推理)としてのウェイトが大きい話もあれば、純粋に人情話として読めるものもあり、著者の力量をうかがわせます。若だんなが象徴する、「しなやかに強い」人たちの物語で、読後感がよいのです。

 半端に体調が悪いとき、布団にくるまって、若だんな気分で読むといいかも。
ぬしさまへ
著者名:畠中恵
出版社:新潮社
出版年:2005.11
ISBN :4101461228
posted by うさぎ屋 at 17:29| Comment(0) | TrackBack(2) | 小説

2006年01月14日

取次さんはエライ気がする

 たとえば、こんな会話があるわけですよ。

わたし「タイトルに番号つかないんですか?」
 編集「ああ、番号つけるのは営業が嫌がるので、申しわけありません」
わたし「営業さんが? なぜ?」
 編集「番号ついてると、取次さんがなかなか取ってくれないそうで」

 都合が悪くなると取次のせいにしてるんじゃないの? と思いたくなることもありますが。

 それはそれとして、たしかに「取次」というのは、直接の接点はないけれど、なんかすごい影響力がありそう! みたいな感覚はあるなぁ、と思います。著者にとっても、読者にとっても。

 当然、取次が取ってくれないから店舗に出回らなくなりそう! ピンチ! という展開もあり得るわけです。
 その実例が、【版元ドットコム】の、「『テロ死/戦争死』は死なず」に書かれています。

 取次といえば、この「ほんつな」は、たしか上のリンク先にも出てくる大阪屋さんの肝いりではじまったブログ(+データベース+連想検索)のシステムと認識しております。
 わたしがここを借りたのも、もとはといえば、
「取次さんも、いろいろ新しいことをやろうと頑張ってるんだなー。応援したいなー」
 と思ったのがきっかけでした。ということを、思いだしました。

 なお、上の記事は【ウラゲツ☆ブログ】さんで知りました。『燈火節』を刊行してくださった(平伏)月曜社の編集者さんのブログなので(まだ読み終わってませんが……。いつ読み終わるんだ自分)、たまに覗きに行っております。

 取次とか出版社とかによらず、組織が大きくなっていくと、その組織自体の保身が第一になって、守りに入ってしまう、というのは自然な流れなんじゃないかな、などということも考えさせられました。善悪是非の問題ではなく、そうなってしまう、という話です。
 もちろん組織だけじゃなく、個人でも「プランド力」がある名前の看板を背負っていれば、そうなるのでしょうね。

フォト・ドキュメントテロ死/戦争死
著者名:第三書館編集部
出版社:第三書館
出版年:2005.12
ISBN :4807405284
posted by うさぎ屋 at 23:26| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

読了メモ:しゃばけ

 お江戸に生まれ育った大店の若旦那が主人公。とにかく病弱なので甘やかされて育ち、しかも甘やかしてくるのが両親のみならず、物故した祖父がつけてくれたふたりの手代……と見せかけて、正体はかなり力のある妖(あやかし)たち。その若旦那が「甘やかし隊」の目を盗んで抜け出した夜更けに、人殺しの現場を見てしまった。……というお話。

 いや、おもしろかったです。若旦那の立ち位置は、現代人読者に感情移入しやすいんではないでしょうか。ふつうの江戸時代人を主人公にとるより、ずっと。

 妖たちもかわいいのですが、恐ろしさがほとんど感じられず、ほのぼのというか、癒し系かな? 楽しく読めました〜。
しゃばけ
著者名:畠中恵
出版社:新潮社
出版年:2004.04
ISBN :410146121X
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2006年01月13日

のだめ14

 買ってきました! 読みました!
 先輩のツッコミは優秀なんですね!
のだめカンタービレ #14
著者名:二ノ宮知子
出版社:講談社
出版年:2006.01
ISBN :4063405753

 15巻は、マングースつきの特別版が出るらしいですよ。あー、ちょっと心が揺れ動きました。
 なにしろ、お腹を押すとぎゃぼー。

 うーむ。

 詳細は折り込みチラシをご参照ください。わたしは悩みます。うぬー。
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2006年01月12日

読了メモ:喜びのおとずれ

 ナルニア国物語の著者、C・S・ルイスの自叙伝。

 後半の力点は、「我いかにしてキリスト教徒となりしか」という、ルイス自身の回心に置かれているので、回心する気が微塵もない読者であるわたしにとっては「うーん」な内容でしたが、前半、とくに序盤の子ども時代の描写はすばらしく、彼がいかに自分が幼かった日々を忘れていないか、心に深く留めているかを知ることができます。
 そしてまた、だからこそすぐれた児童文学の書き手であったのだろう、ということも納得できます。

 トールキン(本書中ではトルキーン)の名前も挙げられますが、ほんとうに「名前が出てくるだけ」でした。
喜びのおとずれ
著者名:C.S.ルイス
出版社:筑摩書房
出版年:2005.12
ISBN :4480421688
posted by うさぎ屋 at 12:53| Comment(0) | TrackBack(1) | その他の本

ちくま文庫20周年プレゼント

 去年チェックした、ルイスの自叙伝『喜びのおとずれ』を入手したのですが、それによれば、ちくま文庫は20周年でプレゼントを実施中とか。
 あまりノベルティ・グッズなどに興味がない方なのですが、今回はなんと、「文庫解説のセレクション本」だとか。
 おお。これはちょっと欲しいかも。
でも「解説」だけを読む機会というのはほとんどありません。
どの文庫に誰がどんな「解説」を寄せているかもわかりません。
せっかくの傑作・力作なのにもったいないかぎりです。

そこで筑摩書房ではちくま文庫創刊20周年を記念して、これまでに出したちくま文庫からお奨めの「解説」をセレクトして、それだけで1冊の本にすることにしました。

http://www.chikumashobo.co.jp/top/051028/

 そうなんですよねー。誰がどこに解説を書いているか、わりとわからない。わたしもえーと、早川書房、東京創元社、あと角川春樹事務所さんから、ありがたいことにご依頼をいただいて書いた記憶はあるのですが、自分でもどこになにを書いたか全部は覚えていないわけですね。昔はこまめにリストアップしてたんですが。

 そうそう、それで思いだしましたが、e-NOVELSのメールマガジンにアンケートが載っているはずです。

 話が逸れましたが(思いきり)、応募のためには、ちくま文庫・ちくま学芸文庫の2005年11月〜2006年1月新刊、およびフェア対象商品についている帯の応募券二枚が必要となるようです。
 〆切は1月31日のようなので、応募するなら早めにもう一冊買わないとなぁ。欲しい本がないわけではないのですが、いつ読むのかどこに置くのかと考えるとこう……。

 で、でも、いい機会だから西郷信綱さんのチェックしてた本を買うとかどうだろうか。←すっかりキャンペーンに踊らされているわけです。
posted by うさぎ屋 at 01:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2006年01月11日

ナルニア国物語、映画化記念講演&トーク

 岩波書店にある、『ライオンと魔女』の映画化連動キャンペーンのページを眺めていて、発見しました。
■開催日時:2006年2月23日(木)午後6時30分〜9時
■会場:浜離宮朝日ホール(東京都中央区築地5-3-2)
■出演者:
  金原瑞人氏(翻訳家・法政大学教授)
  上橋菜穂子氏(作家・川村学園女子大学助教授)
  久保純子氏(アナウンサー)
http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/narniakouen/

 申し込み〆切は、1/31とのことです。面白そうですが、平日のこの時間帯に外出は無理でございますのことよ。
 上橋さんって、ナルニアというよりは、もっとディテールのこまかいものがお好きなのではないかと思っていたのですが、勝手なイメージだったんだなぁと思いました。

 まぁわたしも、読者さんからすると意外なものを好き好き騒いでたりするのかもしれませんし。
posted by うさぎ屋 at 19:28| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2006年01月10日

読了メモ:バード・ハート・ビート

 ずいぶん前から気になっていた本。巨鳥と共生する国の少年が、競鳥のために卵から育てた相棒と訓練をしていたとき、猛禽に襲われている見知らぬ鳥と人を見つけて、偶然、救助することになるところから始まる冒険譚。ア・ボーイ・ミーツ・ア・ガールであり、成長譚であり、レース小説であり、「巨鳥が当たり前にいる異世界」をシミュレートした異世界小説である。おもしろかった。

 近所の書店さんは、ファミ通文庫の品揃えが「壊滅的」といってもいい状況なので(十冊も置いていない。そんな少しだけ置いてあるということの方が、なんだか不思議なくらいだ)、この本も通販で買うことになった。
 ファミ通文庫、おもしろい作品がけっこうあるようなのだけど、事前にネットなどで情報を得ているにしても、試し読みもせずに買うのはわりと勇気がいる。

 でも、読んでしまってから気がついたのだけど、この作者さんの本は初めて読むわけではなかった。デビュー作を読んでいたようなのだ。ああ、あの人の本か! と気がついてみると、なるほど、鳥の生態の説明など、いかにも著者らしいこだわりがある。持ち味を殺さずに書きつづけてるんだなぁ、と思った。
バード・ハート・ビート
著者名:伊東京一
出版社:エンターブレイン
出版年:2005.09
ISBN :475772389X
posted by うさぎ屋 at 20:31| Comment(2) | TrackBack(1) | 小説

千利休

 千利休の一生を駆け足で描いた漫画。この作者らしい、つきはなしたクールなキャラクターが、千利休のイメージにぴったり。な気がする。……弱気なのは、そもそも千利休についての知識が薄くて、もともとのイメージが明確なわけではないから。でも、なんとなく利休は「とらえどころがなく、クール」な人のように思える。
 なんでだろう。

 作者らしいといえば、この作者はほんとうに「この人でなければ描き得まい」という漫画を描きつづけている人で、この本にしても、こういう形になるのは、やはりこの人だからだろう、と思う。

 ずいぶん前に買ったのに積みっぱなしになっていたのは、とても読みづらかったから。なにしろ登場人物が多いし、基礎知識が薄いので「誰が誰やら」とすぐ頭をひねることになってしまう。これでも、戦国時代については前より多少知識が増えたはずだけどな、と自分で自分に微苦笑。
 それと、特定の人物に感情移入して読むタイプの読者であるわたしにとっては、入りこむのが難しいスタイルでもあるのだ。主人公である利休のキャラクターが、先述のように「突き放した、クールな」感じである上に、ごく短いエピソードが、ぽつり、ぽつり、と並べられている風なので、入りこんで一気にドッと怒濤のごとく! という具合に読むのは難しい。

 そのぶん、読みながらなんども考えこむことになるから、場面場面は心にひっかかって、長く残るような気もする。

 しかし、山のように登場する名物茶道具と、そのやりとりに応じて動く金額の、ものすごさよ……。ン千万当たり前、億もあるヨ、というラインナップ。
 茶道具の価格がものすごいというのは、再三言及している『完訳フロイス日本史』でもフロイスが驚き半分呆れるの半分という感じで記しているが、この漫画のなかの信長の「軽くて持ち運びやすい財産」という指摘は、「あっ、なるほどー!」であった。なるほどー!
千利休
著者名:清原なつの
出版社:本の雑誌社
出版年:2004.11
ISBN :4860110390
posted by うさぎ屋 at 02:51| Comment(2) | TrackBack(0) | 漫画

2006年01月09日

ハインリヒ・ハラー氏、死去

 オーストリアの登山家、ハインリヒ・ハラー氏が亡くなったそうです。7日。享年93歳とのこと。
 ブラッド・ピットが主演した映画『セブン・イヤーズ・イン・チベット』の原作者で、捕虜収容所を逃れてヒマラヤを目指し、鎖国中だったチベットのラサに到達、そこでダライ・ラマの家庭教師となり、また友人となった人物です。
 中国共産党が次第にチベット領有への動きを強めていく過程をも描いた、ノンフィクションです。ブラッド・ピットが演じたのは、そのハラー氏の役です。本にはたしかダライ・ラマの序文がついていて、どこにいても変わらず友だちである、というようなことが書かれていたと思います。

 映画と原作については、ずいぶん前にサイトの日記でコメントしました。日付をたしかめてみると、2003年の夏です。
中国は、チベットの民衆を僧侶や貴族などの圧政から「解放」したというのが建前。……の、はずである。米軍によるイラク「解放」関連のニュースを見るたびに、「解放」ってなんだろう、と思ってしまう。

うさぎ屋本舗】what i wrote: [2003/07/25]

 この文を書いてから、2年半が経過しています。今、イラクは「解放」されているといえるのでしょうか。

 日本はイラクに自衛隊を送っています。復興支援のためという名目で、実際にそれが役に立っている部分もあるのでしょう。彼の地で頑張っている自衛隊の人や、不安を感じながらも帰りを待つ家族のみなさんは、ほんとうに大変だと思います。

 でも、かれらを送りだしている政府を支える有権者のひとりとして、「自衛隊を派遣する」と決めている政党が歴史的大勝利をおさめる時代に生きていることは、恥ずかしいなと思います。

 わたしは自衛隊を他国の「解放」のために派遣する政党は、絶対に、支持しません。現時点では、自民党と公明党がそれにあたります。選挙があれば、その二党以外に投票します。

 一国の平和と解放は、他国の武力で実現させるものではありません。それは平和でもなく、解放でもない。名目は、どうとでもつけられるのです。歴史は勝者が書き換えるのですから。
セブン・イヤーズ・イン・チベット
著者名:ハインリヒ・ハラー
出版社:角川書店
出版年:1997.11
ISBN :4042770010

 ハインリヒ・ハラー氏のご冥福をお祈りします。
posted by うさぎ屋 at 20:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2006年01月08日

たまにはチェック本を

 最近どうも既刊本の感想ばかりなので、ちょっとはチェック本を。

のだめカンタービレ #14
 今週出るみたいですよ。

楔形文字入門
 えっ。これ入手困難本だったような。学術文庫で出し直すのでしょうか。これも今週発売。

・昨日調べたときは、まだほんつなにデータが入ってませんでしたが、東京創元社から〈ヴァルデマールの風〉の新刊が月末に出るはず。楽しみです〜。って積んでる本読んでから言えよ、と自分にツッコミたい。

 ここまでが新刊。あとは、新刊じゃないけど気になってる本。

エルフランドの王女
『かなしき女王』を出していた沖積舎の版。……これ、買ったか買ってないか記憶がとても曖昧なので、もう一回買っておくべきか悩ましいわけですね。どうもまだ買えそうな雰囲気なので。
 読んだか読んでないかは、「たぶん読んでない」んですけど。

漱石と寅彦
 で、上の本のデータを取りに行ってみつけたんですが、面白そう……って7,140円ですか! すみません、無理。たぶん。勢いがつけば買ってしまうんですがしかし……。

怪談
 民俗学の立場から。って、おもしろそうじゃないですか? 文庫だし。

からごころ
 前に面白い面白いと興奮していた『バベルの謎』の長谷川さんの本。読んでみたいんです。でも、いつ読むの?

 探しはじめたらキリがなくなったので、今回はここまで。
 読むスピードをもっと上げればいいんでしょうけど、一日に二冊、三冊と読むと、本が心の上っ面だけをかすめて通り過ぎていってしまうようで、もったいないというか。
posted by うさぎ屋 at 23:50| Comment(2) | TrackBack(0) | 刊行予定

読了メモ:透明な一日

 連続放火魔の手で母を亡くした者同士、偶然に再会し、恋をして、結婚を決意したふたり。しかし、結婚の許しを得ようと会いに行った、千鶴の父の様子は異常だった――実は、彼は前向性健忘症で、交通事故で脳に損傷を負った日から、一日も記憶の積み重ねができていないのだ。しかし、今も有能な物理学者として、脳の情報処理機構の研究に携わっているという。

 ってなんか、最近、似たような設定を見た記憶がありますよね。

 実はですね、『博士の愛した数式』(→感想)を山脈に積み戻しながら、家族に「これ読む?」と訊いてみたのです。どんな内容なのかと問われたので説明したところ、そういう設定の話、最近読んだなぁ……と本部屋の高山の三合目あたりから掘り出してもらったのが、この本です。ミステリなので君は興味ないだろうと思うけど、といわれました。

 たしかにこれは、ミステリだなぁ……。
 物語の志向するところがまったく違うので、読んでみると「似ている」とは微塵も感じません。ただ、要素だけをかいつまむと、共通のものが目立つだけでした。
透明な一日
著者名:北川歩実
出版社:東京創元社
出版年:2005.07
ISBN :4488453015

 ちなみに、家族はこれもネタが途中でわかっちゃったといっていましたが、わたしは全然わかりませんでした。
posted by うさぎ屋 at 20:44| Comment(0) | TrackBack(1) | 小説

トラックバック企画に参加しました

 先日ご紹介した、「2006年 このファンタジーが良さげ」というトラックバック企画に参加しました!

 63870http://usagiya.cside2.com/notes/rnote.php?u=diary/20060108.htm

 去年はぎりぎりだったので、今年は早めに! わたし頑張った!

 人様の企画にのってばかりもどうかと思うので、明日には個人的な「去年読んだ『デビュー作』のおすすめ一覧」などアップしてみようと思います。「去年読んだ」であって「去年出版された」でないあたり、いかにも自分の都合に合わせた内容って感じですけど。

 
posted by うさぎ屋 at 15:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

雑誌:迷宮街輪舞曲、連載開始

 去年一昨年あたりに「おもしろい、おもしろい」と騒いでいたウェブ小説【和風Wizardry純情派】を原作とする漫画が掲載されているというので、連載開始のご祝儀にと、買ってきました。原作「林亮介」さん、作画は「結城さくや」さん。

 せっかく買って来たので、読みました。

 日記スタイルを踏襲してモノローグで話を進めていくのかと予測していたら、そうではなく、全体にかなり手を入れてあるようです。

 うーん。どうせ手を入れるのであれば、もう「主人公は真壁」とはっきり固定して(ある程度は群像劇のおもむきを残すにせよ)、わかりやすくキャラを立てた方がいいんじゃないかなぁ? 連載第一回でこういう展開ってどうなんだろう(一応ネタバレなので、どういう展開かは書くのを控えます)……と思いますが、それは、なまじ原作の方をよく知っているからかもしれないですね。

 難しいなー。

 もどかしいというか、文章のままでじゅうぶん面白いのに、なんで小説の編集者が目をつけず、漫画編集者が見つけて原作に引っ張ったのか、と思います。

月刊comicREX
2006.01.07 発売号
発行サイクル:月刊
出版社:一迅社                 
雑誌コード:03713-02


 ちなみに原作の感想はこちら。
 63870 http://usagiya.cside2.com/notes/rnote.php?u=books/06ha/wizdiary.htm
posted by うさぎ屋 at 01:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画

2006年01月07日

読了メモ:四大文明メソポタミア

 NHKスペシャルの番組にあわせて編纂された本で、著者としてあげられている松本健氏のほかにも、個別のコラムを専門のかたが担当しています。末尾には四大文明座談会(エジプト、メソポタミア、インダス、中国それぞれの監修者とNHKのプロデューサーが参加)がおさめられています。

 特徴は、なによりも「図版が多く、美しい」ことかな?

 トリビアっぽいコラムはけっこう読みごたえがあるし、入門者向けの概説はもちろん押さえてあるし、このページ数で、頑張って作ってあると思います。

 座談会は、それぞれの学者さんのカラーが出ておもしろいですね。やはりというか、エジプトの吉村さんが、いちばん喋ってるなー、という印象。
 ただ、座談会は「四大文明を通じて、特定のテーマについて話す」なので、とくにメソポタミアについてのものではなく、テーマは「都市」。ほかの巻では、ほかのテーマをとりあげていて、四冊ぜんぶ買ってようやく座談会の全貌が見えるという仕組みのようです。策士だな〜……。
四大文明メソポタミア
著者名:松本健
出版社:日本放送出版協会
出版年:2000.07
ISBN :4140805331

 図書館の返却期限は昨日だったのですが、えー、今日こそ! 
posted by うさぎ屋 at 10:50| Comment(0) | TrackBack(1) | 歴史

2006年01月06日

懺悔。

 あまりに寒過ぎて、図書館に行けませんでした。返却期限が過ぎてしまいます。
 明日は頑張ります! と、ここに書いておけ