女戦士を主人公にした異世界ファンタジーですが、著者が世界の構築になみなみならぬ愛情をそそいでいるため、彼女らの旅する世界に奥行きがあり、ひじょ〜〜〜〜に面白いです。
わかりやすいお色気要素で媚びていたりはせず、むしろ寒い、腹減った、金がない、……と、やたら現実的な苦労をしてるあたりが、いいんですよ。なにしろ、主役キャラが領主の娘とかそういう「お姫様クラス」でも、館の切り盛りをまかされてウンザリ、食費の計算して頭を抱えちゃいます、なんて展開なのが容赦なくてわたしは大好きなのです。
TRPGをプレイする人などにとっては、「傭兵」のリアルっぷりが参考になると思うので、そういう視点で読んでも面白いかと。
ヴァルデマールのシリーズは、もうずいぶん刊行が重ねられておりまして、たしか邦訳第一弾は今は亡き社会思想社・現代教養文庫の『女王の矢』上下巻だったんじゃないかな……。著者名は「メルセデス・ラッキー」表記だったと思います。これも再刊していただけないでしょうか東京創元社さま。無理ですか。
その後のシリーズは、一貫して東京創元社の創元推理文庫から出ていたはずで、『女神の誓い』『裁きの門』『誓いのとき』『運命の剣(上下)』『宿命のささやき(上下)』、そして今回の『失われし一族』とつづきます。
こう書いてしまうと、そんな長いシリーズとても無理、と思われるかもしれませんが、最初の社会思想社のシリーズは、「当面は直接のつながりがない」かたちで、東京創元社の『女神の誓い』が始まってますので(話が進んだときに、両方読んでいると、「あ、つながってる」と思うだけです)、問題ないのです。ていうか、みなさん読んでください! 読んでください!
そしてわたしも新刊読まなきゃ。待ったわ〜。楽しみだわ〜
失われし一族 上 著者名:マーセデス・ラッキー
山口緑
出版社:東京創元社
出版年:2006.01
ISBN :4488577083失われし一族 下 著者名:マーセデス・ラッキー
山口緑
出版社:東京創元社
出版年:2006.01
ISBN :4488577091