2008年05月12日

読了メモ:イメイザーの美術

 うっわ、すっげ! というのが感想です。

 新人さんの作品だそうですが、これは新人じゃないと書けないなー、と納得です。
 一冊の本としてみると、余分なエピソードが多い割に、期待される展開にならず、読者を煙にまいてしまう感はあります。うまく表現できるかわかりませんが、たとえば「どんでん返し」が「おおっ、そうだったのか!」にならず「え、そんなこといわれても」になるというか。

 でもねえ、わたしはこの本、好きですよ。
「これが書きたいんだ」という強い意志が感じられるから。
 ちょっと不遜ないいかたを許していただければ、「小利口な計算なしに、書きたいものを書いた」感じです。
 子どもという生き物の未完成さ、かれらの秘めた可能性、そのすべてを芸術に――とくにこの作品では「絵」に――仮託して孵化させるという設定自体は興味深いんだけど、人物やエピソードがその強烈な着想の周辺をぐるぐる回らされてしまって、コントロールしきれていないというか。
 それでいて、個々のエピソードはすでに「決定事項である」というようにガッチリと描写されていて、ディテールまでこまかく描かれているので、よけいに読者が混乱するような気もします。部分部分が鮮明なので、全体像としては「はて、どこを見ればいいんですか?」という散漫な情景を提示することになってしまっているのです。

 その「コントロールしきれていない」部分にこそ、この物語の魅力があるのかもしれません。お話の/出版の/大人の都合にあわせて歪められていない、原初的な力を感じるので。
 そうしたものがお好きなかたは、たぶん読んで損をしたとは思わないでしょう。
 逆に、萌えとか燃えとか定型的な記号で書かれたエンターテインメントできっちり楽しませてくれることを期待して手にとると、たぶん肩すかしをくらいます。
イメイザーの美術

著者名:灰原とう(著)
出版社:小学館
出版年:2007.08
ISBN :9784094510249
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2008年05月08日

花ゆめコミックス一気に

 ええと、本屋へ行ってきました。クワンが!!!!!!!!!!!!!のエクスクラメーションの多さに耐えきれませんでした。他にもどこかでクワンがと叫んでいる記事をみた覚えがあったんだけど、どこだかわからなくなったー。ううう。

 まあそんなわけで、一気に買ってきて一気に読んだので一気にひとこと感想!

・龍の花わずらい 5:ほんとにクワンが!!!!!!!!!
・天空聖龍 5:やっとラブが! ラブきたー! でも破滅的展開っぽくて怖い
・お伽もよう綾にしき 4:こっちもラブきたー! おじゃる様じゃないけど見てて照れる!

 いやぁ、なんというかごちそうさまでした。頑張って仕事します。押忍。
龍の花わずらい 5

著者名:草川為(著)
出版社:白泉社
出版年:2008.05
ISBN :9784592183372
天空聖龍 5

著者名:山口美由紀(著)
出版社:白泉社
出版年:2008.05
ISBN :9784592182955
お伽もよう綾にしき 4

著者名:ひかわきょうこ(著)
出版社:白泉社
出版年:2008.05
ISBN :9784592183242
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2008年05月07日

荒川アンダーザブリッジ

 なにか感想書くの忘れてる……と思って気がつきました。これだ!
『荒川アンダーザブリッジ』、去年かなりブームになった『聖☆おにいさん』と同じ漫画家さんの作品です。見かけたので買ってたんですよ。『群青学舎』は相変わらず見かけないんですけどね……。

 まあそれはともかく、帯にブッダとイエスのありがたいお言葉つきで、お得な感じ。
 主人公はエリート……という言葉はもう古いのかしら。セレブ? まあとにかく、大金持ちなんだけど「人に貸しを作るな」と叩きこまれて育った青年で、だから自分の食い扶持は自分で稼いでいます、親にさえ貸しはありません、という凄い人。
 そんな彼が、ちょっとした判断ミスから究極の貸しを作ってしまいます。なんと、ホームレスの美少女(しかも電波さんで、自分を金星人と自称する)に、命を助けられてしまうのです。
 貸しを作りたくない彼が、命の恩人にどうすれば貸しを返せるかと問うと、……という流れで奇妙な生活が始まります。だから、アンダー・ザ・橋なのです。橋の下。

 シュールだけどクール過ぎない作風で、といってやれ癒しだ感動だという押しつけがましさもなく、ちょうどいい感じにゆるくて、おもしろかったです。
荒川アンダーザブリッジ 1

著者名:中村光(著)
出版社:スクウェア・エニックス
出版年:2005.07
ISBN :9784757514812
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2008年05月05日

献本御礼:たくさん!

 ご献本いただいたまま、ご紹介が遅れております。すみません!

 菅谷さんから、架空戦記の最新刊をいただきました。ありがとうございます。実は12人くらいいるユニットなのではないか、という都市伝説を語りはじめたのはひょっとすると自分だったかもしれないという気がしないでもないのですが(ニフティ時代)、相変わらず何人いらっしゃるんだかわからない八面六臂の大活躍。いや、おひとりなのは存じあげておりますが、しかし……。
覇王の連合艦隊 2

著者名:菅谷充(著)
出版社:有楽出版社
出版年:2008.05
ISBN :9784408604916


 久美沙織さまから、プリンセス・コレクションを二冊ともお送りいただきました。ありがとうございます! とてもキラキラしたかわいらしさに満ちたご本です。小説が横書きなのに、少しびっくりしましたが、最近のお子様は横書きの方が縦書きより馴染んでいるのかも。
プリンセスコレクション白の姫黒の姫

著者名:久美沙織(著)
出版社:講談社
出版年:2008.04
ISBN :9784063796025
プリンセスコレクション vol.1

著者名:高田明美(著)
出版社:講談社
出版年:2008.04
ISBN :9784063796018


 東京創元社さまからも、ご献本いただいております。ありがとうございます。
『ホーミニ・リッジ学校の奇跡!』の方は、ニューベリー賞受賞作家の作品。創元ブックランドから。
『バンガローの事件』は、少女探偵ナンシー・ドルーのシリーズです。一巻の感想はこちら。
 63870 古時計の秘密〈ナンシー・ドルー ミステリ 1〉
ホーミニ・リッジ学校の奇跡!

著者名:リチャード・ペック(著)
斎藤倫子(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2008.04
ISBN :9784488019594
バンガローの事件

著者名:キャロリン・キーン(著)
渡辺庸子(訳)
出版社:東京創元社
出版年:2008.04
ISBN :9784488250058

 最近ほんとうに廃人化しているので(息子の中学がですね、給食じゃなくてお弁当必携なんです。朝型になったり、原稿書いて夜型になったり、生活時間帯がぐっちゃぐちゃという情けない事態になっております)、漏れがあったらすみません。自信ないです。ああああ……。
posted by うさぎ屋 at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2008年05月03日

読了メモ:身代わり伯爵の結婚

 先月末の読了本ですが、感想を書くのが遅くなってしまいました。とても楽しい、ロマンティック・コメディのシリーズ第二巻です。

 ブログを順番にお読みいただいているかたには、おわかりいただけると思いますが、シリーズ1→3→2と変な順番で読んでしまったので、これを読んでようやくわかる第三巻! という部分がいくつかありました。パンの話とか。でも第二王子のエピソードがいちばん大きかったかな……続刊を読んだだけでは、こんな風だったとは想像がつかなかったので。
 まあ、メインはパンです。あとオバケ。それから着ぐるみ。

 あと、リヒャルトのラブ本腰度が低くてびっくりしました。そうか、二巻ではこんなだったのか……三巻では暇さえあれば頑張っているのに!
 それにしても、爽やか天然にこにこ青年のくせに、お酒に弱くて味音痴で寝起きが最低という組み合わせ。リヒャルトもかなり変わった人だと思います。奇人変人だらけのお話なので、たぶん目立たないんだけど。
身代わり伯爵の結婚

著者名:清家未森(著)
出版社:角川書店
出版年:2007.07
ISBN :9784044524029
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2008年04月30日

モンハンフェスタの帰り、懲りずに本屋へ

 GW中唯一の家族サービスとして、昨日は息子とモンハンフェスタに行って参りました。
 ええ、あの超弩級ヒットゲームのモンスターハンターです。ポータブルです。2ndGです。つまりmhp2Gが我が家でも流行しております……。

 事の起こりは、仕事仕事仕事仕事でブチきれた夫が去年の秋口、「PSP買う。どんなゲームがおもしろいの? モンハン?」と、mhp2を買ってきたところから。自分もやりたいと身悶えした息子が、マイPSPとマイモンハンをゲット。ふたりで通信プレイをし始めたからワタシ村八分状態です。
 家族でPSPを3台、同じゲーム3本ってもったいなさ過ぎるだろ……と思い、しばらく耐えたのですが、この仲間はずれ感はたまりません。
 世の中のお母さん族がひとしくゲームの敵なのは、自分もゲームをしないからです。わかりました。よぉくわかりました。

 という次第で、わたしもゲーム機とソフトを手に入れて、自分もハンターに。
 そこでゲームの敵にならず、自分もゲームにいってしまうところが、おそらくちょっと変なんだと思います。mhp2Gを買うために、ヨドバシカメラで行列もしました。見渡す限り、女性がわたししかいなかったよ! 周り中、若そうなおニイチャンたちばっかり! 変な思い出ができました。

 昨日はせめてモンハンフェスタ開場の10時には東京ビッグサイトに到着しようと思っていたのですが、いきなり寝坊しまして(駄目駄目だ! いや、ぎりぎり早朝まで仕事してたんで……)、11時過ぎに現場到着。並んでいると、ご家族連れがけっこう多かったのですが、見ていて「自分もハンターです」ってお母さん(ぽい人)は、いませんでした。……た、たぶん会場のどこかにはいたんだと思うの!

 ちなみに、12時過ぎくらいには、来場人数制限の上限(8,000人。200万本売ったゲームの東京イベントが8,000人て、入りきれないに決まってると思うんですが……)に達したとかで、もう並ぶこともできなくなっていました。並ぼうとした人が、警備員さんに断られているのを目撃しましたよ。
 並んでるあいだは暇なので、みなさんお手持ちのPSPでモンハンなさってました。
 わたしは、列の末尾に近いところで並んでて「G級ヒプノックに行く人いませんか〜、集会所23番」って呼びかけてた人の狩猟に飛び入りさせてもらおうとしたのですが、残念無念、アドホック通信の状態がよくなかったらしく、クエストに参加しても「解散になりました」表示になり、受領できないのです。
 その人たちとは前後で近いわけではなく、単に行列が動いたときに、運がいいと折り返しの関係で隣り合うという位置だったので「参加できない」というのをお伝えするだけで大変なことに。長いあいだ待っていただいたと思います、ほんとうにごめんなさい。最終的には手で「×」を作ってとにかく無理ってことだけ伝えたとか、そういう感じになりました。とても残念です。
 おひとりのギルドカードだけは受け取れたので、わたしのモンハンのファイルには、一枚だけ、知らない人のギルドカードが登録されています。

 しかたなく、息子と一回だけ遊びましたが、立ったままPSPでゲームするのって、案外腕にくることが発覚。疲れたのでもう無理です。並ぶだけでも疲労度蓄積中なのに。

 二時間以上並んでやっと会場に入ったときにはヘトヘト。しかも中でまた並ぶんです。もう死ぬ。かるく死ぬ。わたしの虚弱さ(つねづね体力づくりなど、しておりませんので)ではいろいろと無理です。
 そういう拷問のようなイベントでしたが、息子はとても楽しかったようでした。そうかい、アンタが楽しかったんならママはよかったよ……実をいうと、ママもちょっと楽しかったよ。とくにタイムアタック地区大会の決勝が楽しかった! うまい人のプレイを見ながら、みんなで同じ場面で「おおっ!」ってどよめくのは、すごく楽しかったです。
 まー傍目には「変なオバチャン」と思われたかもしれません。すみません。次はもうちょっと若作りして行きます。いや次はもう体力的に無理かも。

 会場内外の並びっぷりとか、タイムアタックの映像とか、ファミ通.comにありました。ご興味がおありのかたは、そちらで雰囲気をご堪能ください。
 63870 東京大会ダイジェスト動画@ファミ通.com

 で、へとへとになった帰り、乗換駅の駅ビルでとにかくお茶でも……と休憩したら、同じ階に本屋があったので吸い込まれました。こんなに疲れていても本屋! なにはともあれ本屋! 知らない本屋はイイ。すごくドキドキします。棚の配列がわからない! 迷路みたいです。でもその迷路がぜんぶ本なんですよ? 至福といってよいのではないでしょうか。素晴らしいです。
 そして『群青学舎』の三巻を探したのですが……ない! ない! 一巻と二巻と『コダマの谷』は平積みなのに、三巻がないいいい(泣きぬれて本屋を去る)
 それでもしっかり『身代わり伯爵の結婚』をゲットしてきました。

 そんなこんなで今日は使いものになりません。ボケーッとしております。
『身代わり〜』も読んでしまったのですが、疲れ過ぎてなにがなんだかよくわからなかったので(もったいない……)、あとで読み直して感想を書きますね。

 以上、「我が家のゴールデンウィークの始まり、そして終了」でした。
posted by うさぎ屋 at 17:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2008年04月25日

読了メモ:教会の悪魔

 国王(エドワード一世)の密偵ヒュー・コーベットのシリーズ第一弾。とのこと。

 ポール・ドハティは歴史ミステリ作家……なのですが、この人の本でわたしが好きなのはなんといってもこまかい(臭い、汚い)風俗描写。これに尽きます。これでもか! というほど不衛生。そこまでか! というほどグッチャグチャ。それを読んでたまらんワァと感じる自分をきもち悪く感じないでもないのだけど、さもありなんと納得できるから好きなのでしょうね……たぶん。
 なんとなく、信憑性を感じるというか。説得力があるというか。

 それだけの説得力を背景描写に割きながら、メインの骨格となるミステリ部分は毎回「いや、そんなめんどくさいことしないんじゃないか?」というくらいに謎! 不可能! 方向に傾斜しているのもおもしろい。それでバランスがとれているというべきなのかな。

 著者あとがきがネタバレでびっくりしました。うっかり先に見てしまったので(だから本の後ろから見る癖はなんとかしようよ!)、「こいつが黒幕だよな?」が名前が出た瞬間からわかっちゃったのは、もったいなかったと思います。ううう。
 訳者あとがきは、歴史から時代背景から風俗から、ざっと概観するかたちで手際も歯切れもよい内容で、とてもおもしろかったです。参考文献まで挙げられて、中世英国に理解を深めていきたい読者にとって、興味深い読みものになっていると思いました。
教会の悪魔

著者名:ポール・ドハティ(著)
和爾桃子(訳)
出版社:早川書房
出版年:2008.04
ISBN :9784150018115

本家サイト感想文一覧 63870 ポール・ドハティー
posted by うさぎ屋 at 15:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説